Great Designer Search 3 ファイナリスト
JEREMY GEIST(5人目)
TRIAL 3

予選も折り返しなので、課題の内容をおさらいしておく。(詳しくはMaking Magic:デザインを読む http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0030344/ を参照)

・各2色カードを1枚ずつ、計10枚作る
・クリーチャー、エンチャント、インスタント、プレインズウォーカー、ソーサリーを2枚ずつ、異なる色で作る
・コモン、アンコモン、レア、神話レアを少なくとも2枚ずつ作る
・未定義のスタンダード準拠のセットのためにデザインする
・使えるキーワードは常盤木と落葉樹のみ、新キーワードを作ってはいけない

実際やってみると、作れば作るほど制限がかかってきて、難しい課題です。

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JEREMY GEIST

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-jeremy-geist-2018-03-09

デザイン.1

お前の毒を選べ/Pick Your Poison (レア)
(3)(黒)(緑)
ソーサリー
数字の合計がちょうど〈4〉になるように、望む数のモードを選ぶ。あなたは同じモードを2回以上選んでもよい。
〈1〉クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを1個置く。
〈2〉接死を持つ黒の1/1の蛇・クリーチャー・トークンを1体生成する。
〈4〉ターン終了時まで、すべてのクリーチャーは-2/-2の修整を受ける。

[訳註:このテキストでは、出した蛇トークンにカウンターを置くことができない。意図通りだろうか。]
Eli Shiffrin:おや、最初から派手にルールを掻き乱すデザインです!これをサポートするルールはそこまで悪くはなさそうですが、いくらかの作業は確実に必要です。
2つの重要なことを忘れずに。モードは印刷された順序で行われ、対象はいずれかのアクションが実行される前に選択します。カードのデザインがそれらのルールを破るように強く訴えていたとしても、あなたはプレイヤーたちと戦わなければならず、誰も幸せにはなりません。このことはあなたが思う以上に実行可能なデザイン空間を制限するかもしれませんが、それでもこのデザイン空間から5枚ないし10枚の完全なサイクルが出てこないなら、私は驚きますね。
Erik Lauer:この数字によるコストは柔軟性があり、斬新だが、しかしいくらかの人々はこの数学を楽しまないだろう。
Melissa DeTora:ここに何が書かれているのかと考えてみましたが、実際に見たのは、4つから選ぶモード呪文が変装したものでした。この選択肢を増やし、数字を大きくすることで改良できると思いますが、そうすると、過度に複雑な超数学的カードになり、おそらくテキストがカードに収まらなくなるでしょう。加えて言うと、これらの選択肢が重み通りとは思えません。例えば、2体のヘビは《蔓延》と同じマナの価値ではありません。
Ethan Fleischer:このデザインは、各モードがほぼ同じ強さでなければならないという、モード呪文の共通の問題を解決するものですね。経験の少ないプレイヤーとのプレイテストをしてみるべきだとは思いますが、しかしこれは呪文のサイクルのための、探検する価値のある新しい空間でしょう。
Mark Rosewater:これは私のお気に入りデザインの一つで、興味深くこれまで触れられていなかったデザイン空間を活用している。Eliの言うように、一見してわかるよりも少し制限があるが、君はセットのクールで新しい構成要素になる可能性のあるものに触れている。また、1つのモードが緑、1つが黒緑、もう1つが黒であるのが嬉しい。それは世界中のメル[訳註:メルヴィン、ルール的な整合性に美を見いだす人々]をとても幸せにする。


デザイン.2

魅了/Bewitch (レア)
(1)(青)(黒)
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
あなたはエンチャントされているクリーチャーをコントロールする。
エンチャントされているクリーチャーは-2/-2の修整を受ける。
Erik Lauer:影響が少ない《支配魔法》という方向性は好きだ。だが、私はまだ大好きというわけではない。これはまったく斬新ではないし、3マナの《支配魔法》が楽しいかどうかわからない。
Melissa DeTora:クールな《支配魔法》効果だと思いますが、非常に攻めたコストです。この欠点はこのマナの減少を正当化するものではありません。いくらか数を調整すれば、これは魅力的になると思います。
Ethan Fleischer:これはかなり興味深いものです。小型クリーチャーに対する除去呪文、および大型クリーチャーに対する弱体化《精神の制御》です。これは実際に、最初はアンコモンで試して、リミテッドにどれほど影響があるかを見てみたいですね。通常、《精神の制御》は他のアンコモンと比べても強すぎるものですが、これは試してみる価値があると思います。
Mark Rosewater:このデザインは好きだ。ユニークだがシンプルな方法で異なる2色を組み合わせている。ピンチなときに除去呪文としても使え、余裕があればより大きな脅威を盗むのに使いたいと思えるのが好きだね。


デザイン.3

母熊/Mama Bear (コモン)
(2)(緑/白)
クリーチャー―熊
3/2
あなたがパワーが1以下のクリーチャーをコントロールしているなら、母熊は+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。

[訳註:なんで《仔熊》がいても強くならないんだ!ぷんすか。o(*`ω´*)o]
Erik Lauer:コモンの混成クリーチャーをうまく作るのは簡単なことではない。非常に素晴らしい!
Melissa DeTora:コモンとしては、このカードはリミテッドのあらゆる緑または白のデッキの屋台骨になり、3マナ4/3は非常に攻めたコストです。このフレイバーはとても魅力的だと思いますが、プレイヤーがどれくらいの頻度でこれらのコモンを目にするのかは忘れないでいてください。私ならこれとは別の方向に舵をとっていたでしょう。〈母熊〉にではなく、小さなクリーチャーにカウンターを置くように。フレイバーはそのまま残り、多くのリミテッドのゲームで4ターン目に大きすぎるクリーチャーで殴られることはなくなります。
Ethan Fleischer:私を「(*´ω`*)」とするべく計算され尽くした、とてもかわいいカードです。しかし、あまり混成カードのように感じられませんね。緑はこうやって小さなクリーチャーを気にかけたりしないと思います。また、これがプレイヤーにどのような種類のデッキを組ませたいと思わせるのかわかりません。これは楽しいものなのでしょうか?
Mark Rosewater:君は、魅力的で、新しく、フレイバー的なコモンの混成カードを作ることができた。それは簡単な事ではない。


デザイン.4

多相のプレインズウォーカー、パム/Pam, Shapeshifting Planeswalker (神話レア)
(2)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー―パム

+1:あなたは戦場にあるクリーチャー1体かパムでないプレインズウォーカー1人を対象に選んでもよい。そうしたなら、ターン終了時まで、パムはそのクリーチャーかプレインズウォーカーのコピーとなるとともに破壊不能を得る。パムがプレインズウォーカーのコピーとなったなら、このターン、あなたはそれの忠誠度能力が起動されていなかったかのように、それの忠誠度能力1つを1回起動してもよい。
-2:緑の3/3のウーズ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
-6:各プレイヤー1人につき、そのプレイヤーのライブラリーからクリーチャー・カードかプレインズウォーカー・カードを1枚探し、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。その後、各プレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。
Eli Shiffrin:プレインズウォーカーに破壊不能を与えるときには注意してください。そのプレインズウォーカーはダメージによる除去から守られることはありませんが、プレインズウォーカーが破壊不能を得ると言っているなら、それを意図しているのだと簡単に誤解されてしまうでしょう。
Erik Lauer:これは斬新ではあるが、実のないように思えるテキストが多すぎる。
Melissa DeTora:とてもクールな+1だと思います。能力はどれも、コストと数字に関する限りでは、妥当に思います。懸念は、この奥義は多人数戦では非常に時間がかかることです。各ライブラリーを探している間、他のプレイヤーが待たされることを考えてください。しかしそれは簡単に修正できることであり、全体的にはかなり好きです。
Ethan Fleischer:シェイプシフターの緑青のプレインズウォーカーというアイデアは好きです。このウーズ・トークンは、シェイプシフターのキャラクターとテーマ的に合っている、ナイスでシンプルなものです。私は《袖の下》効果が本当に嫌いですが、プレインズウォーカーの奥義としてならオーケーだと思いますし、忠誠度が残っていれば、次のターンにその最大のものをクローンできますね。プレイヤーが良いクリーチャー(またはプレインズウォーカー)を唱えたり、デッキに入れたりすることを罰するカードには気をつけてください。
Mark Rosewater:3つの起動型能力はそれぞれ好きだ。残念ながら、私にはそれらの相互作用がわからなかった。優れたプレインズウォーカーをデザインする鍵は、どの順序で能力を使えばより大きな利益を得られるのか、プレイヤーが道筋を模索できるようにすることだ。君の道筋はまったくつながっていない。その上、君のフレイバーは結びついていない。パムはシェイプシフターだ。それは+1の起動型能力を説明している。なぜ彼女はウーズを作るのか?なぜ彼女は他人のクリーチャーやプレインズウォーカーを召喚できるのか?メカニズム的にもフレイバー的にも一貫していない。要するに、要素は好きだが、それらは同一のジグソーパズルを構成してはいないように見える。


デザイン.5

誰かの血の署名/Sign In Someone Else’s Blood (コモン)
(黒)(赤)
インスタント
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。誰かの血の署名はそれに3点のダメージを与える。
カードを2枚引く。
Erik Lauer:また良いコモンだ。
Melissa DeTora:これには全く新しいところがなく、ただの《祭壇の刈り取り》です。時にはクリーチャーが生き残るという利点があり、相手が対象を除去できるという欠点がありますが、あまり革新的なものではないと思います。
Ethan Fleischer:よくわかりませんね。対象とするクリーチャーのタフネスが3以下なら、実際にはただの追加コストに過ぎません。このカードのカラーパイが妥当であるか疑わしいです。また、プレイヤーはよく、マナ・スクリューから抜け出すために軽いドロー呪文を使います。このカードはあまりその役には立ちません。
Mark Rosewater:良いコモンの多色のデザインでは、全体を複雑にすることなく、ある色の能力に他の色の要素を足して調整する方法を見つける必要がある。君はそれをうまくやった。


デザイン.6

気まぐれなジン/Whimsical Djinn (神話レア)
(4)(青)(赤)
クリーチャー―ジン
4/4
飛行
あなたのアップキープの開始時、以下からまだ選ばれていないもの1つを無作為に選ぶ。そうできないなら、気まぐれなジンをオーナーの手札に戻す。
・クリーチャーかプレインズウォーカーを最大2つ対象とする。気まぐれなジンはそれらに4点のダメージを与える。
・ターン終了時まで、気まぐれなジンは二段攻撃を得る。
・カードを3枚引く。
Eli Shiffrin:モードを持つ誘発型能力がそのモードを選択できない場合、それはスタックから取り除かれます。これは、この能力がこのクリーチャーをバウンスすることは非常に難しいということです。 私はあなたが望むようにこれの機能を変更できるだろうとは思いますが、このような基本的な前提に触れるとデジタルの場で問題を起こす可能性があると学んだので、私の保証には、デジタル部門へどう連絡するのかという大いなる注意書きが付いてきます。
Erik Lauer:とても良い。
Melissa DeTora:このカードは素晴らしいですね。これは適切なランダム性を持っていると思います。このようなランダムな選択肢を持つ呪文を見ると、私はいつも自分に問いかけます。間違った選択肢を得た場合にゲームの結果が決まってしまうかどうか。望んでいない選択肢を得た場合でも幸せになれるかどうか。これの場合は、能力がどれもイカれているので、どれが選ばれても問題ありません!
すべてのモードを使いきったとき、ゲームがどうなっているかわかりません。モードの1つだけでも行えば、相手を非常に遠くに引き離すことになるでしょう。私はこのデザインが本当に好きですが、このカードは強すぎる上に振れ幅が大きすぎ、選択肢のレシオを少し抑えてもよいと思います。このようなカードは統率者戦のようなものには合っていますが、主要なブースター商品をデザインするときは、2人プレイヤーのゲームでどのようにプレイされるかを考える必要があります。
Ethan Fleischer:このカードが神話レアに値するとは思えません。これはあまりにも間抜けでランダムです。このようなタイプのカードはスパイクにとってあまり魅力的ではないので、これを構築のために押したくはありません。これは、リミテッドのボムか、カジュアル・カードとしてのみ、役割を持てるでしょう。それらの役割としてプレイテスト・ファイルに入れれば、おそらく魅力的になると思います。
Mark Rosewater:このデザインは危険な空間を使っている。君はスパイクとタミー[ティミー]両方が好むカードを作ろうとしているが、それは難しいことだ。これの能力が互いに違っていて、どれもかなり有用である点で、君はおおむねこの任務を達成している。 このカードはエキサイティングで楽しくプレイされるだろうと信じている。
テクニカルな助言をするなら、私なら最初のモードを少しシンプルに変えるだろう。通常、プレイヤーに多くの異なる文節を読むように要求するカードの場合、それらを可能な限り分かりやすくする必要がある。2つの異なるカードタイプをとれる、2つの異なる対象を持つのは、少々複雑に見える。また、君がメル[メルヴィン]を幸せにしたいなら、青の能力を1つ、青赤の能力を1つ、赤の能力を1つ行うようにすることだ。


デザイン.7

混成/Mix (アンコモン)
(白)
ソーサリー
パーマネントにエンチャントされているオーラ1つを対象とし、それを適正にエンチャントできる他のパーマネントにつける。
//
適合/Match
(赤)
ソーサリー
装備品1つとクリーチャー1体を対象とし、その前者をその後者につける。
Erik Lauer:とても一貫した分割カードだ。
Melissa DeTora:魅力的ですが、このカードは非常に狭いものです。分割カードを作る理由はプレイヤーに選択肢と汎用性を与えることであり、このカードは実際にはそうしません。これは簡単に分割でない1マナの混成カードにできます。両側がインスタントだったなら、もう少しの柔軟性があったでしょう。〈適合〉の機能は装備コストを減らすか、相手の装備品をあなたのクリーチャーに一時的に移動させることでしょう。その効果はカード1枚分の価値があるほど強いとは思いません。
Ethan Fleischer:このカードのモードはどちらも非常に狭く、どちらもかなり弱い効果です。両側が1マナであっても、デッキに入れるところが想像しにくいですね。
Mark Rosewater:この並列構造の欠如は、私のこのカードに対する美的感覚を混乱させる。通常、分割カードはここまで近いものにはしたくない。また、これは2色の分割カードではなく、モードを持つ白単色のカードになりたがっているようだ。


デザイン.8

かつてのソリン/Sorin, The Prequel (神話レア)
(3)(白)(黒)
伝説のプレインズウォーカー―ソリン

+2:各対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
-3:対戦相手がコントロールする土地でないパーマネント1つを対象とし、それをかつてのソリンが戦場を離れるまで追放する。
-10:「希望の天使アヴァシン」という名前の、飛行と警戒と破壊不能と「あなたがコントロールする他のパーマネントは破壊不能を持つ。」を持つ白の8/8の天使・クリーチャー・トークンを1体生成する。
Erik Lauer:これはぴったりではあるが、「このプレインズウォーカーを除去できるかどうかで決まるゲーム」ばかりになるのは好きじゃないな。
Melissa DeTora:クリーチャーを追放してから、このプレインズウォーカーを守るのか、あるいはクリーチャーを戻すのか、興味深い緊張感があります。しかし、1枚のプレインズウォーカーとしては非常に弱いと思います。これは5マナでは少々重く、そしてプラスで得られるのは1点のドレインだけです。プラスにあまり価値がないので、マイナスを使うためにこれをデッキに入れるでしょうが、このマイナスは5マナに見合う価値はありません。
このカードは多人数戦を念頭に置いて作られたように見え、ゲームのプレイヤー数に応じて拡大する能力だったならより面白くなるでしょう。(各プレイヤーのクリーチャーを追放する。)
現状では、このカードはプレイヤーを興奮させるには弱すぎると思います。
Ethan Fleischer:これは素敵でフレイバー的です。+2能力はソリンの吸血鬼としての根源的な個性。-3能力は《獄庫》の能力に似ており、そしてソリンの奥義はアヴァシン・トークンを生成するものです。初期のイニストラードを思い起こすようなセットをやるなら、このようなデザインが適切かもしれません。
Mark Rosewater:このカードについての私の注意は、君の前のプレインズウォーカーの注意と似ている。この要素は好きだが、それらは全体として魅力的になるわけではない。たとえば、もしアヴァシンがあなたのライフの総量と等しいパワーとタフネスを持つ*/*のクリーチャーだったら、君のライフは奥義に到達するために何かの意味を持つだろう。
まん中の能力は、むしろ奥義に到達するチャンスを減らしてしまう。何故なら、一度何かを封じ込めてしまい、ソリンを生き残らせた上で奥義を使おうとすれば、奥義は実質的に-11になるからだ。
フレイバーは評価できるし、ソリンはパムよりはつながりを感じさせてくれるが、印刷するまでにはまだ一連の調整が必要だと思うね。


デザイン.9

シャルルマーニュを忘れるな/Remember Your Charlemagne (アンコモン)
(白)(青)
インスタント
あなたがコントロールするアーティファクト1つか、オーラでないエンチャント1つを対象とする。ターン終了時まで、それは他のタイプに加えて5/5のクリーチャーになる。

[訳註:カード名の意味が不明……何かの故事成語か?]
Erik Lauer:面白いが、《アーティファクトの魂込め》に何も斬新さを加えてはいない。
Melissa DeTora:良いアイデアです。これを柱にしてデッキを作るのは非常に難しいと思います。ほとんどのリミテッドデッキはエンチャントを多くはプレイしないため、これは非常に狭いコンバット・トリックになります。このカードを柱に構築戦のデッキを作る場合、エンチャント・デッキに一時的な5/5を入れたいとは思えません。より興味深いアプローチは、エンチャントを恒久的に動かすオーラにすることだと思います。(これまでアーティファクトにやってきたことです。)
[訳註:確証はないがなんとなく、アーティファクトも対象にできることを見落としているような気がする?]
Ethan Fleischer:これは確かに白青のカードです。リミテッドでは狭く、弱いカードのように見えます。これがアーティファクトやエンチャントでデッキを埋めることへの適切な見返りであるとは思いませんが、しかし1枚分の枠の価値はあるでしょう。
Mark Rosewater:これは魅力的な白と青の重複能力だ。君がオーラの問題を把握し、回避してくれて嬉しいよ。これが少々狭いものだという、他の審査員の意見には同意だ。全体としては、賢いデザインではあるが、限られたセットでしか機能しないだろう。(つまり、「未定義のスタンダード準拠のセットのためのデザイン」のルールにはあまり合っていない。)


デザイン.10

人間は許されない/No Humans Allowed (アンコモン)
(1)(赤)(緑)
エンチャント
あなたが人間をコントロールしていないかぎり、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
Erik Lauer:この構築の柱になるアンコモンは好きだ。
Melissa DeTora:ナイスで、シンプルで、リミテッドで柱になり、構築でもプレイヤーを興奮させるだろうアンコモンのエンチャントです。クール!
Ethan Fleischer:マジック最大の部族である人間は、奇妙な位置にいます。「人間以外の部族」というアイデアにはメリットがありますね。プレイ・デザインのチーム的に、およびこのカードのコンセプト的にはいくらか課題がありますが、適切な調整を検討する価値のあるデザイン空間だと思います。
Mark Rosewater:反部族という点で興味深いデザインだ。頻繁に行うことではない。君は、赤と緑の重複部分を使うのではなく、それぞれの異なる能力を混ぜ合わせたものを使うべきだったと思うね。



【全体的なコメント】
Erik Lauer:多くの素敵なカードがあり、いくらかの斬新さがあった。君のデザインは、候補者の中で最もエレガントであり洗練されている。君は「安全なプレイをしている」ように感じられ、洗練されたデザインは、確かに、君をトップ8に導いた素晴らしい戦略ではある。今度はいくらかのリスクを負うときであり、単に生き残るだけでなくより印象を与えるべく挑戦し、どうなるかを見てほしい。
Melissa DeTora:全体的には、あなたのアイデアは面白いと思いました。アイデアの多くは革新的で、新しいデザイン空間を模索し、深いものでした。しかし、パワーレベルは乱雑でした。パワーレベルを評価するときは、標準的なリミテッドのゲームでどのようにプレイされるかを想像してみてください。もし、あるカードがリミテッドで凶暴なビートダウンカードなら、レアリティを見直してください。それがレアより下なら、もう一度見直してください。それがレアまたは神話レアなら、あなたの側にない場合にどれくらい楽しいか自問してください。
主要なブースター商品にとって、リミテッドが最も重要なフォーマットだと言うわけではありませんが、初心者の多くは限られたカードプールで遊んでマジックを体験します。
あなたのより高いレアリティのカードは非常にクールに見えましたが、それらの多くはパワーレベルの基準から外れていました。
Ethan Fleischer:あなたは、トップダウン・デザインの方法をよく把握しており、また、マジックのカードでできることについてクールで新しいアイデアを持っています。総合的に、あなたのカードは、実際に唱えると楽しいように見えます。
プレイヤーのことを忘れずに!カードは、理想的には、誰かが手に入れてデッキに入れたいと思うものでなければなりません。カードが十分なことをしなければ、人々はそれをプレイしたいとは思わないでしょう。もちろん、すべてのカード、特にセットのコモンすべてがそうなっているとは限りませんが、心に留めておくのは大事です。
Mark Rosewater:君はこのデザイン・テストで、3番目に良いものを提出した。君のカードは、洗練されていると同時に革新性を持っていた。君は明らかにマジックのデザインの技法をしっかりと把握しており、素晴らしいアイデアをたくさん持っている。
私はErikに同意するが、おそらく君をここまで連れてきた良い戦略だったにしろ、君は少々安全なプレイングをしていると感じている。これからの課題では、もう少し突っ込んだデザインを見てみたいものだ。君はフレイバーに対する強いセンスを持ち、カードは全体的に適切だと感じるが、あまり派手さがない。初めて見たときに目玉が飛び出すカードが必要だ。君のカードに対する私の反応は、「ああ、我々はそれや類似のものを作れるな」だったが、決して「すげえ!」ではなかった。「すげえ!」を見る必要があるのだ。



ひみつ(でもない)日記
先日、ウィザーズ本社にトップ3が呼ばれ、最終審査が行われました。(マローのTwitterより。)
https://twitter.com/maro254/status/1004183632003493888?s=19

最終課題の内容はこんな感じ:
闇の隆盛の会議中、《降霊術/Seance》を変更しなければならなくなった。一時間で代わりのデザインを3枚分(!)提出すること。

・イラストに合っていること
・白のレアであること
・カードタイプは変えてもよい
・コレクター番号は変えられない(つまり、名前は《聖所の猫/Sanctuary Cat》と《銀爪のグリフィン/Silverclaw Griffin》の間に入るようにしなければならない)

結果、Ari Niehさんが優勝に選ばれた模様です。予選の内容は既に訳しましたね。
http://bluemen.diarynote.jp/201805241927079976/

提出されたデザインはまだ公開されてませんが、そのうち記事が書かれるでしょう。おめでとうございます。(*’ω’ノノ゙☆

これにてGDS3はほぼ終了、ですが翻訳のほうはまだまだ続く……といいな!(気力的な意味で。)

Great Designer Search 3 ファイナリスト
JAY TREAT(4人目)
TRIAL 3

~翻訳進行状況~
TRIAL3   4/8 ←まだここ
CHALLENGE1 0/8
CHALLENGE2 0/7
CHALLENGE3 0/6
CHALLENGE4 0/5 ←NEW!
CHALLENGE5 0/4 ←NEW!

アッハイ。

このJAY TREATさんは、第2回グレート・デザイナー・サーチでもファイナリストに残っていた人です。
今回はCHALLENGE3で脱落となりました。(ネタバレ)

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JAY TREAT

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-jay-treat-2018-03-09

デザイン.1

目的ある回想/Recall with Purpose(アンコモン)
(3)(白)(黒)
ソーサリー
あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚とオーラ・カード最大1枚を対象とし、それらを戦場に戻す。
[訳註:このテキストでは、釣ったクリーチャーに釣ったオーラをつけることができない。]
Eli Shiffrin:これで戻すオーラは、戻すクリーチャーにはつけられません。それらは同時に戻ってきて、オーラが何につくかはそれらが移動する前に決める必要があるのです。ここで最善の選択をするなら、同時に「最大1枚」も取り除くことになります。これをモード呪文にしましょう。モードは順番通りに実行されるので。

以下から1つまたは両方を選ぶ。
・あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。
・あなたの墓地にあるオーラ・カード1枚を対象とし、それを戦場に戻す。
Erik Lauer:このクリーチャー・カードにオーラをつけさせるには、いくらかのテンプレート作業が必要ではあるが、可能なことだ。このデザインは素晴らしいと思う。
Melissa DeTora:これは素晴らしいですね。私は喜んでこの《ゾンビ化》に5マナを払うでしょうし、オーラを得られるかもしれないという追加のボーナスはいいものです。リミテッドで面白いカードに見えます。
Ethan Fleischer:これは、オーラを使うリスクを多少緩和してくれますね。特化したリアニメイト・デッキを作らせることなく、リアニメイト呪文を印象深いものにできるやり方です。私は確実にこれをファイルに入れるでしょうね。特に、セットがオーラのサブテーマを持っていれば。
Mark Rosewater:Eliが注意するように、このテキストにはいくらかの操作が必要ではあるが、私はこのカードが好きだ。これは白と黒のよい混合で、オーラをプレイするデッキで楽しいことができるようにしてくれる。


デザイン.2

エキドナの双頭のもの/Echidna’s Two-Headed Pup(アンコモン)
(1)(赤)(白)
クリーチャー―キマイラ
3/3
威迫、警戒
各戦闘で、CARDNAMEは追加で1体のクリーチャーをブロックできる。
One head loves being petted and the other hates it. Good luck.
Erik Lauer:「双頭」の動きがこんなに!好きだね!
Melissa DeTora:ワオ、このカードはビートダウン向けに見えますね。とても強力です。レアリティは良いですが、マナレシオはダメです。このレシオではリミテッドで相手にして楽しいカードのようには見えませんが、全体的なデザインは好きです。
Ethan Fleischer:威迫と「追加で1体のクリーチャーをブロックできる」の対称性が好きです。これはメルカディアン・マスクスの《双頭のドラゴン》で見たものですが、このデザインはそれよりも意味があります。素敵で、簡潔で、斬新なデザインです。
Mark Rosewater:過去に何度も使われたメカニズムを混ぜ合わせて、デザイナーが新しいものを作ることができたとき、私は嬉しくなるのだ。(このカードは《双頭のドラゴン》とは違って感じられる。)
このカードはフレイバー的であり、色やレアリティに合っており、プレイ感も良いという、エレガントな1枚だ。それがどれだけ難しいことなのか、いくら言っても足りない。おめでとう、Jay。


デザイン.3

三分割/Third Degree (コモン)
(黒)(赤)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。CARDNAMEはそのクリーチャーとそのコントローラーにそれぞれ2点のダメージを与える。2点のライフを得る。
Erik Lauer:非常に魅力的なコモンだが、私ならおそらく3マナを要求するだろう。
Melissa DeTora:ナイスでシンプルな、すばらしいコモンです。このマナレシオは1マナ足りないように思います。コモンとしては、このカードがやることは少し多すぎるようです。これは(1)(黒)(赤)が適正でしょう。
Ethan Fleischer:これは完全に実用的なカードですが、私の興味を惹くところはありませんね。
Mark Rosewater:これは、2番目の色(この場合は赤)をいい具合にデザインに取り入れた、ナイスで簡潔なコモンだ。


デザイン.4

星界の天啓/Cosmic Revelation (アンコモン)
(1)(緑)(青)
インスタント
カードを1枚引く。
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、その基本のパワーとタフネスはそれぞれ、あなたの手札にあるカードの枚数に等しくなる。
[訳註:解決後の手札の枚数の変動によって、p/tも変動する(と意図している)のかどうか不明。]
Eli Shiffrin:あなたが対象のサイズをその時点で固定したいのか、それともターンの間、更新したいのか分かりません。いずれの方法でもテキストは存在しますが、テストする時に困ります。何人かのデザイナーが使う技として、エディターがテキストを変えたり、私がルールを変えたりするまで、質問に答えるような簡単な註釈文を入れておくというものがあります。
Erik Lauer:とても良いね。
Melissa DeTora:あなたの手札に応じて、これがクリーチャーを縮めたりパンプしたりできるのが好きですね。これが青緑の除去呪文にならないように、あなたが「カードを1枚引く」を追加したことを高く評価します。とはいえ、このカードはこのマナレシオでは強すぎると思います。多くの場合これをコンバット・トリックとして使い、その用途においては非常に柔軟なものです。「1体を殺し、カードを1枚引く」は3マナとしてオーケーではなく、そして、それはこのカードがほとんどの場合にすることなのです。私はコストに1マナを追加するでしょうね。

[訳註:《野生の寸法》(2緑、インスタント、+2/+2トランプル、1ドロー)はいいのだろうか。柔軟性の差?]
Ethan Fleischer:このキャントリップは、これが疑似除去ではないことを保証してくれますね。《マロー》的なコンバット・トリックはクールなアイデアです。私はこれを3マナより安くできるかもしれないと思ったのですが、Melissaのコメントを見て私が間違っていたと分かりました。
Mark Rosewater:また楽しいデザインだ。2つの色を完璧に混ぜ合わせながら、非常にプレイアブルな効果を作っており、審査員の1人[マロー?]にアピールしている。ブラボー!


デザイン.5

反逆の誘導/Lure of Treason (レア)
(3)(赤)(緑)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、そのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。ターン終了時まで、それは速攻を得る。このターン、それをブロックできるすべてのクリーチャーは、それをブロックする。
Erik Lauer:レアとしては全く斬新だとは思わないが、ナイスなデザインだ。
Melissa DeTora:このカードは適切なコストであり、正しいレアリティなのですが、私はこれが楽しいレアだとは思いません。これはゲームを勝ち取ることができるリミテッドのボムであり、そのようにして負けることにいらつくものです。(予測できない《寄せ餌》クリーチャーです。)
このようなカードは構築で使うには狭すぎます。これはリミテッドをプレイしていないプレイヤーがパックから開けて興奮するカードではなく、パックを無駄にしたようなものでしょう。
Ethan Fleischer:《反逆の行動》は多くのゲームを終わらせます。《寄せ餌》は多くのゲームを終わらせます。それらを1枚のカードに合わせると、非常に多くのゲームを終わらせるでしょうね。これは明らかにリミテッドで強力です。構築での影響力があるのだろうかと心配ですが。
Mark Rosewater:またナイスな能力の混合で、好きだね。赤は「ブロックされなければならない」ができるが、「すべてのクリーチャーに」を得るためには緑になる。私もMelissaとEthanの言う、これがどれくらい楽しいかどうかわからないという意見に同意する。


デザイン.6

幻の放浪者/Illusive Vagabond (コモン)
(1)(青)(黒)
クリーチャー―ならず者・イリュージョン
2/3
CARDNAMEがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、それを生け贄に捧げる。そのプレイヤーはカードを1枚捨て、あなたはカードを1枚引く。
Erik Lauer:非常に面白いコモンで、メカニズム的にも戦略的にも、この2色に非常に合致している。
Melissa DeTora:やろうとしていることはわかりますが、私はこのカードは好きではないですね。 私なら強制的な生け贄は避けるでしょう。アドバンテージを得るにしても、時にはクリーチャーを生け贄にしたくないものです。このボディは、頻繁には[攻撃が]通らないようなサイズになっていますね。そのアイデアは好きです。
Ethan Fleischer:ナイスでシンプルなコモンです。
Mark Rosewater:君は本当のコモンを作ることについて、かなり良いコツをつかんでいる。このカードが、ことを起こすために一度プレイヤーに攻撃を当てなければならないという、小さな試練を課せられているのが好きだ。また、フレイバーは青黒のクリーチャーにぴったりに見えるね。


デザイン.7

バケツリスト/Bucket List (レア)
(1)(青)(赤)
エンチャント
あなたがCARDNAMEに示されているタイプの呪文を1つ唱えるたび、そのタイプの上にカウンターを1個置くとともにカードを1枚引く。CARDNAMEの5つのタイプすべての上にカウンターが置かれたなら、それを生け贄に捧げるとともに追加のカードを1枚引く。
[ ]アーティファクト[ ]クリーチャー[ ]エンチャント[ ]インスタント[ ]ソーサリー
Eli Shiffrin:私はこのデザインが機能するようなルールを書けるとは思いますが、その見た目を無からひねり出すことを思うと、私の脳ミソがひっくり返ります。これは機能させるための詳細なルールと用語の定義を必要とし、また下の部門でも、私が気付いただけでも多くの問題が存在します――グラフィック・デザインへの懸念、デジタル化と表示への懸念、トーナメント・プレイへの懸念など。これが必要とする仕事量に見合うように、このデザイン空間を使って1枚より多くのカードを作ってほしいですが、これは私の印象に残り、興味をそそられました。
Erik Lauer:ナイスで構築の柱になるクエストだ。
Melissa DeTora:これにかかる多くの仕事は、利点に見合わないでしょう。このデッキ構築への制限は非常に大きいものです。とはいえ、書かれていることはとても楽しいと思います。これには追跡の問題があるので、カードに目印をつける方法を見つけなければいけません。それぞれの項目の上にサイコロを置くのは合理的ではないように思います。これは、Magic OnlineとMTG Arenaのチームに機能させられるかどうか確かめなければならない類のカードです。(悪いことではありませんが。)
Ethan Fleischer:このカードは《B-I-N-G-O》[アンヒンジド]のデザイン空間を使っていますね。この使い勝手は、グラフィックデザイナーがカウンターを配置するためのそれぞれの場所に対応するカード枠を作れるかどうかに大きく依存します。デジタルでどのように実装されるのかについての潜在的な懸念もありますが、それほど難しくないと思われます。総合的には、これはそれを中心にデッキ構築をするにはかなり面白いクエストに見えます。これは、あなたのエッセイで言及されたイカれたカードになると思いますね。[訳註:エッセイとは、予選の第一段階(TRIAL 1)のエッセイ課題のことだと思うが、内容は公開されていない。と思う。私が見逃していなければ。]
Mark Rosewater:これは、94人分のデザイン・テストすべての中で私の一番のお気に入りデザインだ。これはまったく新しい方法で枠を利用する、興味深い「私を中心にデッキを組んで」カードであり、メカニズム全体を作るように私にインスピレーションを与える類のカードだ。(そして、Eliの言うように、これを機能させる努力を正当化するのに十分な数のカードを作りたくなるのは明らかである。)


デザイン.8

考古学者、ジョーリ/Jori, Archaeologist (神話レア)
(1)(黒)(緑)
伝説のプレインズウォーカー―ジョーリ

+2:あなたのライブラリーの一番上から2枚のカードをあなたの墓地に置く。2点のライフを得る。
-2:あなたの墓地にあるパーマネント・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。
-7:ターン終了時まで、あなたは、あなたの墓地にあるカードをプレイしてもよい。このターン、カードがいずれかの領域からあなたの墓地に置かれるなら、代わりにそのカードを追放する。
Eli Shiffrin:ジョーリの最後の能力は、トークンでないパーマネントが死んだときに「死亡したとき」の能力が誘発するのを止めますが、トークンについては止めないことに注意してください。プレイヤーが誤ってプレイするリスクを許容しますか?それとも安全に、「カードかトークンが」あなたの墓地に行こうとすると追放されるようにしますか?
Erik Lauer:率直で堅実なプレインズウォーカーのデザインだ。
Melissa DeTora:3マナのプレインズウォーカーは、4マナのプレインズウォーカーよりもかなり扱いが難しいため、作るのに慎重にならなければなりません。これは対戦相手が盤面に戦力を持つ前に着地します。このため、通常、3マナのプレインズウォーカーは低い忠誠度から始めます。あなたは3で始め、すぐに5になります。これはプラスでは何もしませんが、対戦相手はこれを殺すために多くのリソースを投資しなければなりません。
とはいえ、このデザインは非常にクールだと思います。楽しいプレイパターンをいくつも持っています。(自身を削り、墓地を肥やし、全部を唱え、必要があればパーマネントを戻します。)
常にどの能力を起動しても嬉しいでしょうし、奥義を目指すのかキーカードを戻すためにマイナスを使うのか、興味深い選択があります。数字を調整すれば、このプレインズウォーカーは素晴らしくなるでしょう。
Ethan Fleischer:すべての能力が密接に連携している、隙のない1枚です。《ヨーグモスの意志》の奥義は粋ですね!これまで言ってきた通り、プレインズウォーカーは難しいですが、これはかなり魅力的です。このカードは能力で自分自身を守る手段がないので、より高い忠誠度で始めることができるでしょう。(奥義のコストはそれに対応して高くなります。)
Mark Rosewater:またクールなデザインだ。これは少し黒に寄っているようだが、2色であることを正当化できるくらいには、緑がデザインに取り入れられている。私は、奥義が「ターン終了時まで」の効果ではなく、むしろ紋章であるべきかどうか考えているよ。


デザイン.9

平和の監視者、フィオナ/Fiona, Peaceseeker (神話レア)
(2)(白)(青)
伝説のプレインズウォーカー―フィオナ

+2:各プレイヤーは、自分がコントロールするアンタップ状態のクリーチャー1体をタップしてもよい。そうしたプレイヤーは、カードを1枚引く。
0:あなたの手札にあるカード1枚につき、1点のライフを得る。
-12:「あなたの手札の上限はなくなる」を持つ紋章を得て、その後、あなたの手札の枚数があなたのライフの総量に等しくなるまでカードを引く。
Erik Lauer:このデザインは好きではないな。0能力は、君のライフ総量を収拾のつかないものにして、君は負けることはないが、おそらく非常に長い間、勝つこともない状況にしてしまうだろう。その時点で、奥義はデッキを引ききってしまうので役に立たない。
Melissa DeTora:このプレインズウォーカーはストーリーを伝え、どのようにプレイすべきか、それを使ってどのように構築するべきか、はっきりと思い描くことができます。それは素晴らしいことです!+2を使うインセンティブが非常に高いので、ライフを得るために0能力を使うのは非常にまれだと思います。(カードを引いて忠誠度を加えることは、ライフを得て忠誠度を加えないことよりもはるかに強いので。)
欠点があるのはわかりますが、永遠にプラスを使わないということはないでしょう。私は0能力を何らかの形で強化すると思います。 おそらくは、カードを1枚得て少しのライフ・ゲインをするように。あなたの他のプレインズウォーカーと同様、これはいくらかの調整を加えれば素晴らしいカードになると思います。
Ethan Fleischer:ジョーリほどには好きになれませんね。これを唱えたくない状況が多いと思います。対戦相手が私よりも多くのクリーチャーを持っている場合や、または私の手札が空の場合など。私は通常、いつでも自信を持って唱えられて、どの能力を起動するのがベストかはっきりしているようなプレインズウォーカーのデザインを好みます。
Mark Rosewater:このデザインには多くのクールな要素がある。カードを引くのにクリーチャーを必要とするのが好きだね。手札の数に応じたシナジーも好きだ。すべてがテーマ的・メカニズム的につながっているのが楽しいと思う。この奥義は私のお気に入りだ。それは私がプレインズウォーカーの奥義に求めている、「ワオ、それをやったら楽しいだろうな」というクオリティを持っている。


デザイン.10

農場の買収/Bought the Farm (アンコモン)
(1)(緑)(白)
エンチャント―オーラ
エンチャント(あなたがコントロールする土地)
CARDNAMEが戦場に出たとき、対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それをCARDNAMEが戦場を離れるまで追放する。
エンチャントされている土地は「(T):あなたのマナ・プールに(緑)(白)を加える。」を持つ。
Erik Lauer:これは少々やり過ぎに感じ、私はマナを出すためにはこのエンチャントを生け贄にするようにしてはどうだろうと思った。そうすれば、君はクリーチャーを退けておけるが、大きく動くときにはそれを戻すことになる。
Melissa DeTora:ワオ、ナイスです。非常に魅力的です。しかし、これはランプ呪文のオマケとしては大きすぎるものです。このカードはスタンダードでは少々強すぎるように思えますが、これは《未達への旅》をするための素晴らしく革新的な方法です。ここでの良い解決策は、除去できるクリーチャーの種類を制限することでしょう。
Ethan Fleischer:これは「熱い接着銃」デザインですね。《払拭の光》と《繁茂》が接着されています。私の土地の場所に、3枚ものカードの束が置かれることになるのはちょっと奇妙です。ランプ呪文は積極的なものであり、除去呪文は対応的なものなので、このカードは戦略的にはやや矛盾しています。私見ですが、このカードは使うプレイヤーに葛藤を与えすぎると思います。私はおそらくこれをセットには入れないでしょう。
Mark Rosewater:我々はオーラに《忘却の輪》系の効果を持たせたことはあったが、エンチャント(土地)には持たせたことはなかった。[訳註:《岩への繋ぎ止め》は?]
土地は伝統的に破壊するのが難しいので、おそらくそのセットの中に回答があるのだろうが、しかし全体的なデザインは好きだね。フレイバーは変わるだろうが、魅力的なデザイン名だ。



【全体的なコメント】
Erik Lauer:非常に実り多いカードたちだ。ちょっとした作業で、これらのほとんどが堅実で楽しいカードになることだろう。このコンペの中では、君のカードが最高だ。
Melissa DeTora:あなたのカードの多くは素晴らしく、それらの多くが構築の柱として興奮できるものでした。あなたのカードには多少のマナレシオの問題がありましたが、それは経験によって簡単に解決できることです。それらのマナレシオの問題はすべて、カードが弱すぎるのではなく強すぎることだったので、今後の数週間はそのことを頭に止めておいてください。他に考慮すべきことは、ゲームプレイのパターンです。たとえば、決して選ばれない選択肢をカード上に作ってしまうことや、ゲーム上でやりたくないことを強いてしまうことなどです。
Ethan Fleischer:あなたがマジックのカードを、もしかするとセットまで、たくさんデザインしてきたことは明らかです。あなたは、マジックのセットが楽しくダイナミックな環境を作り出すために必要なカードの種類を理解しています。私は、我々が特定の問題に対する比較的簡単な解決策を見つけようとしたときのために、あなたをデザイン・チームに置いておきたいと思いました。
あなたのデザインは楽しくてエレガントに見えます。しかし、〈バケツリスト〉を別にすれば、それらはかなり保守的なものです。あなたが少し境界を押し広げるところを見たいですね。また、これからのショーでは、より多くの構築の柱になるカードと、トップダウン・デザインを見せてほしいです。つまりは、プレイヤーが立ち上がって「信じられない!」と言うようなカードをもっと見たいのです。
プレインズウォーカーについては、それらのカードは主にスタンダード構築向けであることを覚えておいてください。そのため、唱えたターンに盤面に何らかの影響を与える選択肢が必要です。
Mark Rosewater:君は全候補者の中で最良のデザインを提出した。君のカードはよく工夫されており、ほとんどが実用的だ。マジックのセットが必要とするものについて、君が良い考えを持っていることは明白である。
私の注意は、Ethanのものと似ているだろう。私は、君は我々に見せたよりもはるかに能力があるだろうと思う。君の能力をより発揮し、少々危険なデザイン空間を試すところを見たいと思っている。〈バケツリスト〉はすべてのデザインテストの中で私の一番のお気に入りカードだが、君の他のカードはどれも、〈バケツリスト〉がしたような、デザイン空間を押し広げる可能性を示してはいないようだった。
君はまた、このコンペで唯一のグレート・デザイナー・サーチへの再挑戦者であり、私は、君が力量を示すに充分なものを持っていることを知っている。(Jayは、第2回グレート・デザイナー・サーチで最初に脱落したデザイナーだった。)前回のグレート・デザイナー・サーチからの7年間で君が培ったすべてのスキルを見せてくれたまえ。私は、君がデザイン・テストで見せたよりもずっと多くのことができると感じている。これからの課題を使って、私が正しいことを証明してほしい。



ひみつ(でもない)日記
先日公開されたCHALLENGE5が最終課題であり、ここで脱落した1人を除いた3人がウィザーズ本社に呼ばれて最終審査を受けるという流れだったはず。(たしか)

つまり、これ以上は記事は増えない。といっても、あと合計36記事分あるわけだが。
まあどっかで私の気力が尽きるやろ。_(:3」z)_

Great Designer Search 3 ファイナリスト
CHRIS MOONEY(3人目)
TRIAL 3

~翻訳進行状況~
TRIAL3    3/8 ←いまここ
CHALLENGE1 0/8
CHALLENGE2 0/7
CHALLENGE3 0/6 ←NEW!

1つ訳すごとに、その6~8倍の数が追加される、それがGDS3翻訳マラソン。


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CHRIS MOONEY

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-chris-mooney-2018-03-09

デザイン.1

チャンピオン・ベルト/Champion’s Belt(レア)
(1)(赤)(緑)
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに威迫と警戒を持つ。他のクリーチャーは「(2)、(T):エンチャントされたクリーチャーと格闘を行う。」を持つ。
エンチャントされたクリーチャーが死亡したとき、このターンにそれと格闘したクリーチャー1体にCARDNAMEをつける。
Eli Shiffrin:この誘発型能力が解決してこのオーラをつけるとき、それは墓地にあるので、君はそれを墓地から戻すようにしなければなりません。このカードにそう書くのは簡単ですが、オーラを扱っているときはタイミングに注意してください。
Erik Lauer:素晴らしいアイデアです。最後の能力がうまく働くかはわかりません。(チャンピオンと格闘したクリーチャーは、生きてベルトを受けとることができないかもしれません。)
Eliならこれを機能させる方法について、いくつかアイデアがあるんじゃないでしょうか。
Melissa DeTora:クールなフレイバーですが、私はこのような欠点を持つクリーチャー・オーラをプレイしたいとは思いません。対戦相手が私よりも大きなクリーチャーを持っているなら、これはプレイできなくなります。
Ethan Fleischer:これは私が《重い拳》デザインと呼ぶものですね。[訳註:《重い拳》(2)(青)、オーラ、+3/+3、アンタップしない]
あなたが自分のクリーチャーか相手のクリーチャーか、どちらに《重い拳》を唱えるのかはわかりません。少数のプレイヤーがこのような複雑な選択を歓迎する一方、多くのプレイヤーはこのようなカードで単に混乱してしまいます。あまり直感的ではないメカニズムのカードをレアにしたことは評価できますが、このカードがマジックのセットにおいて十分な魅力を発揮するのか、私はかなり懐疑的です。
Mark Rosewater:このカードには一連の調整が必要だが、この骨子は本当に好きだ。マジックのセットには、デッキにおいてそれを最適化する方法を考えなければならないような、何枚かの風変わりなレアが必要だと思う。また、これは非常にフレイバー的だ。


デザイン.2

地下世界の管理者、キーパー/Keeper, Underworld Warden(神話レア)
(2)(白)(黒)
プレインズウォーカー―キーパー

+1:墓地にあるクリーチャー・カード最大1枚を対象とし、それを追放する。
-1:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中から土地でないカードを1枚選ぶ。そのカードを追放する。
-2:パーマネント1つを対象とし、それを追放する。
CARDNAMEが戦場を離れたとき、次の終了ステップの開始時、それにより追放された各カードをオーナーの手札に戻す。
Erik Lauer:しばしばプレインズウォーカーは、それが戦場にいることが非常に致命的なために、それを除去するかどうかに何も興味深い決定をする余地がないという問題を引き起こします。しかし君のデザインは、プレイヤーが自分の墓地からクリーチャーを追放し確保しておけるようにし、対戦相手にこれを破壊するかどうか考えさせます。これはデザインの勝利ですね。
Melissa DeTora:プレインズウォーカーに死亡誘発を付けるのは面白い試みであり、このデザインはあなたと相手の両方に緊張感を与え、面白いゲームプレイを導くでしょう。
Ethan Fleischer:このカードの能力は相互作用がありません。-1能力で手札からカードを追放させるので、後で+1能力で墓地からそのカードを追放することもできません。このカードのマナレシオは非常に強いように思います。たった4マナで、2つのパーマネントか、手札から4枚のカードを追放できます。 +1能力はほとんどの状況で無関係なもので、対戦相手がリソースを根絶やしにされていない限り、おそらく起動されないでしょう。このデザインについて私が好きなことはほとんどありません。
[訳註:一番下の誘発型能力か何かを見落としているように思える。]
Mark Rosewater:これまで見たことがない、死亡誘発を持つ初めてのプレインズウォーカーのデザインだ。それぞれの能力が死亡誘発に関連付けられているのが好きだね。また、コントローラーが時にはそれを意図的に殺すことを選ぶプレインズウォーカーだというのも気に入った。Ethanにはまったく同意できないのだが、このカードはよいデザインの詰め合わせだと思う。


デザイン.3

一射の妨害工作員/One-Shot Saboteur(コモン)
(青)(黒)
クリーチャー―人間・ならず者
1/3
CARDNAMEが戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番下から2枚のカードを見て、その内の1枚を裏向きで追放する。
CARDNAMEがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えたとき、その追放されたカードをあなたの手札に加える。
Erik Lauer:面白いデザインですが、ライブラリーの一番上から2枚にするべきだと思いますね、特にコモンでは。
Melissa DeTora:一番下から2枚のカードを見ることは好きではないですね。多くの動作が必要になり、一番上を見るよりもはるかに時間がかかります。これは簡単に一番上から2枚のカードを追放するように変更でき、機能は変わりません。クールなコモンです!
Ethan Fleischer:〈一射の妨害工作員〉のアイデアは好きです。これに似た、マジック・オリジンの高名メカニズムをプレイして、それはとても面白いものでした。なぜライブラリーの一番下をあさるのかよくわかりませんが、占術が多かったり、これに似た何かをやりたいような環境が想像できます。
Mark Rosewater:他の審査員と同じく、私もこれにライブラリーの一番下を見る強い理由がないと思う。また、このカードは青単色にもできるものだ。しかし、フレイバーは好きだね。


デザイン.4

時間の借用/Borrowed Time(レア)
(3)(緑)(青)
インスタント
あなたがコントロールするすべてのパーマネントをアンタップする。カードを1枚引く。
あなたの次の開始フェイズを飛ばす。(開始フェイズには、アンタップ・ステップ、アップキープ・ステップ、ドロー・ステップが含まれる。)
CARDNAMEを追放する。
Erik Lauer:賢い《Time Walk》の亜種で、この色の組にうまく適合しています。
Melissa DeTora:本当に怖いカードです。唱えられたなら、フェアなことにはならない種類のカードです。これは、プレイ・デザインのチームが数時間プレイした後、おそらくデザインをし直すように求めるタイプのカードです。こうしたことをするカードの良さが、私にはわかりません。
Ethan Fleischer:面白いデザインです。基本的には、次の開始フェイズに即座に移ることができます。コンボやストーム・デッキで強いように見え、《時間のねじれ》よりも強力です。これは神話レアでもいいように思え、また、コストを1マナか2マナ増やしたいかもしれません。
Mark Rosewater:このデザインはとても好きだ。フレイバー的で、古い能力をクールな新しい方法で組み合わせていて、プレイヤーにそれで何をするのかを考えさせる。私はMelissaの言う、このカードがプレイ・デザイン的な理由で実際に印刷することができないかもしれないという意見を尊重する。それでも、私はデザイナーが未知の領域を探索することを好ましいと思う。多くのカードは殺されて[ボツにされて]しまうが、それをくぐり抜けて作られたものは、えてして記憶に残るものになるのだ。


デザイン.5

分かち合う権利/Shared Custody(アンコモン)
(1)(白)(青)
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
あなたはエンチャントされているクリーチャーをコントロールする。
各戦闘フェイズの開始時、エンチャントされているクリーチャーのオーナーは、「このターン、それは可能なら攻撃やブロックする」ことを選んでもよい。エンチャントされているクリーチャーのオーナーは、このターン、それが可能なら攻撃やブロックするかどうかを選ぶ。(それがどのように攻撃やブロックするかは、依然としてあなたが選ぶ。)

[テキストの訳し間違いというか、曖昧すぎるテキストというか……。]
Eli Shiffrin:何かが複数のプレイヤーに共同で何かをさせるというときは、常に注意が必要です。この場合は――オーナーが「攻撃する!」と言って、しかし[《亡霊の牢獄》などで]攻撃に(2)が必要な場合、どうなるでしょうか?攻撃しないと言って、しかし何かの効果がそれは可能ならば攻撃すると言っていた場合、どうなるでしょうか――この選択は、通常の手順における制限や強制を考慮するのか、それとも戦闘の宣言の一部に含めることを意図しているのでしょうか?結び目を切り落として簡単にしましょう!

各戦闘の開始時、エンチャントされているクリーチャーのオーナーは以下から1つを選ぶ。
・この戦闘で、エンチャントされているクリーチャーは可能ならば攻撃やブロックする。
・この戦闘で、エンチャントされているクリーチャーは攻撃やブロックできない。
Erik Lauer:これは私を興奮させるものではないですね。普通のセットのリーダーなら、これをボツにすると思います。これは各ターンに誘発する能力を持っており、かつ、かなりの数のゲームにおいてそれらの誘発は何もせず、単に処理の重い《平和な心》にすぎません。
Melissa DeTora:面白いアイデアですが、この誘発型能力を解決するためにすべての戦闘を一旦止めなければならないことは好ましくないですね。特に、ほとんどの場合は攻撃しないでしょう。
このマナレシオは本当に、本当に強いです。 3マナの《支配魔法》は、たとえ決して攻撃やブロックしたりしないとしても、適切ではありません。(戦闘を介さない、強力な能力を持ったクリーチャーを考えてみてください。)また、これはアンコモンというよりもレアです。
Ethan Fleischer:ふむ、99%の場面で単なる複雑な《平和な心》の亜種ですか?ゲームプレイ上の残りの1%がこのカードの存在を正当化するとは、私にはとても思えませんね。
Mark Rosewater:このカードは白青よりも青赤を感じさせる。(白ではなく)青と赤が、通常、攻撃やブロックを強制させる色だ。また、私にはこのカードの楽しさがよくわからない。これは両方のプレイヤーを苛立たせると思う。最後に、何かを奪うことを、あまりにも簡単に行わせるのは良くない。意図された使い方よりも、奪って生け贄にするように誘導してしまう。


デザイン.6

真実の愛の口付け/True Love’s Kiss(レア)
(2)(赤)(白)
ソーサリー
異なるプレイヤーにコントロールされているクリーチャー2体を対象とし、それらに愛カウンターを1個ずつ置く。それらのクリーチャーにつけられているすべてのオーラを破壊し、その後それらをアンタップし、ターン終了時までそれらのコントロールを得る。
CARDNAMEを変身させた状態で戦場に出す。
//
愛の力/The Power of Love
赤/白
伝説のエンチャント
愛カウンターが置かれているクリーチャーは速攻と絆魂を持つ。それらは、愛カウンターが置かれているクリーチャーをコントロールしているプレイヤーを攻撃できない。
Erik Lauer:このカードは非常に長ったらしく、この効果はこれだけの単語を使うほど価値があるとは思いませんね。
Melissa DeTora:非常に複雑で長ったらしいです。なぜこのカードが、出たときの誘発を持つエンチャントではなく、変身するカードなのかがわかりません。2人プレイヤーのゲームでは、最終的に、それぞれが攻撃できないクリーチャーを1体ずつ持つことになります。 それは楽しいカードのようには見えず、またこのカードはその単語の多さを正当化するのに十分な強さやクールさを備えてはいません。
Ethan Fleischer:これがなぜ出たときの誘発を持つエンチャントではなく、両面カードなのかが本当に分かりません。2体のクリーチャーにそれぞれ愛カウンターを置いて、愛カウンターを持つクリーチャーにいくつかの能力を適用するというアイデアは好きです。これは私が過去に数回、再現しようとして失敗してきたフレイバーであり、なおかつこれは、テーロスのデザイン中に私が作ったがボツにされた、「エンチャント(2体のクリーチャー)」を持つオーラよりも見栄えがよいものです。
Mark Rosewater:我々は君に、スタンダード準拠のセットのためのカードを作るように言った。これは多人数戦用のカードであり、2人プレイヤーのゲームではうまく機能しない。また、このカードには多くの単語があるが、そのほとんどは意味のないものだ。最後に、これはフレイバー的なカードに読めるが、プレイ上ではそれほどうまくいっていない。なので、私にはこれはほぼ失敗作に見える。


デザイン.7

暴力的な考え/Violent Thoughts(アンコモン)
(2)(黒)(赤)
インスタント
あなたのライブラリーの一番上から2枚のカードを追放する。それらのカードはそれぞれ、望む対象に2点のダメージを与える。この方法であなたがカードからダメージを与えられたなら、そのカードをあなたの手札に加える。
If violence isn’t the answer, you’re asking the wrong question.
~Tibalt

[訳註:厳密なテキスト化が難しい。対象を決めるのはいつなのか?まあデザイナーは厳密なルールを決める必要はないとマローも言ってたし。何故かついているフレイバーテキストの訳は省略。]
Eli Shiffrin:このカードのように「対象」を埋めこむことは、プレイヤーたちを、シンプルで、論理的で、かつ不正確なプレイパターンに誘導することになります。あなたのライブラリーの一番上から2枚のカードを追放し、対象が必要であることを確認し、今から対象を選択します。……しかし、対象は常に呪文が唱えられたときに選択するものです。
「2つの対象を選ぶ」こととその機能について、あなたが望むデザインに応じた、いくつかの選択肢があります。
追放されたカードがそれぞれ、2点のダメージを「いずれかのクリーチャー1体かプレイヤー1人」に与える。そのカードを見た後で、対象をとらないようにします。
もしくは、アモンケットのカード《心臓貫きのマンティコア》に導入された新しい「再帰誘発型能力」の技術を使用して、カードを見た後に対象を選ぶようにできます。
Erik Lauer:この、カードのドローと、ダメージと、面白い選択の組み合わせは好きですね。
Melissa DeTora:これは素晴らしいですね。見たものに応じてドローかダメージを与えることができ、とても柔軟性があります。このカードは、アンコモンではなくレアとしても充分なほどに強くてエキサイティングであると思います。
Ethan Fleischer:このテンプレートは奇妙に見え、あなたが望むようには機能しません(カードを見る前に対象を選択する必要があります)が、再帰誘発型能力を使うように書き直せば、狙い通りの効果にできるでしょう。このカードはスパイク向けで、彼らはこのような柔軟さと意思決定をするカードを好みます。
Mark Rosewater:面白い効果の組み合わせだ。使い方よって、黒にも赤にも見えるのが好きだ。いいぞ!


デザイン.8

友好的なツリーフォーク/Friendly Treefolk(アンコモン)
(4)(緑)(白)
クリーチャー―ツリーフォーク
7/7
警戒、トランプル
CARDNAMEがクリーチャーに与えるすべての戦闘ダメージを軽減する。
A treefolk is a friend to all, be it plants or elves or tiny squirrels.
Eli Shiffrin:ダメージ軽減とトランプルとの相互作用は誤解されることが多いので、これらのルールに大きく傾いているカードを見ると、私は眉をひそめます。 (私は2つより多くの眉をひそめる必要がある場合に備えて、追加の眉を箱に取っておいてます。)[訳註:ルール・マネージャー特有の唐突なジョーク。リリースノート等でも見られる。]
これを変更せずに、プレイヤーにその相互作用の働きについて理解してもらうようにしますか?彼らが混乱して、わからないと言ったらどうしますか?
Erik Lauer:愛嬌がありますね。
Melissa DeTora:楽しいデッキ構築の挑戦に見えますね。リミテッドで、これにより盤面が膠着してしまうのではないかと心配です。これはより軽く、より大きくすることができ、レアに適切だと思います。
Ethan Fleischer:小さなクリーチャーを踏み潰す(trample)が、それを傷つけはしない、というこのフレイバーは少々奇妙ですね。ダメージ軽減とトランプルの相互作用に光を当てているこのデザインはあまり好きではないです。いくらかのプレイヤーを混乱させると思います。
他のクリーチャーにダメージを与えることができないクリーチャーというアイデアには可能性があると感じます。デザインチームの会議で挙げて、正しいデザインを見つけられるかどうかを確認すると思います。
Mark Rosewater:私はEliの言う、このカードが多くのプレイヤーを混乱させるだろうという意見に同意する。(クリーチャーにはそのタフネスに等しいダメージを割り振らなければならず、残りの分だけがトランプルで通る。)
このカードは、もしもプレイヤーがその働きを理解できるならばクールだ。しかし、それは大きな「もしも」だ。Ethanの言う、調整でこれの潜在的な混乱を取り除けるだろうという意見にも同意だ。


デザイン.9

呪文の王、クウィル/Kwil, Spell Lord(神話レア)
(3)(青)(赤)
プレインズウォーカー―クウィル

あなたがインスタント呪文かソーサリー呪文を唱えるたび、CARDNAMEの上に忠誠カウンターを2個置く。その後、あなたはそれの忠誠値能力を1つ起動してもよい。
-3:インスタント呪文1つかソーサリー呪文1つを対象とする。その呪文が青であるなら、カードを1枚引く。その呪文が赤であるなら、CARDNAMEは望む対象に2点のダメージを与える。
[訳註:対象を決めるのはいつなのか。]
-5:インスタント呪文1つかソーサリー呪文1つを対象とし、それをコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。
Eli Shiffrin:クウィルは忠誠度能力の「1ターン1回」ルールに依然として(こっそりと)制限されているのか、あるいは彼が1ターンに1回以上起動できるようにするために忠誠度能力のルールを完全に書き直す必要があるか、どちらかです。銀河を左右する選択なので、注意が必要です。
Erik Lauer:これはカードとしては面白いですが、かなりエンチャントのように感じますね。
Melissa DeTora:通常の方法で使えないプレインズウォーカーは、プレインズウォーカーのように感じられませんね。アイデアは興味深いですが、ソーサリー速度でこれを起動できないのは残念です。私もErikに同意しますが、これはプレインズウォーカーというよりもエンチャントのようです。
Ethan Fleischer:このカードは見れば見るほど好きになります。インスタント速度でしか機能しない忠誠度能力という、プレインズウォーカーのデザインとしては本当に斬新な空間を、誘発型能力を使うことで実現しています。
少し心配なのは、このカードはマナカーブに組み込みにくいことです。これを戦場に出すのと同時に、《ショック》かキャントリップかを撃てる状態で手札に持っていなくてはなりません。
このカードは、デッキ全部をキャントリップにする可能性を秘めたエンジン・カードですが、カードパワーを調整するための「取っ手」がたくさんあるので、おそらくセットのデザイナーがそれを機能するようにできると思います。
Mark Rosewater:君がプレインズウォーカーのデザインを新しい空間に押し進めようとしていることは尊重するが、君は間違いなく危険な領域に踏み込んでいる。これはうまくいけばクールだが、ほとんどの場合、君が望む機能を持っていない類のカードだ。また、このカードは私の頭に警鐘を鳴らし、カードに書かれている通りのことができるのかどうか、Eliに確かめなければならないだろう。


デザイン.10

デスマッチ/Deathmatch(コモン)
[訳註:ほぼ同名の《デス・マッチ/Death Match》がオンスロートに存在する。]
(黒)(緑)
ソーサリー
あなたがコントロールするクリーチャー1体と、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、その前者は接死を得る。その前者はその後者と格闘を行う。
The world doesn’t pull any punches. Why should I?
Erik Lauer:一見すると、これは緑単色カードのように見え、すべてのテキストが緑の範疇です。しかし、これは緑単色カードではできない、純粋な破壊カードであり、黒緑でなければなりません。これは素晴らしいカードであり、優れたコモンです。
Melissa DeTora:これは緑単色カードであり、《捕食》とあまり違いがありません。ここで追加された柔軟性はクールですが、まだ黒ではありません。
Ethan Fleischer:これは技術的には緑単色のカードでできるものですが、我々はこれを緑単色で作ることはないと思います。それは緑のカラーパイの精神に違反しています。あなたがここで提出したように、黒緑の多色カードとしたほうが、私は好きですね。これがソーサリーなのも好きです。リミテッドにあまり多くの、不意討ちの可能性を作りたくないので。私はこのカードのコストは正しいと思います。ナイスです!
Mark Rosewater:興味深いカードだ。表面的には緑単色に見える。緑には接死があり、緑には格闘もあるが、それらの組み合わせは緑だと感じられないため、我々はそれらを一緒にすることはない。それはどの色に感じられるか? 黒だ。おや!巧妙さに追加点だ。


【全体的なコメント】
Erik Lauer:君は力強い一連のカードデザインを持っています。総合的には、君のカードは機能的であり、いくらかの斬新さがあり、そして私はそれらが全体的に改善されることを期待しています。君の改善の傾向であると見える箇所は一つもありません。見たところ、君を1個で改善させるアイテムというものはないようです。この先、君が経験と、具体的な批判的反響によって改善することを望みます。
Melissa DeTora:あなたのカードの多くは好ましいものでしたが、レアリティは少し外れていました。シンプルな効果であっても、あなたはそれらが実際のゲームにどのように影響するかは考えていませんでした。あなたが提出したアンコモンはどれも、たとえ派手なものでなくても、レアのように見えました。
多人数戦のためにデザインしたカードであっても、1対1のゲームでうまく動作し、楽しいものであるべきです。(コンスピラシーのような多人数戦セットのために特別にデザインしている場合は別です。)
全体として、シンプルなものから複雑なものまで幅広いものがあり、〈真実の愛の口付け〉を除けば、過度に複雑なものはありませんでした。全体的には、私はあなたのカードについて肯定的に感じました。
Ethan Fleischer:あなたのデザインは複雑すぎます。ゲームデザイナーは解くべきパズルをゲームに取り入れるものだと想像されるでしょうが、一方で彼らは[一般的な意味での]デザイナーであり、不要な要素を取り除くことも必要です。2つのことを、あなた自身に問いかけてみてください――このメカニズムを実装する簡単な方法はありますか?カードの目的は明確ですか?あなたの提出物には本当に斬新さがたくさんありますが、私が見たいと思うほどには堅実でも直接的なデザインでもありません。これからのショーでは、目的のはっきりした、簡潔に表現されたコモンとアンコモンで我々に印象付けてください。
次回はフレイバーテキストは飛ばしてください。それは別のチームの仕事です。[訳註:一応、課題の指示では「クリエイティブ要素を付けてもよい」とされていた。ただし、それによって評価が変わることはないとも。]
Mark Rosewater:私がこのデザインテストで注目していたことの1つは、新しいことを試すようにデザインチームを誘導するようなカードがどれくらいあるかということだ。その点では、君は上出来だ。君には革新的なアイデアがたくさんあり、メカニズム的に興味深い空間へと踏み込んでいる。
君のデザインについて、私が大いに心配なのは、君がデザインの技巧に十分な敬意を払わなかったことだ。君は、最高のゲームプレイにつながるためというよりも、まるでそうしたかったためにそうしているかのように感じられる。たとえば、君がライブラリの一番下からカードを取るようにしたのは、それがそのカードのプレイを良くするためというよりも、斬新さのためだ。この先のデザインで見たいと思っているのは、君の斬新さに対する熱意を維持しつつも、それが君のデザインを強化し、損なわないようにすることだ。その熱意を、カードのゲームプレイに対しては慎重に使い、邪魔になるときには使わないようにすることだ。
君はフレイバーに対するよいセンスを持っているが、実用性には欠けている。君はプレイテストから多くを学べるだろう候補者の1人だ。君が、読みやすく、プレイしやすいマジックのカードを作れることを示してほしい。




ひみつ(でもない)日記
今回は、わかりにくい言い回しが多かった。正確ではないかもしれない。

全体的なコメントのErik Lauerの3文目は、

There isn’t a single item I see as your path to improvement.

で、「君の改善の傾向であると見える箇所は一つもありません。」
としたのだけど、ホントにそんな辛辣なこと言ってる?けっこうカード褒めてたやん?

一応この人は、最新のchallenge3でも生き残っている。ちゃんと改善できたのか。


グレート・デザイナー・サーチ3 ファイナリスト
ARI NIEH(2人目)
TRIAL 3

既に、次の次の段階であるchallenge2が公開されています。
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-challenge-2-2018-05-22

~翻訳進行状況~
TRIAL3   2/8 ←いまここ
CHALLENGE1 0/8
CHALLENGE2 0/7

追いつけるはずもなく……。


GDS3ではないけれども、読むべき翻訳:
【翻訳】アクローマ誕生秘話/Angels Among Us【DailyMTG】
http://regiant.diarynote.jp/201805222338289406/
(ロングインタビュー)R.ガーフィールド:マジック・ザ・ギャザリングを作った男(1)(翻訳記事)
https://blogs.yahoo.co.jp/takewatchgo/43524038.html?__ysp=44Kw44Os44O844OI44O744OH44K244Kk44OK44O844O744K144O844OBIOe%2Fu%2Biosw%3D%3D

(ロングインタビュー)R.ガーフィールド:マジック・ザ・ギャザリングを作った男(2)(翻訳記事)
https://blogs.yahoo.co.jp/takewatchgo/43524052.html



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ARI NIEH

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-ari-nieh-2018-03-09

デザイン.1

蒸気拳の処罰者/Steamfist Enforcer(コモン)
(3)(黒/赤)
クリーチャー―人間・ならず者
3/2
威迫
CARDNAMEを唱えるためにアーティファクトが発生源であるマナが支払われたなら、それはその上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出るとともに、その他のタイプに加えてアーティファクトでもある。
Erik Lauer:このカードは狭く、アーティファクト重視のセットにしか存在できません。課せられたのは、平均的なスタンダード準拠のセットのためのデザインです。したがって、これは与えられた条件にはあまり合っていませんね。
Melissa DeTora:非常にクールです!コモンはリミテッド・フォーマットを支えるものであり、アーティファクトのマナを持っているかどうかは、リミテッドではあまりあてにならないことです。アーティファクトのセットであっても、これを有効にするためにはプレイヤーはかなりの数[のマナ・アーティファクト]をドラフトすることが求められます。しかし、アイデアは好きです。
Ethan Fleischer:蒸気拳の処罰者は適切な混成カードです。(戦場に出たときに)一度だけ条件をチェックし、以降は単純な威迫クリーチャーであるのは好ましいですね。ほとんどのセットは、このデザインを効果的に運用できるだけのアーティファクトのマナ発生源を持ちませんが、宝物トークンがあるようなセットは、このカードの良い居場所になれるかもしれません。
Mark Rosewater:面白いカードだが、私もErikが言うように、「未定義のスタンダード準拠のセットのためのデザイン」の制限からは外れていると思う。このカードは「アーティファクト重視」のセットにのみ存在でき、それであったとしても、コモンであるかどうか少々疑わしいものだ。私がこれをコモンであると見るならば、唯一、これが(コモンにも使われる)キーワード能力であった場合だけだろう。
君はこれよりも優れたデザインを多く持っているように見えるので、君がこれを自身のベスト・デザインに選んだのは奇妙なことだ。[訳註:提出する10枚のカードは、自身がよくできていると思う順番に並べるように指示されていた。]


デザイン.2

ワタリガラスの王/The Raven Lord(神話レア)
(4)(白)(青)
伝説のクリーチャー―神
5/5
CARDNAMEが戦場に出たとき、飛行を持つ白の1/1の鳥・クリーチャー・トークンを2体生成する。
あなたがコントロールする飛行を持つクリーチャーは「(1)、(T):カードを1枚引く。」を持つ。
このターンにあなたが2枚以上のカードを引いているかぎり、CARDNAMEは破壊不能を持つ。
Eli Shiffrin:「【条件】であるかぎり、これは【ボーナス】を持つ」という効果には注意してください。条件が同じターン中にオンからオフになる可能性があれば、ボーナスを失い、クリーチャーが死ぬかもしれません。
これはつまり、条件が(あなたがここでやったように)ターンの間ずっと続くか、ボーナスがクリーチャーを死から守るものではないか、または能力を手直しするか、いずれかが必要だということです。
Erik Lauer:これは、白青のデザインとしては問題ありません。しかし、君はそれを披露する機会があったにもかかわらず、これからは斬新さを感じられませんね。
カードを引くための起動コストにマナをつけるのは大変よいことです。ゲームバランスのためにこのカードを少し強くしたり弱くしたりする場合、どこを変更すべきかが明確になります。
Melissa DeTora:多くの部分で好きです。戦場に出たときの誘発型能力を持っていて、6マナのクリーチャーをデッキに入れることを正当化してくれます。これはあるタイプのデッキを作るように促し、かつ、自己完結しています。また、飛行クリーチャーの起動コストにマナがあることも評価できます。これのために、大量のカード持ってゲームを支配することはできなくなっています。強力なように見えますが、6マナのカードは適切なデッキを必要とします。
Ethan Fleischer:このカードは、北欧神話のオーディンの完璧なトップダウンデザインですね。(彼のワタリガラスであるフギンとムニンもちゃんといます。)2番目の能力は、その鳥たちが、飛んだ先の情報をオーディンに持ちかえったことを表現しているのでしょう。
ワタリガラスの王の条件付き破壊不能は、マジックにおける神の「不滅」メカニズムに倣うものです。「飛行参照」は、我々が時折行う、やや奇妙なデザイン空間です。奇妙だというのは、つまり、飛行クリーチャーたちは互いに自然なシナジーを形成するからです。(相手が攻撃を止めることを非常に難しくさせる、という。)
とはいえ、時には飛行参照カードを作るのが望ましい場合もあります。経験の少ないプレイヤーに明確に何かを伝えたいとき、あるいは、君の場合のように、メカニズムを使ってカードのクリエイティブ的な何かを表現したい場合などです。
Mark Rosewater:楽しいデザインだ。自己完結しつつ、同時に構築の柱にもできるところが好きだね。これは、白青の2つの異なる戦略――飛行クリーチャーとコントロール戦略――を、組み合わせられるようになっている。普通はあまり1つのデッキに入らない白青のカードたちを組み合わせられるのだ。また、飛行クリーチャーたちにワタリガラスの王を守れるようにし、かつ、その能力を別のこと[カードを引くこと]にも使えるようにしたところも気に入っている。全体的に見て、素敵な出来ばえのデザインだ。


デザイン.3

熟達の技師、ラーミ/Rahmi, Master Engineer(神話レア)
[訳註:ラシュミ/Rashmiの間違い?色が違うけど。]
(3)(赤)(白)
プレインズウォーカー―ラーミ

アーティファクトが1つ戦場からあなたの墓地に置かれるたび、CARDNAMEに忠誠カウンターを1個置く。
0:無色の1/1の霊気装置・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
-2:あなたのマナ・プールに(赤)(赤)(赤)を加える。
-8:トランプルと破壊不能を持つ無色の10/10のゴーレム・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
Erik Lauer:トークンと常在型能力[訳註:誘発型能力?]のシナジーは好きです。しかし、この能力はプレイヤーに特定の方法でプレイするように促すでしょうね。
異なる色のペアが異なる戦略を与えることを望むので、その能力と色のペアとが一致していることは、特に重要です。これは青赤か黒赤を感じさせます。赤白ならば、より戦闘を促すようにしたら好ましくなるでしょうが、アーティファクトが破壊されることを見るのは違います。
Melissa DeTora:プレインズウォーカーが忠誠度を得るための新しい方法であるのはわかりますが、これは壊れています。適切なデッキでは、非常に素早く多くの忠誠度を生み出すことができ、-8はとても簡単に行えるように思います。これに適した数値の調整は、おそらくあり得るでしょうが、私は、1回のゲーム中に複数の破壊されない10/10クリーチャーを生み出すプレインズウォーカーと対戦するのは、はたして楽しいことだろうかと自問しています。私の考える答えはノーです。
Ethan Fleischer:君が斬新さを求めているなら、プレインズウォーカーに誘発型能力を加えるのは自然な方向であり、誘発型能力は一般に、専用構築の報酬としてよい働きをします。ラーミの0能力は誘発型能力とシナジーがあるのがいいですね。-2能力は本当に弱いように思います。5マナのプレインズウォーカーとしては、この能力に±0以上を求めることが想像できません。また、これは他の部分とまったく関連していないように見えます。奥義はかなり良いです。何もなければ素早くゲームを終わらせますが、完全に無敵ではありません。
Mark Rosewater:何度も言うように、プレインズウォーカーのデザインは難しい。このカードは、プレイの楽しさと、既存のキャラクターのフレイバーの両方を満たしているように見える。(君がこれを、《次元橋》を作ったラシュミであると意図していたと仮定する。彼女はプレインズウォーカーではないが、君は「もしそうなら」でやっているのだと思った。これが君の意図したものでない場合、新しいキャラクターを作る際には、既存のマジックのキャラクターの名前とは明確に区別する必要がある。)
君は常在型能力[誘発型能力]を使うようにした。それは我々が(これまで)避けてきたことだが、明らかに可能であろう拡張だ。私は君の3つの能力すべてが戦場にアーティファクトを得る助けになり、常在型能力[誘発型能力!]を誘発させる助けになることが好きだ。しかも、赤と白がやる方法でだ。奥義は、単なる「you win」効果でなく、フレイバーとゲームへの影響のよいバランスだ。


デザイン.4

ムガーイの創造史/Mugai Creation Saga(神話レア)
(5)(緑)(緑)(青)(青)
ソーサリー
以下の両方を望む順番で行う。
・あなたがコントロールするクリーチャー1体につき、カードを1枚引く。
・あなたの手札にあるカード1枚につき、緑の2/2の猪・クリーチャー・トークンを1体生成する。
Eli Shiffrin:これはモード呪文に関するいくつかのルールを破りますが、しかしまあ、ルールは破られるものです!おや、私がそう言うとは思いませんでしたか?このデザインは素晴らしい例です――ルールが明確に禁止していること(呪文は常に印刷された順序で行う)ですが、それは書いておく必要のある例外が特になかったからです。君はデザインを広げ、例外を見つけました。このためのルールを書くのは簡単なことです。
Erik Lauer:これは楽しく優雅で革新的なデザインであり、君のベスト・カードです。このテンプレートは柔軟性があり、派手な呪文のサイクルを作るのにふさわしいと思います。
Melissa DeTora:これは非常にクールで、興味深い選択につながります。最大の懸念は、これが非常に唱えにくいということです。9マナは多くのことを要求し、ほとんどのプレイヤーはこの量のマナに自然に到達することはありません。ゲームの後半になると、おそらくあなたの手札にカードがあまり多くないので、このカードの選択肢はずっと少なくなります。ランプデッキをプレイしていたとしても、9マナの見返りとしてエキサイティングだとは思いませんね。
Ethan Fleischer:この、カードのモードが実行される順序を選択するというアイデアが大好きです。これをサイクルにするのに十分な類似のデザインがあるのだろうかと心配します。A +です!確実に9マナ必要だとは思いませんが、それは些細なことです。
Mark Rosewater:このデザインは本当に好きだ。 どちらも比較的単純だが、戦略的に利用しようとすると複雑になる。さらに派手でユニークだ。これが、サイクルをデザインしたくなるというErikの意見に賛成だ。(私はおそらくこれをレアに落とすと思う。単体で見たこのカードは神話レアにできないというわけではないが、神話レアのサイクルとするには多くの問題がある。)
私もまたMelissaとEthanに同意するが、これは唱えるのにそこまで高価にしなくてもいいと思うね。グッジョブ!


デザイン.5

ニクスの昇天/Nyxian Ascension(レア)
(4)(緑/白)
エンチャント
あなたのアップキープの開始時、あなたがクリーチャー・エンチャントをエンチャントされているクリーチャーを5体以上コントロールしている場合、あなたはこのゲームに勝利する。

[訳が間違ってました(;>_<;)]
Erik Lauer:たくさんのオーラを異なるクリーチャーにつけるようプレイヤーに促すことは、大きな挑戦です。 普段、私は簡単にゲームに勝つことは嫌いですが、君の感覚は私と同じようですね。
Melissa DeTora:非常に難しいように見えますが、書いてあることは非常にエキサイティングです。ゴールがエンチャントされているクリーチャーを場に維持することなら、おそらく多くの呪禁をプレイしているでしょう。あなたが自軍をエンチャントしているなら、あなたのクリーチャーはおそらく、攻撃して勝てるくらいに強いでしょうね。クリーチャーとオーラのデッキでこのカードをプレイすることには多くの不安があります。プレイヤーが頻繁にこれで勝つとは思えませんが、そうできたならば非常に嬉しいでしょう。
Ethan Fleischer:これが、単一のクリーチャーにオーラの束を積み重ねることを推奨するのではなく、エンチャントされているクリーチャーを並べることを推奨しているのは興味深いです。これは、11の異なるパーマネントを唱え、かつそれらを維持しておく必要があるので、実際に達成するのはかなり難しい試練に見えます。一般的に、エンチャントされているクリーチャーはかなり強力なので、この5体が生き残っていれば、通常はそれらだけでゲームに勝つことができるでしょう。
Mark Rosewater:繰り返すが、君は、クールではあるが、狭い範囲の世界にしか合わないカードを何枚かデザインしている。この場合は1つの世界――テーロスだ。
このカードは私が好きな代替勝利条件を設定するものだ。それはプレイヤーに、風変わりなゴールを目指して普通でないデッキ構築をするように促す。しかし、これに適したセットは少ないだろう。


デザイン.6

収穫の祝賀者、グウィン/Gwyn, Harvest Celebrant(神話レア)
(2)(黒)(緑)
プレインズウォーカー―グウィン

+1:あなたはクリーチャーを1体生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚をあなたの手札に戻す。
-2:クリーチャー1体と、他のクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、その前者は+2/+2の修整を受け、その後者は-2/-2の修整を受ける。
-7:あなたは「クリーチャーが1体死亡するたび、各対戦相手は3点のライフを失い、あなたはカードを1枚引いてもよい。」を持つ紋章を得る。
Erik Lauer:プレインズウォーカーをデザインする上での重要な部分は、「これを唱えたターンに何をするつもりなの?」という質問に答えることです。これは、その質問に簡単には答えられません。プレイヤーがクリーチャーをコントロールしておらず、相手が1体のクリーチャーしかコントロールしていない場合、あまりできることがありません。第2の能力を、クリーチャーが1体しかいないような盤面に対応できるように、必ずしもクリーチャーに+2/+2を与える必要がないように変更することを提案します。
Melissa DeTora:このカードは堅実な4マナのプレインズウォーカーです。私が問題に思うのは、これはそれほどエキサイティングではないし、何か特別なことをするものでもないということです。プレインズウォーカーは我々の物語のキャラクターであり、セット内で最も重要なカードの一部であり、かつ、このキャラクターには個性がなく、過去のキャラクターとはっきり違うと感じられるところがありません。
この+1能力は反復的なゲームプレイにつながるので、私は好きではありません。忠誠度を増やすので、この能力を最も起動するように動機付けられ、常に最も強いクリーチャーを戻すでしょう。このプレイパターンが楽しいとは思いません。私ならばこれをマイナスにして、繰り返し行うことができないようにするでしょうね。
Ethan Fleischer:このデザインがまとまりを感じさせてくれるのが好きですね。プラスとマイナスの両方の能力が、(通常は)紋章と相互作用します。あなたが戦場にクリーチャーを持っていなければ、上の2つの能力のどちらも何もしないのではないかと少し心配です。このカードに適した場面が狭すぎて、スタンダードでプレイされるところがほとんど見られないかもしれません。スタンダードは、我々がほとんどのプレインズウォーカーの活躍の場と見ているところです。
Mark Rosewater:このプレインズウォーカーは、フレイバーとメカニズムとがうまく結びつけられている。(余談だが、これは非常に難しいことだ。君はあたかも簡単であるかのように作っているが。)
このカードが黒と緑の能力を混ぜ合わせて、全体的につながっていると感じさせているのが好きだ。また、これは面白いデッキ構築に導くだろう。最後に、このカードのプレイパターンは楽しく、非常に黒緑を感じさせる。私なら、このカードの繰り返しを減らすために、最初の能力をクリーチャーを生け贄にするのではなく追放するように変えるだろうね。


デザイン.7

タイガの噴火/Taiga Eruption(アンコモン)
(2)(赤)(緑)
インスタント
速攻とトランプルを持つ無色の3/3のエレメンタル・山・森・クリーチャー・土地・トークンを1体生成する。(それは「(T):あなたのマナ・プールに(赤)か(緑)を加える。」を持つ。)
Erik Lauer:この演習課題は、特定のカードタイプに合わせてデザインすることでした。このカードタイプはインスタントですが、実際にはクリーチャーの役割を果たします。我々がクリーチャーの枚数を数えるとき、トークンを作る呪文があったなら、そのカードの本質的な役割がクリーチャー・トークンを作ることなのかどうかで判断します。もしそうなら、我々はそれをクリーチャーとして数えます。なので、デザイナーの一人にインスタントをデザインするように頼み、このカードが提出されたなら私は失望するでしょう。君はこの試験でそれを行った唯一の人物ではないですが、この先、君がそうしないようにすることを望みます。
Melissa DeTora:このカードは多くのことをします。 これはマナ加速を行い、奇襲的なブロッカーまたはアタッカーになり、脅威を生み出します。これはリミテッドで非常に強く、これに奇襲されたなら楽しいカードだとは思わないでしょう。これは、コストをより重くし、別のトークンを作るなら、よいレアのデザインのように思えます。
Ethan Fleischer:リミテッド・エディション(アルファ版)の《蜂の巣》以来、我々はクリーチャー・トークンを使ってプレイしてきました。土地・トークンは簡単に見落とされる可能性があるため扱いにくいものですが、3/3にすることで、人々にそれをより注目させるようになりますね。
普段、私は《スカイシュラウドの強兵》やその同類のファンではありません。1マナのために3/3をタップすることは、1/1をタップするよりも割高に感じます。また、それらの情報をすべてタイプ行に入れる必要はなく、「トークンを1体生成する」の後に、トークンでないカードがやるような追加のテキストを加えればいいでしょう。私ならこの基本土地タイプを削って、ルール・テキストを使ってトークンにマナ能力を与えるようにするでしょうね。
Mark Rosewater:いくつか。
1つ目は、Erikの繰り返しだが、君は基本的にクリーチャーであるカードをインスタントの枠で作ったこと。
2つ目は、君が(マナを生み出す)土地トークンを作ったこと。これを表すトークンカードを持っていない場合は、タップ状態を追跡するのが難しいかもしれない。(マナを生むカードでは特に重要だ。)
3つ目、我々は瞬速を持つクリーチャー(またはインスタント速度のトークン生成)には、速攻を持たせないことが多い。この2つの能力にシナジーがないからだ。


デザイン.8

破門の儀式/Excommunication Rite(アンコモン)
(3)(白)(黒)
ソーサリー
CARDNAMEを唱えるためのコストは、あなたがコントロールするクレリック1体につき(1)少なくなる。
クレリックでないクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。
Erik Lauer:この部族への報酬は、リミテッドで素晴らしい。これは部族をプレイしていなくても使用に値するカードなので、その部族をドラフトしている人に常に回ってくるとは限らず、また君は[その部族をやると]決める前にこれをドラフトすることもできる。しかし、この報酬は私にその部族をドラフトしてみたいと思わせるものだ。
Melissa DeTora:部族の除去呪文を作る良い方法です。これは弱めですが、部族を重視していれば、よい報酬を受けられます。これには多くの修整が考えられます。インスタントにするとか、(2)(白)(黒)にするとか。
アンコモンなので、これは頻繁に見られるわけではなく、またリミテッドのために、コモンの除去呪文よりも多少強くする必要があります。
Ethan Fleischer:このカードはとてもフレイバー的です。クレリックの一団が、異端者や不信心者を追い出す儀式を執り行います。(破壊ではなく)追放する効果なのは良いディテールですね。このカードはオンスロート・ブロックの白と黒にあった、クレリックの部族カードと後方互換性があります。リミテッドでは、このカードは白黒のデッキでプレイアブルですが、何枚かのクレリックをプレイしている場合はさらに良くなります。
Mark Rosewater:これは、確かに白と黒の両方であると感じられる、フレイバー的なクレリック部族カードだ。それのどれも簡単にできることではないので、称賛を送ろう。


デザイン.9

不気味な噂/Macabre Rumors(コモン)
(青)(黒)
インスタント
各対戦相手は自分のライブラリーの一番上から4枚のカードを自分の墓地に置く。
あなたがコントロールするクリーチャーが1体死亡するたび、あなたはCARDNAMEをあなたの墓地から唱えてもよい。そうしたなら、その解決に際しそれを追放する。
Erik Lauer:私が誘発型能力を持つコモン・カードを作るときに重視するのは、それが「手に取っているカード」かということです。カードが誘発するとき、君は現在そのカードに注目しているでしょうか?これについては、答えは「いいえ」なので、私はこれをアンコモンに移すでしょうね。
Melissa DeTora:復活メカニズムのよりよいやり方で、準備ができたときに唱えられるのが好きですね。
[訳註:コールドスナップの「復活」メカニズムは、クリーチャーが死んだときにコストを払えば手札に戻せるが、払わなければ追放されてしまうので、再利用を狙うなら不用意に唱えられないこともあった。その事を言っているのだと思われる。]
Ethan Fleischer:このカードがコモンであるかどうかは疑わしいものです。他のカードが何かをしたときに墓地から誘発する能力があるからです。この誘発条件があなたの墓地にクリーチャーが行った時であるので、いくらか緩和されていますが、それでもまだ一線を越えているだろうというのが私の意見です。
この基本の能力がこれほど弱いものでなかったなら、相手がフラッシュバックされることを恐れるあまり、あなたのクリーチャーとやりとりするのをやめてしまうのではないかと心配するところでしたが、このマイナーな削り能力はほとんどのプレイヤーに問題にされないでしょうね。
Mark Rosewater:このデザインは好きだ。色を満たしつつ、これまで見たことのない比較的単純な効果を作っている。私も他の審査員に同意するが、おそらくこれはコモンではないだろう。


デザイン.10

偏執的な悔恨/Obsessive Remorse(レア)
(1)(青)(赤)
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
各ターン、エンチャントされたクリーチャーは可能なら攻撃する。
エンチャントされたクリーチャーが攻撃するたび、戦闘終了時に、防御プレイヤーはそのコントロールを得る。
Erik Lauer:ほとんどの《支配魔法》の亜種は、リミテッド・プレイでは圧倒的すぎるものです。これは青赤のフレイバーに完璧に合致し、依然として非常に強力ですが、はるかに合理的です。これは優れたデザインです。
Melissa DeTora:私はこれがレアとして充分にエキサイティングなカードだとは思いませんね。しかしデザインは好きです。
Ethan Fleischer:このカードは他愛ないものに読め、デッキに入れたいと思うかどうか悩んでいます。この有用性はとても限定的です。ですよね?
Mark Rosewater:私は風変わりなデザインが好きだ。また、トーナメントプレイヤー以外のユーザーの興味を惹こうとしているデザインも好きだね。このカードで多くの楽しみを得るユーザーがいることだろう。また、相手がクリーチャーを殺さないように奨励する「攻撃強制」カードであるのも楽しいと思う。



【全体的なコメント】
Erik Lauer:君のカードはおおむね堅実であり、〈ムガーイの創造史〉はこの第一ラウンドで私のお気に入りカードであり、君の一番の可能性を示すものです。
しかし、君のデザインは一貫していません。 特に、どちらのコモン・カードも、典型的なマジックのセットのコモン・カードではありません。セットには他のレアリティのカードよりも多くのコモン・カードがあるので、ファイルを埋めるためには、良いコモンを作るスキルが非常に重要になります。
Melissa DeTora:全体的には、私はあなたのカードが好きです。デザインの多くは革新的で楽しいです。最大の批判は、あなたのプレインズウォーカー、特に黒緑のものが単純すぎることです。
あなたが考えなければならないことは、リミテッドにおけるレアリティです。あなたのカードはコモンであれば楽しいでしょうか? それがリミテッドで非常に頻繁に出現する場合は楽しいでしょうか?それはドラフトで機能するでしょうか?それがレアである場合、それをファースト・ピックすると決めるにあたって、楽しい選択を生むでしょうか?それはリミテッドにおいて何もしないものか、あるいは、自動的にファースト・ピックするボムでしょうか?
Ethan Fleischer:あなたのデザインは、総合的に言って、かなり楽しいものに見えます。たまに数字が少し外れているように見えますが、それは後のデザイン段階で簡単に変更できることです。
すべてのレアリティで、プレイヤーが新しいデッキ構築の発想を得られるような、柱となるデザインを多く作っています。あなたはカラーパイをよく把握しています。コモンの複雑さには注意してください。我々は、経験の浅いプレイヤーが早期に、あまりに多くの複雑なカードと遭遇しないようにしてほしいのです。

あなたのカードのマナレシオが適切であるか、少し時間をかけて確認するようにしてください。クリーチャーは能力に適したパワーとタフネスを持っていますか?強力な呪文を、何ターン目に唱えてほしいのですか?カードに数字を書くときは、似たようなカードを、特にここ10年間の中から似たようなものを探してみてください。
〈ムガーイの創造史〉サイクルのような、シンプルで、斬新で、びっくりするデザインをもっと見たいと思っています。それだけです。天才的なもので我々を驚かせてください!
Mark Rosewater:君はこのデザイン・テストで、2番目に良いものを提出した。これらのデザインにはたくさんの素晴らしいアイディアが満載されている。君のカードはフレイバーがあり、独創的で、私はデザイナーとして、似たようなクールなことをしたいと思わされた。
君のテストに対する、私の関心事は2点だ。
1つ目は、以降のデモンストレーションで、君は基本的なことができるのだと示さなければならない。君のコモンはコモンではなく、君のデザインのほとんどは、すべてのセットが必要とする基本的な役割を果たすものではない。君が、風変わりで奇抜なことができるのは嬉しいことだ。今度は、素朴さとフレイバーを保ったまま、簡単で実用的なことができるところを見せてくれ。特に、レアリティの一致に取り組むんだ。
2つ目は、君がデザイン・テストの指示に充分に従っていなかったことだ。我々は君に、未定義のスタンダード準拠のセットのためのデザインをするように言い、君は非常に狭い状況でしか働かない多くのカードを作った。優れたデザイナーであることの一部は、与えられた制約に合わせてデザインできるということであるのだ。私は、君が良いデザインの才能を持っていると思う。君が与えられた指示に従うことができるところを見せてくれ。



ひみつ(でもない)日記
以前、自分のセットのために、〈ムガーイの創造史〉とほぼ同じ、テキストの順番を変えてもよいというサイクルを作ったことがある。

http://bluemen.diarynote.jp/201306111704225834/

そのときは、書き方がややこしいだけで、結局、「2つのモード(A→BかB→Aか)から1つを選ぶという普通の呪文と戦略的な違いがない」と思って没にした。しかし、開発部のウケはいいようだ。自己評価とはアテにならんもの。


グレート・デザイナー・サーチ3 ファイナリスト
ALEX WERNER(1人目)
TRIAL 3


以前に、公開されたカードテキストだけ訳しましたが、今回新たに審査員のコメントが追加されたので訳してみました。
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-judging-design-tests-2018-05-15

とりあえず1人目のALEX WERNERさんの分だけです。長いし。てか他に7人分もあるし。全部訳すつもりか俺。

とか言ってる間に次のchallenge 1まで公開されたし。これも8人分あるし。全部訳すの無理だろ俺。
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-challenge-1-2018-05-17

てかさっそくALEX WERNERさん最初の脱落者になっちゃってるし。(ネタバレ)



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ALEX WERNER

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-alex-werner-2018-03-09

デザイン1.

黄泉からの進化/Evolution From Below(レア)
(黒)(緑)
インスタント
対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とする。そのコントローラーはそれを生け贄に捧げてもよい。そのプレイヤーがそうしなかったなら、あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストがそれ以下のクリーチャー・カード1枚を探して戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。

Erik Lauer:これは面白いデザイン空間であるが、ライブラリー全体を探すことは代価として正しくはないだろう。いくつかのマッチ・アップにとってベストな「3マナ以下の」クリーチャーが存在することになり、それを一度知られてしまえば、[訳註:生け贄にしないなら、毎回その致命的なクリーチャーがサーチされることになるため?]これは面白さの多くを失ってしまう。そのプレイヤーに、デッキの一番上の部分(一番上から7枚のカードとか)からいずれかのパーマネントを選ばせ[て、戦場に出させ]るようにするなら、より再プレイ性が得られるだろう。
Melissa DeTora:興味深い懲罰者カードで、面白いように見えます。Erikと同じく、私も、プレイヤーが毎回同じクリーチャーを探してくることがどのくらい頻繁に行われるのか懸念しています。このようなカードは、繰り返しのプレイパターンにつながる可能性があります。
Ethan Fleischer:これはクールで斬新なデザインです。黒のすること(除去呪文)と緑のすること(ライブラリーからクリーチャーをサーチ)をまとまったデザインに組み合わせたのはお見事です。不安定さと奇妙さを考えると、これは適切なレアのカードのように感じます。しかし、少し心配なのは、これが「懲罰者」カード(起こりえる事のうち、相手が悪い方を選ぶ)と呼ばれるものであることです。対戦相手が除去を握っているかどうかによって、大きく変わると思います。
Mark Rosewater:このデザインは、私が多色カード[を作る上]で楽しんでいることをしているという点で面白い。つまり、それぞれの色から1つずつ効果を選び、テーマにそって組み合わせるのだ。黒はクリーチャーを戦場から墓地に移動させることができ、緑はクリーチャーをライブラリーから戦場に移動させることができる。唱えた側は「クリーチャーの優位」を得ることができるが、相手に2つの選択肢を与えることで、それを予測不能にし、戦略的思考を可能にするのに十分な可変性を持っている。また、この能力を機能させる方法や、持ってこられるクリーチャーの制限のスマートさなども見事だろう。私もErikとMelissaに同意するが、このカードには再プレイ性の問題がいくつかある。私も、サーチをライブラリーの上から何枚かのカードに制限することを勧める。それ以外は、私はこのカードのファンだ。


デザイン.2

結ばれしナイラとハルン/Naila and Hrun, Fused(神話レア)
(2)(緑)(緑)(白)(白)
プレインズウォーカー―ナイラとハルン

+2:0より大きく、あなたがコントロールしているクリーチャーがパワーとして持っていない最小の数字を見つける。パワーとタフネスがその数字である、緑であり白であるエレメンタル・クリーチャー・トークンを1体生成する。その後、この手順を繰り返す。[訳註:無限ループになるように読める。「もう1回だけ行う」の間違い?]
-X:あなたはゲームの外部から、あなたがオーナーであるナイラ・プレインズウォーカー・カード1枚とハルン・プレインズウォーカー・カード1枚を選んでもよい。あなたがその両方を選び、かつそれらの点数で見たマナ・コストの合計がX以下であるなら、それらを戦場に出し、その後CARDNAMEを生け贄に捧げる。
Eli Shiffrin:クールなアイデアが出てきたが、書き出してみると、マジックのカードテキストのようには見えない――これはマジックのカードをデザインする際の課題の1つです。そのアイデアは捨ててしまいますか?それとも、そのまま試して、セット製作の後半になってそれを放棄しなければならなくなるかもしれないリスクを負いますか?これはまったくルールの問題ではありません――ナイラとハルンの最初の能力については、ルール上はうまく働きます――が、エディターと私は、この効果をどう書くか(カードの文法に合った、かつルールの範囲内で動作するように)議論しなければならないでしょう。このカードに適切な解決策があるのかどうか、私には疑問です。
Erik Lauer:ナイラやハルンが何をするのか、どんなコストなのかがわからないので、私にはこれはカードデザインというよりも単なる思いつきのように感じられます。
Melissa DeTora:この+2能力を3回読みましたが、まだどんな種類のトークンを作るのかわかりません。非常に複雑かつ数学的です。このデザインは自立しておらず、このカードを理解するには他のプレインズウォーカーが何をするのかを知る必要があります。十分な忠誠度を払わなければ機能しないのに、-Xであるのも奇妙です。
Ethan Fleischer:最初の能力は読み解くのにはかなり複雑です。また、1枚のプレインズウォーカーのプラス能力としては非常に強力なように見えます。マイナス能力は多くのプレイヤーにとって好ましくないと感じます。彼らが手に入れた神話レアは、しかし、さらに2枚以上の神話レアを手に入れなければ正しく機能しないのです。しかし、コンセプトはクールです。
Mark Rosewater:このカードには2つの部分があり、それぞれが違う問題を抱えている。最初の能力は、コンセプトとしてはクールだ。これがしようとしていることは好ましい。プレイヤーが理解できることと、かつルール上適切に働かせられることと、これら両方を満たす方法が存在するようには思えない。(要点はEliが言った通りだ。)クールなアイデアを、それを適切に伝える手段がないからといって捨てるのは難しいことだが、良いデザインであるということの一部は、プレーヤーが理解できるように作れるかということであるのだ。議論の余地はあるかもしれないが、(とはいえ、Eliと同じく私も懐疑的だが、)君はここでそれをしなかった。
第二の能力は、その影響を十分に考えることなく境界を押し広げてしまった例だ。プレインズウォーカーは神話レアだ――手に入れるのが難しいものだ。このカードを十分に使うためには、他に2枚の神話レアカードを集める必要がある。それは大きな要求だ。その上、これは[面白さの]一片を取り逃している。(特に、これがデザイン・テストのためのものであることを考えると。)「このクールなカードを見てくれよ、クールなことをやるんだ……他のカードを使ってね……それは見せないけどね。」他のプレインズウォーカーとペアになって働くプレインズウォーカーというアイデアは、私は好きだが、しかし君はただそれを、別々のプレインズウォーカー・カードに戻すだけだ。クールなコンセプトを導入したのに、それを突き詰めることを放棄してしまった。最後に、我々はプレインズウォーカーのキャラクターを再利用する傾向にある。このデザインは、どちらのキャラクターの将来のバージョンにも大きな制限をかけている。


デザイン.3

速刃の長槍兵/Swiftblade Pikeman(コモン)
(赤)(白)
クリーチャー―人間・兵士
3/1
CARDNAMEはその上に刃カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
CARDNAMEの上から刃カウンターを1個取り除く:ターン終了時まで、CARDNAMEは先制攻撃を得る。
Erik Lauer:面白いデザインです。しかし、これは相手に多くの圧力をかけるものです。相手は、刃カウンターと小さなクリーチャーとをトレードするべきでしょうか?ほとんどのゲームでは、相手はカウンターを利用する機会を決して与えるべきではないでしょう。これは、コモンの多くに望むよりも複雑です。アンコモンにふさわしいでしょう。代わりに、赤緑のクリーチャーで、カウンターがターン終了時までトランプルを与えるといったものなら[コモンでも]いいでしょうね。
Melissa DeTora:リミテッド向けに一回限りのキーワードを与えるというのは、面白く、いいアイデアだと思います。ただし、この実装は好ましくありません。コモンに注意することの1つは、どれくらいの頻度で見逃されるかということです。このクリーチャーは、見えているトリックとして存在し、起動コストにはマナがないため、存在を簡単に忘れられてしまいます。これは先制攻撃でアタッカーを迎え撃つことができます。こういったカードの場合、私は先制攻撃を避け、トランプルのように、タダで戦闘に勝ということのない能力にするでしょう。
Ethan Fleischer:このカードは、相手のアタッカーを無期限に抑制し続けてしまうという、先制攻撃持ちの問題を解決しています。パワーレベルと複雑さは、コモンの金色カードとしては適切なものでしょう。
Mark Rosewater:このカードに関して私が問題だと思う点は、他の選考者とは少し異なる。私はこれが、入るセットに大きな制約を課してしまうだろうと考える。我々は、1つのセットにおいてクリーチャーに置かれるカウンターを1種類選び、プレイヤーが戦場を見てクリーチャーのサイズがいくつであるか、すぐに知ることができるようにしている。ここで君は刃カウンターを選んだ。(この名前は、君がこれをセットの一部ではなく、単独のものだと考えているととれるが――それは、我々がレアや神話レアでまれに行うことであって、決してコモンでは行わないことだ。)これは、君が+1/+1カウンターを使えないことを意味している。これは大きな制約だ。このカードからは、君が単体のカードでのみデザインを行っており、作ったものの影響については考えていないことが伝わってきてしまう。これは危険な特性であり、君のデザインにおいて自覚する必要がある。(特に、コモンにおいては。)


デザイン.4

催眠の王、ズィーム/Zyym, Mesmeric Lord(神話レア)
(1)(青)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー―吸血鬼・ウィザード
3/4
飛行、接死
CARDNAMEが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札にあるカードの順番を選び、その後、あなたが止めるまで1枚ずつ公開する。そのプレイヤーは最後に公開されたカードを捨てる。
Eli Shiffrin:ナイラとハルンとは対照的に、ズィームのデザインはかなり簡単にテキスト化できますね。

CARDNAMEが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札にある、これによりまだ公開されていないカードを1枚公開する。あなたは「そのプレイヤーはそのカードを捨てる」ことを選んでもよい。そうしないなら、あなたとその対戦相手はこの手順を繰り返す。
Erik Lauer:これは斬新で、非常に面白い。しかし、私が(君の対戦相手だとして)、手札に6枚のカードを持っていて、(同じカードが一組あるとして)五種類の異なるカードがあるとしよう。私は360通りの順列組み合わせの中から選ぶことができる!これはかなり時間がかかるかもしれないな。神話レアなのは適切だろう。
Melissa DeTora:ディスカード効果の面白いやり方です。このマナレシオはとても強く見えます。必ず1枚のカードを捨てさせるというだけで十分に価値のあるクリーチャーなので、このボディは適切でないかもしれません。2:1交換を行うクリーチャーを作るときは、サイズやキーワードをクレイジーなものにする必要はありません。接死は必要ないでしょう。この誘発型能力を解決するのにどれくらいの時間がかかるか考えてみてください。この場合、対戦相手は多くのことをしなければなりません。最初に、カードを並べ替え、次に公開していきます。トーナメント・マジックにとっては不合理なほどの時間がかかるように思います。この効果はクールですが、このような強いレシオのクリーチャーについているので、トーナメントで多く使われるでしょう。これは、対戦相手にとっては、1回のゲームで何度もプレイされて楽しいカードの類ではありません。
Ethan Fleischer:私も、このカードがプレイヤーにとってトーナメントの場で実行するのが非常に難しいようだという意見に同意します。カードが公開されるたびに多くを考えなければなりませんが、「ストップ」と言ったら、カードを捨てることだと受け取られてしまうでしょう。「待って」や他のことは言えますかね?私には面白く思えませんね。普段、私は伝説のクリーチャーを、統率者プレイヤーを意識したデザインにするように心がけています。これが示す構築(デッキに《テレパシー》効果を詰め込むとか)は、とても楽しいようには聞こえませんね。
Mark Rosewater:私はミニ・ゲームを引き起こすカードが好きだ。これはプレイした最初の数回は面白いように見えるね。現在の形にはトーナメント上の問題があるという、他の選考者の意見には賛成だ。私ならば、これをより大きく重いクリーチャーにして、1ゲームの中でミニ・ゲームが起こる頻度を減らすだろうね。これみたいに、デザイナーが身近な物事を違った方法で行うことを考えついたときに、私は楽しくなるんだ。また、このカードのメカニズムが、精神的な吸血鬼の感じを上手くとらえているのが好きだね。


デザイン.5

ゴブリンの断頭台/Goblin Guillotine(レア)
(3)(黒)(赤)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。これによりクリーチャーが死亡したなら、そのクリーチャーと同じ色とクリーチャー・タイプを持つクリーチャー・トークンを1体生成する。コインを1枚投げる。それが表(Head)なら、そのトークンは「頭(Head)」という名前の1/1である。そうでないなら、そのトークンは「体(Body)」という名前の、死亡したクリーチャーのパワーとタフネスから1を引いた値のパワーとタフネスである。
Erik Lauer:ドラフト・デッキを作成するとき、多くの人は、挑戦し、勝利するためにドラフトに挑みます。デザイナーの仕事は、彼らが面白い経験をするように誘導することです。誰かが最初のパックを開いてこのカードを見つけた場合、その人が強いランダム効果を楽しむかどうかにかかわらず、[これがアドバンテージの得られる除去であるという理由で]このカードをピックする可能性があります。 あなたのカードのランダム性を楽しむことのできる他の誰かがテーブルにいたとしても、その人がこのカードをピックする機会はないでしょう。私が考える最も明白な解決策は、キャスティングコストを5BRに変更することです。しかし、あなたにデザインの選択肢を示すとするなら:
・より弱いランダムカードを作る。しばしばプレイに値しないものになるが、ランダム効果を本当に楽しむ人はそれを選んで使うことができます。
・もしくは、このデザインを使って、頭と体を常に両方生成するものを作るか。[ランダム性を無くすか。]それはドラフトではかなり強力なカードになり、ドラフトプレイヤーには歓迎されるでしょうが、あなたのデザインとはかなり違ったものになるでしょうね。
Melissa DeTora:これには、さきほどのカードと同じような問題を感じます。強いレシオを持ち、2:1交換を行います。時には大きな「体」を得て、他の時には1/1しか得られませんが、これに書かれていることは非常に強力で、高レベルの場でもプレイに値します。このような大きな振り幅のあるカードを好まないプレイヤーも、特に高レベルでは多いですが、このカードのレシオは非常に高いため、そのような高レベルプレイヤーも振り幅にかかわらずこれをプレイしたいと思うでしょう。
このカードに関しては他に追跡の問題を感じます。このクリーチャーがどれだけ大きいかを覚えておく必要があります。忘れてしまったカードを参照することはできません。なぜなら、サイズはコイン投げと死んだクリーチャーに依存しているからです。
Ethan Fleischer:このカードのフレイバーは奇妙です。なぜ、クリーチャーの頭(または体)は生き続けて、私に仕えるんでしょうか?
私見ですが、-1/-1の体トークンはあまりにもディテールが細かい[情報が多く、覚えにくい]と思います。このカードはトップダウンデザインですが、共鳴するコンセプトを表現していません。色やレアリティは適切だと思います。
Mark Rosewater:このカードは正当化できないほどに過剰にごてごてしているようだ。君がトップダウンのユーモラスなカードを作ろうとしていることは分かるが、それは私にとってはうまくいかなかった。君は、プレイヤーに記憶を要求する、大きく異なる2つのカウンターを使っている。トークンの1つは元のクリーチャーの特性を参照する必要がある。(さらに計算も必要だ。)これは少々煩雑だな。
しかし、コイン投げを楽しむプレイヤーのことを分かってるようなコイン投げカードを作ったことは評価できる。彼らは高い振り幅が好きだが、ErikとMelissaが先に指摘したように、君はそれを嫌うトーナメントプレイヤーたちの手から離しておく必要がある。全体の出来ばえとしては、私の好みよりもちょっと乱雑だな。


デザイン.6

新緑の創意/Verdant Ingenuity(アンコモン)
(1)(緑)(青)
ソーサリー
あなたのライブラリーの一番上から、土地カード1枚と土地でないカード1枚が公開されるまでカードを1枚ずつ公開する。その中の土地カード1枚を戦場に出す。その中の土地でないカード1枚をあなたの手札に加える。公開された他のカードをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
Erik Lauer:表面上は、これはランプ・デッキでプレイヤーに土地と非土地を与えるいいデザインです。しかし、この文章通りでは、土地の少ないデッキではより強力になります。たくさんの、選べるカード付きランプ呪文です。その後、デッキの大部分を並び替えることができます。教示者に近いことになり、私には合理的には思えませんね。私ならばこれを、ランダムな土地と、ランダムな非土地を得るようにし、また、カードをあなたのライブラリーの一番下にランダムな順番で置くようにするでしょう。古いフォーマットでは、人々はさらにクレイジーなことができるかもしれません(《トレイリアのアカデミー》を教示するヴィンテージ・デッキとか、呪文が少なくて高確率で《壌土からの生命》を見つけられるレガシー・デッキとか)が、スタンダードでテストするにはいいカードです。
Melissa DeTora:ライブラリーからカードを無制限に公開することには、いくつかの問題があります。例えば、オールスペルのコンボデッキやレガシーの土地デッキは、デッキのほぼ全部を公開することができます。ライブラリーの多数のカードを並べ替えることは、ゲームプレイを遅くし、解決を難しくさせます。私は青緑の2ドローのアイデアが好きですが、これは問題がある方法です。
Ethan Fleischer:これは素晴らしいデザインです。マナを伸ばし、そのマナの使い道を与えます。解決すると非常に満足できるのが想像できます。これはリミテッドでコモンだと少々[環境を]歪めるかもしれないので、アンコモンなのは望ましいことです。プレイテストで4マナにする必要があると判明するかもしれませんが、3で始めることは合理的に思えます。
Mark Rosewater:このデザインはいいね。君の1枚目のカードと同じく、異なる能力(土地フェッチとドロー)をいい感じに組み合わせて、1つの能力だと感じられるようにしている。唯一私が変えるだろうことは、ライブラリの一番下にランダムな順番でカードを置くようにすることだろう。通常、一番下に置かなければならないカードの枚数が3~4以上ある場合、能力を処理するのにかかる時間を減らすためにランダムにする。ErikとMelissaが上で言ったような古いフォーマットでの危険を解決することにもなる。


デザイン.7

霊体の封止/Astral Containment(レア)
(2)(白)(青)
インスタント
クリーチャー2体を対象とする。1体目のクリーチャーを、2体目のクリーチャーが戦場を離れるまで追放する。
Erik Lauer:これは素晴らしい、斬新なデザインです。白と青は最も近い色のペアですが[訳註:最も近い友好色は白と緑だと思うが……まあ主観的なことだし]、これは私には白く見えます。私ならこれを白単色に移し、別の白青のデザインを探すでしょうね。
Melissa DeTora:これは面白いデザインですが、追放させたクリーチャーについて覚えておかなければなりません。ゴブリンの断頭台と同じく、他を拘束しているクリーチャーについて、このカードを参照することができないのです。また、コストに青がある理由がないと思います。白単色の効果のように見えます。
Ethan Fleischer:この条件付きの1:1交換の除去は、レアカードには適していないように思います。一般的に、レアの除去呪文は構築を見据えており、スタンダードプレイヤーがこの効果に興味を持つとは思いません。
Mark Rosewater:このデザインは本当に好きだ。これまでに見たことのない、クールだが、比較的シンプルな方法だ。(22年マジックのカードをデザインしてきて、それは簡単なものではない。)多少の記憶は必要だが、第一のクリーチャーを第二のクリーチャーの下にして(追放されていることの)目印にすればいいだろう。他の選考者の、白単色の呪文であるという意見には、私も同意するよ。


デザイン.8

不敬者への鎮魂歌/Requiem for the Profane(アンコモン)
(白)(黒)
エンチャント
CARDNAMEが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。
クリーチャーが1体死亡するたび、あなたはCARDNAMEをオーナーの手札に戻してもよい。
Erik Lauer:我々は、(100%ではなくとも)どのプレイヤーが勝つかははっきりしているが、終わらせるために多くのターンを要するゲームを避けようとしています。それぞれの側に同じ数のクリーチャーいて、お互いライフは10であるようなゲームを想像しましょう。片方のプレイヤーがこれをプレイし、2ライフをドレインしました。このゲームにはまだ何ターンかが残っていますが、1人のプレイヤーはすでに絶望しているかもしれません。私ならば、手札に戻すために2マナを要求するようにし、「ガードを下げる」瞬間があるようにするでしょう。長期的に見て効率が低いということは、ゲームの決着をわからなくさせます。
Melissa DeTora:深刻なプレイパターンの問題があります。このカードは反復的なゲームプレイにつながり、扱いが難しいです。あなたが除去呪文か生け贄手段を持っているかぎり、私はエンチャント除去でこれを壊すこともできません。このカードは単独でゲームに勝つことができます。それは楽しいようには見えませんね。
Ethan Fleischer:このカードからはすごいオルゾフを感じます。数ターンにわたって、徐々に対戦相手をドレインします。これは干渉手段のない勝利条件なので、プレイテストにいくらかのリソースを割く必要があります。遅いゲームにおいては、相手が[これを再利用されるのを嫌って]死にやすいクリーチャーを唱えることを抑制してしまうかもしれませんが、さほど大きな問題ではないでしょう。
Mark Rosewater:君がこのデザインでやろうとしていることは好ましいが、その出来映えには納得できないな。
第一に、色について話そう。黒はプレイヤーからライフをドレインできるし、クリーチャーが死ぬことにも注目する色だ。白は最初のこと[ドレイン]はしない(オルゾフと関連付けられていないかぎりは)し、二つ目のこと[死亡に注目]もめったにしない。このカードは黒単色でもかまわないものだ。オルゾフのフレーバーに頼ることで、それが機能するようにはできるが、我々は君に、名前のつけられていないスタンダード準拠のセットのためのデザインを課したのだ。
第二に、君は本質的には[クリーチャーが死亡するたびにドレインするという]誘発型能力を持つエンチャントを作ったが、気まぐれからそれを、手札に戻るエンチャントにして、プレイヤーに唱え直させるようにしてしまった。時と場合によってこの種のデザインをすることもあるが、それには多くのサポートが必要になるものだ。私はより明解な誘発の方が好きだし、Erikが言う、ライフドレインにコストをつけるのに賛成だ。


デザイン.9

大軍の血/Blood of the Horde(コモン)
(赤)(緑)
エンチャント
あなたがクリーチャー1体以上で攻撃するたび、攻撃クリーチャーの内の1体を選ぶ。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受けるとともにトランプルを得る。
Erik Lauer:面白いカードですが、コモンではないですね。我々は多くのコモンを作るので、適切なコモンをデザインすることは君にとって重要なスキルです。
Melissa DeTora:繰り返しトランプルをつけるカードは、コモンにあっては面白くないでしょうね。このカードもあまり新しさを感じさせませんし。
Ethan Fleischer:通常、我々はコモンにオーラでないエンチャントは作りません。しかし、これはかなり単純なので、たぶん大丈夫でしょう。誘発をあなたのターンの戦闘開始時に変更して、このあまり使われないテンプレートを排除したいですね。
Mark Rosewater:他の選考者の繰り返しになってしまうが、我々はコモンにめったに全体エンチャントを作らないので、おそらくこれもコモンにはしないだろう。この能力をアンコモンに移すなら、私は好きだね。


デザイン.10

偉大なる発明者、サヒーリ/Saheeli, Prodigious Inventor(神話レア)
(2)(青)(赤)
プレインズウォーカー―サヒーリ

+1:あなたが飛行機械をコントロールしていないなら、飛行を持つ無色の1/1の飛行機械・クリーチャー・トークンを1体生成する。そうでないなら、占術2を行う。
-2:あなたがコントロールする飛行機械1体と、アーティファクトかクリーチャー1つを対象とする。その前者はその後者のコピーになる。それは引き続きアーティファクトでもある。(この効果はターン終了時に終わらない。)
-8:あなたは「あなたの終了ステップの開始時、あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストがX以下のアーティファクト・カード1枚を探して戦場に出す。Xはあなたがコントロールするアーティファクトの中の点数で見たマナ・コストの最大に2を加えた値である。その後、あなたのライブラリーを切り直す。」を持つ紋章を得る。
Erik Lauer:この能力は好きですが、それらが適切かどうかは疑問ですね。また、真ん中の能力を-X(Xはコピーするパーマネントの点数で見たマナ・コスト)にする必要があるとしても私は驚きませんし、加えて奥義をもう少し、この点数で見たマナ・コストのテキストに合うように、簡潔に意味の通るものにしたいですね。
Melissa DeTora:+1でトークンを生成する4マナプレインズウォーカーは構築での危険があり、これは、そのリスクを緩和するよい方法ですね。マイナス能力には追跡の問題があります。特に、これが複数回起動されている場合、どの飛行機械が何のクリーチャーになっているかを覚えておかなければなりません。
Ethan Fleischer:このカードは、プレイ体験の重大な問題を提示しています。私が想像した筋書きはこうです。
盤面に他に何もないときに、+1能力を起動します。私は飛行機械を得て、「飛行機械」と印刷された厚紙のトークンをテーブルに置きます。何も問題はありませんね。対戦相手は自分のターンに、自身のクールなクリーチャーを唱えたくないでしょう。なぜなら私はそれをクローンしてしまうからです。[ターンが戻ってきて、]私は自分のクールなクリーチャーを唱えて、サヒーリの-2を起動してそれをクローンします。しかし、そのクローンは「飛行機械」と書かれた厚紙のトークンで表されます。ですね?
私の次のターンで、私は+1能力を再び起動します。待った、それは可能でしょうか?突如として、-2能力が私の飛行機械トークンのクリーチャー・タイプを上書きしたという事実が明らかになり、しかしゲームの物理的な状態は、何ひとつそれを明確に示してはいません。これは不必要に私を混乱させるようです。
同様に、この奥義は、コピーが元のものと同じ点数で見たマナ・コストを持っているという事実にスポットライトを当てていますが、私のトークンはそれに関する情報を持っていません。
これらの批判はさておき、私はすべての能力が関連し、一貫したカードを感じさせているのが好きです。アーティファクトのコピーを作るのは、サヒーリであると感じられます。
Mark Rosewater:プレインズウォーカーはデザインが難しく、その理由の一部はそれらの持つ多くの技術的制約で、また一部はそのプレインズウォーカーのフレイバーに合わせることが難しいからだ。私は君がここで良い仕事をしたと思う。
あら探しをするなら。最初の能力が、君が一度に持てる飛行機械の数を制限しているのは好きだが、私には、君が2つの効果をごまかして1つの能力に乗っけたように感じられる。最終能力は第2の能力と相互作用し、それらを一緒に使いたいと感じさせるが、どちらもマイナスの忠誠度能力であるという事実は、それが実際にはほとんど起こらないことを意味している。



【全体的なコメント】
Erik Lauer:君は、マジックのカードを作る上で重要な段階を踏んでいる。君は斬新なデザインを持っている。君のカードは、その色と一致している。君は面白い決定[を行うカード]を持っている。
しかしながら、もう1つ重要な段階がある。君は、人々がそのカードでプレイしたときに何が起こるかを想像する必要がある。君自身に問いかけるんだ――どんな人がそれをプレイするのか、そしてその人々は君のカードを楽しんでプレイするだろうかと。このコンテストでうまくやりたいのであれば、次のデザインのために、その事について考えなくてはならない。
Melissa DeTora:全体として、これらのデザインの多くは斬新なものです。カードには、過度の複雑さが見受けられます。マジックと同じくらいの自由度のあるゲームでは、通常はそこまで複雑ではないものです。あなたのカードが何をするのかを理解するために数学を必要とするデザインは、特に希少度の低いカードにおいては注意が必要です。また、多くの追跡と記憶を必要とするカードには注意が必要です。
Ethan Fleischer:あなたは、各レアリティにふさわしいカードの種類をよく把握しており、また各色にどのような能力があるべきかということについて強いセンスを持っています。
全体的に、あなたの低いレアリティのデザインは、あなたの高いレアリティのものよりもよくできています。実際に、あなたの最も斬新なデザインたちは、そのせいなのかどうか、楽しいようには見えません。あなたのデザインした各カードで(繰り返し!)プレイするところを想像してみてください。時間があるなら、それらのカードでプレイテストをしてみてください。それらのカードのうち、プレイヤーが悪い体験をしかねない箇所を見つけてください。マジックのゲームにおいて、カードのメカニズムを実行するためにプレイヤーがする必要のある物理的な行動や、精神的なプロセスに注意を払うことです。情報をどうやって追跡するのかを考えましょう。
充分な共鳴のある、トップダウンデザインを見ることができませんでした。マジックの人気の鍵の1つは、人々がカードで表現されたクールものを見ることができるということです。次のチャレンジのために、クリエイティブなコンセプトに基づく、より多くのカードをデザインしてみてください。
Mark Rosewater:君は充分な創造性を持っており、またカラーパイについてよく理解している。君のデザインの多くは輝いていて、新たなるデザインの才能が見られることに、私は興奮している。また、君がどのように、探索すべき新しい領域を見つけるのかが楽しみだ。君には大きな可能性がある。というのも、このコンテストの残りで、君には実証してほしいからだ――多くの改善すべき箇所があるのだ。
第一に、君は君のカードをもっとプレイテストする必要がある。(すべてのファイナリストは、二人のプレイテスト仲間を持つことが認められている。)デザインの重要な部分は、君の決定がどう影響するかを理解することであり、プレイテストは、君のカードの、想定外の使われ方を明らかにするだろう。
第二に、カードが意図するところを伝える方法について、君はもっと把握する必要がある。私と他の選考者が正確に解釈することのできない文章を、君は何度も書いている。
第三に、君がやりたいことを実際に機能させられるかどうか、既存のカードを見て、よく調べることだ。新しい空間を押すことは良いことだが、それはルールが対応できる空間である場合に限る。
私は、君に何ができるのかを見ることが楽しみであるが、しかしマジックのデザインには、君の頭に浮かぶアイデアをただ書き留めることよりも多くの仕事があることを理解してもらわなければならない。





【翻訳】グレート・デザイナー・サーチ3、ファイナリスト カードデザイン案【前編】

現在進行中のグレート・デザイナー・サーチ3の第3課題で、ファイナリスト8人のカードデザイン課題の内容が公開されたため訳してみました。
1人10枚で、計80枚あります。

課題の詳細と作例については公式のマローのコラムをどうぞ。
Making Magic:デザインを読む
http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0030344/

選考者の評はないのかな。GDS2のときは1枚ずつについてた気がするけど。これからつくのかな。
ALEX WERNER

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-alex-werner-2018-03-09

デザイン1.

黄泉からの進化/Evolution From Below(レア)
(黒)(緑)
インスタント
対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とする。そのコントローラーはそれを生け贄に捧げてもよい。そのプレイヤーがそうしなかったなら、あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストがそれ以下のクリーチャー・カード1枚を探して戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。

デザイン.2

結ばれしナイラとハルン/Naila and Hrun, Fused(神話レア)
(2)(緑)(緑)(白)(白)
プレインズウォーカー―ナイラとハルン

+2:0より大きく、あなたがコントロールしているクリーチャーがパワーとして持っていない最小の数字を見つける。パワーとタフネスがその数字である、緑であり白であるエレメンタル・クリーチャー・トークンを1体生成する。その後、この手順を繰り返す。[訳註:無限ループになるように読める。「もう1回だけ行う」の間違い?]
-X:あなたはゲームの外部から、あなたがオーナーであるナイラ・プレインズウォーカー・カード1枚とハルン・プレインズウォーカー・カード1枚を選んでもよい。あなたがその両方を選び、かつそれらの点数で見たマナ・コストの合計がX以下であるなら、それらを戦場に出し、その後CARDNAMEを生け贄に捧げる。

デザイン.3

速刃の長槍兵/Swiftblade Pikeman(コモン)
(赤)(白)
クリーチャー―人間・兵士
3/1
CARDNAMEはその上に刃カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
CARDNAMEの上から刃カウンターを1個取り除く:ターン終了時まで、CARDNAMEは先制攻撃を得る。

デザイン.4

催眠の王、ズィーム/Zyym, Mesmeric Lord(神話レア)
(1)(青)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー―吸血鬼・ウィザード
3/4
飛行、接死
CARDNAMEが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札にあるカードの順番を選び、その後、あなたが止めるまで1枚ずつ公開する。そのプレイヤーは最後に公開されたカードを捨てる。

デザイン.5

ゴブリンの断頭台/Goblin Guillotine(レア)
(3)(黒)(赤)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。これによりクリーチャーが死亡したなら、そのクリーチャーと同じ色とクリーチャー・タイプを持つクリーチャー・トークンを1体生成する。コインを1枚投げる。それが表(Head)なら、そのトークンは「頭(Head)」という名前の1/1である。そうでないなら、そのトークンは「体(Body)」という名前の、死亡したクリーチャーのパワーとタフネスから1を引いた値のパワーとタフネスである。

デザイン.6

新緑の創意/Verdant Ingenuity(アンコモン)
(1)(緑)(青)
ソーサリー
あなたのライブラリーの一番上から、土地カード1枚と土地でないカード1枚が公開されるまでカードを1枚ずつ公開する。その中の土地カード1枚を戦場に出す。その中の土地でないカード1枚をあなたの手札に加える。公開された他のカードをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。

デザイン.7

霊体の封止/Astral Containment(レア)
(2)(白)(青)
インスタント
クリーチャー2体を対象とする。1体目のクリーチャーを、2体目のクリーチャーが戦場を離れるまで追放する。

デザイン.8

不敬者への鎮魂歌/Requiem for the Profane(アンコモン)
(白)(黒)
エンチャント
CARDNAMEが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは2点のライフを失い、あなたは2点のライフを得る。
クリーチャーが1体死亡するたび、あなたはCARDNAMEをオーナーの手札に戻してもよい。

デザイン.9

大軍の血/Blood of the Horde(コモン)
(赤)(緑)
エンチャント
あなたがクリーチャー1体以上で攻撃するたび、攻撃クリーチャーの内の1体を選ぶ、ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受けるとともにトランプルを得る。

デザイン.10

偉大なる発明者、サヒーリ/Saheeli, Prodigious Inventor(神話レア)
(2)(青)(赤)
プレインズウォーカー―サヒーリ

+1:あなたが飛行機械をコントロールしていないなら、飛行を持つ無色の1/1の飛行機械・クリーチャー・トークンを1体生成する。そうでないなら、占術2を行う。
-2:あなたがコントロールする飛行機械1体と、アーティファクトかクリーチャー1つを対象とする。その前者はその後者のコピーになる。それは引き続きアーティファクトでもある。(この効果はターン終了時に終わらない。)
-8:あなたは「あなたの終了ステップの開始時、あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストがX以下のアーティファクト・カード1枚を探して戦場に出す。Xはあなたがコントロールするアーティファクトの中の点数で見たマナ・コストの最大に2を加えた値である。その後、あなたのライブラリーを切り直す。」を持つ紋章を得る。
ARI NIEH

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-ari-nieh-2018-03-09

デザイン.1

蒸気拳の処罰者/Steamfist Enforcer(コモン)
(3)(黒/赤)
クリーチャー―人間・ならず者
3/2
威迫
CARDNAMEを唱えるためにアーティファクトが発生源であるマナが支払われたなら、それはその上に+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出るとともに、その他のタイプに加えてアーティファクトでもある。

デザイン.2

烏の王/The Raven Lord(神話レア)
(4)(白)(青)
伝説のクリーチャー―神
5/5
CARDNAMEが戦場に出たとき、飛行を持つ白の1/1の鳥・クリーチャー・トークンを2体生成する。
あなたがコントロールする飛行を持つクリーチャーは「(1)、(T):カードを1枚引く。」を持つ。
このターンにあなたが2枚以上のカードを引いているかぎり、CARDNAMEは破壊不能を持つ。

デザイン.3

熟達の技師、ラーミ/Rahmi, Master Engineer(神話レア)
[訳註:ラシュミ/Rashmiの間違い?色が違うけど。]
(3)(赤)(白)
プレインズウォーカー―ラーミ

アーティファクトが1つ戦場からあなたの墓地に置かれるたび、CARDNAMEに忠誠カウンターを1個置く。
0:無色の1/1の霊気装置・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。
-2:あなたのマナ・プールに(赤)(赤)(赤)を加える。
-8:トランプルと破壊不能を持つ無色の10/10のゴーレム・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。

デザイン.4

ムガーイの創造史/Mugai Creation Saga(神話レア)
(5)(緑)(緑)(青)(青)
ソーサリー
以下の両方を望む順番で行う。
・あなたがコントロールするクリーチャー1体につき、カードを1枚引く。
・あなたの手札にあるカード1枚につき、緑の2/2の猪・クリーチャー・トークンを1体生成する。

デザイン.5

ニクスの昇天/Nyxian Ascension(レア)
(4)(緑/白)
エンチャント
あなたのアップキープの開始時、あなたがクリーチャー・エンチャントを5体以上コントロールしている場合、あなたはこのゲームに勝利する。

デザイン.6

収穫の祝賀者、グウィン/Gwyn, Harvest Celebrant(神話レア)
(2)(黒)(緑)
プレインズウォーカー―グウィン

+1:あなたはクリーチャーを1体生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚をあなたの手札に戻す。
-2:クリーチャー1体と、他のクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、その前者は+2/+2の修整を受け、その後者は-2/-2の修整を受ける。
-7:あなたは「クリーチャーが1体死亡するたび、各対戦相手は3点のライフを失い、あなたはカードを1枚引いてもよい。」を持つ紋章を得る。

デザイン.7

タイガの噴火/Taiga Eruption(アンコモン)
(2)(赤)(緑)
インスタント
速攻とトランプルを持つ無色の3/3のエレメンタル・山・森・クリーチャー・土地・トークンを1体生成する。(それは「(T):あなたのマナ・プールに(赤)か(緑)を加える。」を持つ。)

デザイン.8

破門の儀式/Excommunication Rite(アンコモン)
(3)(白)(黒)
ソーサリー
CARDNAMEを唱えるためのコストは、あなたがコントロールするクレリック1体につき(1)少なくなる。
クレリックでないクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。

デザイン.9

不気味な噂/Macabre Rumors(コモン)
(青)(黒)
インスタント
各対戦相手は自分のライブラリーの一番上から4枚のカードを自分の墓地に置く。
あなたがコントロールするクリーチャーが1体死亡するたび、あなたはCARDNAMEをあなたの墓地から唱えてもよい。そうしたなら、その解決に際しそれを追放する。

デザイン.10

偏執的な悔恨/Obsessive Remorse(レア)
(1)(青)(赤)
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
各ターン、エンチャントされたクリーチャーは可能なら攻撃する。
エンチャントされたクリーチャーが攻撃するたび、戦闘終了時に、防御プレイヤーはそのコントロールを得る。
CHRIS MOONEY

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-chris-mooney-2018-03-09

デザイン.1

チャンピオン・ベルト/Champion’s Belt(レア)
(1)(赤)(緑)
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされたクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに威迫と警戒を持つ。他のクリーチャーは「(2)、(T):エンチャントされたクリーチャーは格闘を行う。」を持つ。[訳註:何と格闘?起動したクリーチャーと?]
エンチャントされたクリーチャーが死亡したとき、このターンにそれと格闘したクリーチャー1体にCARDNAMEをつける。

デザイン.2

地下世界の管理者、キーパー/Keeper, Underworld Warden(神話レア)
(2)(白)(黒)
プレインズウォーカー―キーパー

+1:墓地にあるクリーチャー・カード最大1枚を対象とし、それを追放する。
-1:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中から土地でないカードを1枚選ぶ。そのカードを追放する。
-2:パーマネント1つを対象とし、それを追放する。
CARDNAMEが戦場を離れたとき、次の終了ステップの開始時、それにより追放された各カードをオーナーの手札に戻す。

デザイン.3

一射の妨害工作員/One-Shot Saboteur(コモン)
(青)(黒)
クリーチャー―人間・ならず者
1/3
CARDNAMEが戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番下から2枚のカードを見て、その内の1枚を裏向きで追放する。
CARDNAMEがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えたとき、その追放されたカードをあなたの手札に加える。

デザイン.4

時間の借用/Borrowed Time(レア)
(3)(緑)(青)
インスタント
あなたがコントロールするすべてのパーマネントをアンタップする。カードを1枚引く。
あなたの次の開始フェイズを飛ばす。(開始フェイズには、アンタップ・ステップ、アップキープ・ステップ、ドロー・ステップが含まれる。)
CARDNAMEを追放する。

デザイン.5

分かち合う権利/Shared Custody(アンコモン)
(1)(白)(青)
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
あなたはエンチャントされているクリーチャーをコントロールする。
各戦闘フェイズの開始時、エンチャントされているクリーチャーのオーナーは、「このターン、それは可能なら攻撃やブロックする」ことを選んでもよい。(それがどのように攻撃やブロックするかは、依然としてあなたが選ぶ。)

デザイン.6

真実の愛の口付け/True Love’s Kiss(レア)
(2)(赤)(白)
ソーサリー
異なるプレイヤーにコントロールされているクリーチャー2体を対象とし、それらに愛カウンターを1個ずつ置く。それらのクリーチャーにつけられているすべてのオーラを破壊し、その後それらをアンタップし、ターン終了時までそれらのコントロールを得る。
CARDNAMEを変身させた状態で戦場に出す。
//
愛の力/The Power of Love
赤/白
伝説のエンチャント
愛カウンターが置かれているクリーチャーは速攻と絆魂を持つ。それらは、愛カウンターが置かれているクリーチャーをコントロールしているプレイヤーを攻撃できない。

デザイン.7

暴力的な考え/Violent Thoughts(アンコモン)
(2)(黒)(赤)
インスタント
あなたのライブラリーの一番上から2枚のカードを追放する。それらのカードはそれぞれ、望む対象に2点のダメージを与える。この方法であなたがカードからダメージを与えられたなら、そのカードをあなたの手札に加える。
If violence isn’t the answer, you’re asking the wrong question.
~Tibalt

[訳註:厳密なテキスト化が難しい。対象を決めるのはいつなのか?まあデザイナーは厳密なルールを決める必要はないとマローも言ってたし。何故かついているフレイバーテキストの訳は省略。]

デザイン.8

友好的なツリーフォーク/Friendly Treefolk(アンコモン)
(4)(緑)(白)
クリーチャー―ツリーフォーク
7/7
警戒、トランプル
CARDNAMEがクリーチャーに与えるすべての戦闘ダメージを軽減する。
A treefolk is a friend to all, be it plants or elves or tiny squirrels.

デザイン.9

呪文の王、クウィル/Kwil, Spell Lord(神話レア)
(3)(青)(赤)
プレインズウォーカー―クウィル

あなたがインスタント呪文かソーサリー呪文を唱えるたび、CARDNAMEの上に忠誠カウンターを2個置く。その後、あなたはそれの忠誠値能力を1つ起動してもよい。
-3:インスタント呪文1つかソーサリー呪文1つを対象とする。その呪文が青であるなら、カードを1枚引く。その呪文が赤であるなら、CARDNAMEは望む対象に2点のダメージを与える。
[訳註:対象を決めるのはいつなのか。]
-5:インスタント呪文1つかソーサリー呪文1つを対象とし、それをコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。

デザイン.10

デスマッチ/Deathmatch(コモン)
[訳註:ほぼ同名の《デス・マッチ/Death Match》がオンスロートに存在する。]
(黒)(緑)
ソーサリー
あなたがコントロールするクリーチャー1体と、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、その前者は接死を得る。その前者はその後者と格闘を行う。
The world doesn’t pull any punches. Why should I?
JAY TREAT

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-jay-treat-2018-03-09

デザイン.1

目的ある回想/Recall with Purpose(アンコモン)
(3)(白)(黒)
ソーサリー
あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚とオーラ・カード最大1枚を対象とし、それらを戦場に戻す。
[訳註:このテキストでは、釣ったクリーチャーに釣ったオーラをつけることができない。]

デザイン.2

エキドナの双頭のもの/Echidna’s Two-Headed Pup(アンコモン)
(1)(赤)(白)
クリーチャー―キマイラ
3/3
威迫、警戒
各戦闘で、CARDNAMEは追加で1体のクリーチャーをブロックできる。
One head loves being petted and the other hates it. Good luck.

デザイン.3

三分割/Third Degree (common)
BR
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。CARDNAMEはそのクリーチャーとそのコントローラーにそれぞれ2点のダメージを与える。2点のライフを得る。

デザイン.4

星界の天啓/Cosmic Revelation (uncommon)
1GU
インスタント
カードを1枚引く。
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、その基本のパワーとタフネスはそれぞれ、あなたの手札にあるカードの枚数に等しくなる。
[訳註:解決後の手札の枚数の変動によって、p/tも変動する(と意図している)のかどうか不明。]

デザイン.5

反逆の誘導/Lure of Treason (rare)
3RG
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、そのコントロールを得る。そのクリーチャーをアンタップする。ターン終了時まで、それは速攻を得る。このターン、それをブロックできるすべてのクリーチャーは、それをブロックする。

デザイン.6

幻の放浪者/Illusive Vagabond (common)
1UB
クリーチャー―ならず者・イリュージョン
2/3
CARDNAMEがいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、それを生け贄に捧げる。そのプレイヤーはカードを1枚捨て、あなたはカードを1枚引く。

デザイン.7

バケツリスト/Bucket List (rare)
1UR
エンチャント
あなたがCARDNAMEに示されているタイプの呪文を1つ唱えるたび、そのタイプの上にカウンターを1個置くとともにカードを1枚引く。CARDNAMEの5つのタイプすべての上にカウンターが置かれたなら、それを生け贄に捧げるとともに追加のカードを1枚引く。
[ ]アーティファクト[ ]クリーチャー[ ]エンチャント[ ]インスタント[ ]ソーサリー

デザイン.8

考古学者、ジョーリ/Jori, Archaeologist (mythic rare)
1BG
伝説のプレインズウォーカー―ジョーリ

+2:あなたのライブラリーの一番上から2枚のカードをあなたの墓地に置く。2点のライフを得る。
-2:あなたの墓地にあるパーマネント・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。
-7:ターン終了時まで、あなたは、あなたの墓地にあるカードをプレイしてもよい。このターン、カードがいずれかの領域からあなたの墓地に置かれるなら、代わりにそのカードを追放する。

デザイン.9

平和の監視者、フィオナ/Fiona, Peaceseeker (mythic rare)
2WU
伝説のプレインズウォーカー―フィオナ

+2:各プレイヤーは、自分がコントロールするアンタップ状態のクリーチャー1体をタップしてもよい。そうしたプレイヤーは、カードを1枚引く。
0:あなたの手札にあるカード1枚につき、1点のライフを得る。
-12:「あなたの手札の上限はなくなる」を持つ紋章を得て、その後、あなたの手札の枚数があなたのライフの総量に等しくなるまでカードを引く。

デザイン.10

農場の買収/Bought the Farm (uncommon)
1GW
エンチャント―オーラ
エンチャント(あなたがコントロールする土地)
CARDNAMEが戦場に出たとき、対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それをCARDNAMEが戦場を離れるまで追放する。
エンチャントされている土地は「(T):あなたのマナ・プールに(緑)(白)を加える。」を持つ。

【翻訳】グレート・デザイナー・サーチ3、ファイナリスト カードデザイン案【後編】

JEREMY GEIST

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-jeremy-geist-2018-03-09

デザイン.1

お前の毒を選べ/Pick Your Poison (rare)
3BG
ソーサリー
数字の合計がちょうど〈4〉になるように、望む数のモードを選ぶ。あなたは同じモードを2回以上選んでもよい。
〈1〉クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを1個置く。
〈2〉接死を持つ黒の1/1の蛇・クリーチャー・トークンを1体生成する。
〈4〉ターン終了時まで、すべてのクリーチャーは-2/-2の修整を受ける。

[訳註:このテキストでは、出した蛇トークンにカウンターを置くことができない。意図通りだろうか。]

デザイン.2

魅了/Bewitch (rare)
1UB
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
あなたはエンチャントされているクリーチャーをコントロールする。
エンチャントされているクリーチャーは-2/-2の修整を受ける。

デザイン.3

母熊/Mama Bear (common)
(2)(緑/白)
クリーチャー―熊
3/2
あなたがパワーが1以下のクリーチャーをコントロールしているなら、母熊は+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。

デザイン.4

多相のプレインズウォーカー、パム/Pam, Shapeshifting Planeswalker (mythic rare)
2GU
伝説のプレインズウォーカー―パム

+1:あなたは戦場にあるクリーチャー1体かパムでないプレインズウォーカー1人を対象に選んでもよい。そうしたなら、ターン終了時まで、パムはそのクリーチャーかプレインズウォーカーのコピーとなるとともに破壊不能を得る。パムがプレインズウォーカーのコピーとなったなら、このターン、あなたはそれの忠誠度能力が起動されていなかったかのように、それの忠誠度能力1つを1回起動してもよい。
-2:緑の3/3のウーズ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
-6:各プレイヤー1人につき、そのプレイヤーのライブラリーからクリーチャー・カードかプレインズウォーカー・カードを1枚探し、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。その後、各プレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。

デザイン.5

誰かの血の署名/Sign In Someone Else’s Blood (common)
BR
インスタント
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。誰かの血の署名はそれに3点のダメージを与える。
カードを2枚引く。

デザイン.6

気まぐれなジン/Whimsical Djinn (mythic rare)
4UR
クリーチャー―ジン
4/4
飛行
あなたのアップキープの開始時、以下からまだ選ばれていないもの1つを無作為に選ぶ。そうできないなら、気まぐれなジンをオーナーの手札に戻す。
・クリーチャーかプレインズウォーカーを最大2つ対象とする。気まぐれなジンはそれらに4点のダメージを与える。
・ターン終了時まで、気まぐれなジンは二段攻撃を得る。
・カードを3枚引く。

デザイン.7

混成/Mix (uncommon)
W
ソーサリー
パーマネントにエンチャントされているオーラ1つを対象とし、それを適正にエンチャントできる他のパーマネントにつける。
//
適合/Match
R
ソーサリー
装備品1つとクリーチャー1体を対象とし、その前者をその後者につける。

デザイン.8

かつてのソリン/Sorin, The Prequel (mythic rare)
3WB
伝説のプレインズウォーカー―ソリン

+2:各対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
-3:対戦相手がコントロールする土地でないパーマネント1つを対象とし、それをかつてのソリンが戦場を離れるまで追放する。
-10:「希望の天使アヴァシン」という名前の、飛行と警戒と破壊不能と「あなたがコントロールする他のパーマネントは破壊不能を持つ。」を持つ白の8/8の天使・クリーチャー・トークンを1体生成する。

デザイン.9

シャルルマーニュを忘れるな/Remember Your Charlemagne (uncommon)
WU
インスタント
あなたがコントロールするアーティファクト1つか、オーラでないエンチャント1つを対象とする。ターン終了時まで、それは他のタイプに加えて5/5のクリーチャーになる。

[訳註:カード名の意味が不明……何かの故事成語か?]

デザイン.10

人間は許されない/No Humans Allowed (uncommon)
1RG
エンチャント
あなたが人間をコントロールしていないかぎり、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
LINUS ULYSSES HAMILTON

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-linus-ulysses-hamilton-2018-03-09

デザイン.1

鏡の計略/Mirror Trick (rare)
WU
インスタント
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。それのコピーであるトークンを1体生成する。

デザイン.2

ケンタウルスの先導者、ローレイ/Lorelei, Centaur Leader (mythic rare)
2GW
プレインズウォーカー―ローレイ

あなたがコントロールするクリーチャーが1体攻撃するたび、CARDNAMEに忠誠カウンターを1個置く。
0:ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+1の修整を受けるとともに警戒を得る。
-3:緑の3/3のケンタウルス・クリーチャー・トークンを1体生成する。
-10:あなたは「あなたがコントロールするクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともにトランプルを持つ。」を持つ紋章を得る。

デザイン.3

陽動の一撃/Feint Strike (uncommon)
2BR
インスタント
クリーチャー1体と、プレイヤー1人と、他のクリーチャー1体を対象とする。CARDNAMEはその第一者に1点のダメージを与える。その第二者はその第三者を生け贄に捧げる。

[訳註:原文は
CARDNAME deals 1 damage to target creature. Target player sacrifices other target creature.
「Target」が3つ書いてあるので、できるだけ忠実に訳した。どこまでの挙動を想定しているのか不明。確定の生け贄除去なのかどうか。]

デザイン.4

魂を入れ換えるもの、アルヴァ/Alva, Soul Exchanger (mythic rare)
1WWBB
伝説のクリーチャー―スピリット・アドバイザー
4/4
対戦相手がコントロールするトークンでないクリーチャーが1体死亡するたび、他のクリーチャー1体を対象とする。あなたは(2)を支払ってもよい。そうしたなら、そのカードをそのプレイヤーのコントロール下で戦場に戻す。その後、その対象にしたクリーチャーを追放する。

デザイン.5

夢の収集者、アショク/Ashiok, Dream Collector (mythic rare)
4UB
プレインズウォーカー―アショク

+2:各プレイヤーはカードを2枚引く。
-2:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚引き、その後自分の手札を公開する。あなたはその中から1枚のカードを、そのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。
-9:あなたは「あなたは、戦場にあってあなたがコントロールしていない土地でないカードを唱えてもよい。」を持つ紋章を得る。

デザイン.6

赤い放浪者/Red Rover (uncommon)
[訳註:そういう名前の遊びがあるらしい]
1RW
エンチャント
あなたの対戦相手は、可能なら各戦闘でちょうど1体のクリーチャーで攻撃しなければならない。

デザイン.7

墓所の探索/Graveyard Dig (common)
(1)(黒/緑)
ソーサリー
あなたの墓地にある{黒か緑の}クリーチャー・カード最大2枚を対象とし、それらをあなたの手札に戻す。
あなたはこの呪文を(2)(黒/緑)(黒/緑)で唱えてもよい。そうしたなら、括弧内の文章を無視する。

デザイン.8

借用/Borrow (rare)
UR
ソーサリー
あなたがコントロールしていないアーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とする。あなたはその起動型能力1つを、そのコストを支払うことなく起動してもよい。(コストに(X)が含まれるなら、Xは0である。)

デザイン.9

狩りの大立者/Figure of the Hunt (uncommon)
1RG
クリーチャー―エレメンタル
2/2
CARDNAMEがブロックされるたび、あなたはあなたの手札から望む枚数の土地カードを公開してもよい。ターン終了時まで、CARDNAMEはこれにより公開されたカード1枚につき+1/+1の修整を受ける。

デザイン.10

集中する濃霧/Converging Fog (common)
2GU
[エンチャント―オーラ 訳註:カードタイプ欠落]
瞬速
エンチャント(クリーチャー)
CARDNAMEが戦場に出たとき、このターンに与えられる戦闘ダメージをすべて軽減する。
エンチャントされているクリーチャーは、そのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。
RYAN SIEGEL-STECHLER

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-ryan-siegel-stechler-2018-03-09

デザイン.1

丸呑み/Swallow Whole (uncommon)
BG
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。そのタフネスが、あなたがコントロールするクリーチャーの中の最大のタフネスより小さいなら、それを追放する。あなたはその差に等しい点数のライフを得る。

デザイン.2

下水を飛ぶもの/Sewer Skimmer (common)
1UB
クリーチャー―コウモリ・ホラー
2/1
飛行
下水を飛ぶものが戦闘ダメージを与えるたび、単一の墓地から最大でそれに等しい枚数のカードを追放する。
下水を飛ぶものが墓地が空であるプレイヤーを攻撃しているかぎり、それは接死を持つ。

デザイン.3

無差別殺戮/Indiscriminate Slaughter (rare)
2BR
ソーサリー
クリーチャー1体を無作為に選ぶ。他のクリーチャーをすべて破壊する。

デザイン.4

また明日/See You Tomorrow (rare)
2WUU
インスタント
攻撃クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。そのコントローラーは自分の戦闘後メイン・フェイズを飛ばす。

デザイン.5

心の願望/Heart’s Desire (mythic rare)
3GGUU
エンチャント
あなたがあなたのライブラリーから1枚以上のカードを探すなら、代わりにあなたはその探す基準に適合したカードをその2倍の枚数探す。

デザイン.6

王殺し、ケイヤ/Kaya, Kingslayer (mythic rare)
WB
伝説のプレインズウォーカー―ケイヤ

+1:各対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
-3:クリーチャー1体を対象とし、それを王殺し、ケイヤが戦場を離れるまで追放する。
-6:あなたは「クリーチャーは、あなたがコントロールするケイヤ・プレインズウォーカーを攻撃できない。」を持つ紋章を得る。

デザイン.7

気難しいハイドラ/Cranky Hydra (rare)
XRG
クリーチャー―ハイドラ
1/1
気難しいハイドラが戦場に出たとき、以下からX個を選ぶ。あなたは同じモードを2回以上選んでもよい。
・気難しいハイドラに+1/+1カウンターを1個置く。
・プレイヤー1人を対象とする。気難しいハイドラはそれに1点のダメージを与える。
・アーティファクト1個かエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。

デザイン.8

生ける実験体、ラル/Ral, Living Experiment (mythic rare)
4UR
伝説のプレインズウォーカー―ラル

+2:カードを1枚捨てる。そうしたなら、カードを2枚引く。
0:このターン、あなたが唱えるインスタント呪文とソーサリー呪文は、それを唱えるためのコストが(1)少なくなる。
-9:このターンに続き、追加の1ターンを行う。そのターンの間にあなたがインスタント呪文かソーサリー呪文を唱えるたび、それをコピーする。あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。

デザイン.9

機敏/Alacrity (common)
(緑/白)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+2の修整を受けるとともに警戒を得る。

デザイン.10

不安の呪い/Curse of Apprehension (uncommon)
1RW
エンチャント―オーラ・呪い
エンチャント(プレイヤー)
エンチャントされているプレイヤーがコントロールしているクリーチャーは、単独では攻撃やブロックできない。
SCOTT WILSON

https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-scott-wilson-2018-03-09

デザイン.1

怒りやすい雄牛/Easily Excitea-Bull (rare)
2RW
クリーチャー―ビースト
2/2
速攻、絆魂
いずれかのプレイヤーのライフ総量が変化するたび、CARDNAMEに+1/+1カウンターを1個置く。

デザイン.2

ゴミの再利用者/Trash Recycler (rare)
BG
クリーチャー―人間・昆虫
1/3
対戦相手がカードを捨てるたび、そのカードを追放する。
あなたはCARDNAMEによって追放されたカードをプレイしてもよい。
(T):あなたのマナ・プールに好きな色のマナ1点を加える。

デザイン.3

オアシスの蜃気楼/Oasis Mirage (mythic rare)
4GU
伝説のエンチャント
あなたは、あなたがプレイした土地を、戦場にあるいずれかのパーマネントのコピーとして戦場に出してもよい。

デザイン.4

祝福された拳/Blessed Fists (common)
GW
ソーサリー
あなたがコントロールするクリーチャー1体と、対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、その前者は絆魂を得る。その前者はその後者と格闘を行う。

デザイン.5

時間の王、トマリン・ブレイル/Tomarin Blair, Lord of Time (mythic rare)
2WU
プレインズウォーカー―トマリン

+1:このメイン・フェイズの後に、追加のアップキープ・ステップとそれに続く追加のメイン・フェイズを加える。
-3:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは次の自分の戦闘フェイズを飛ばす。
-8:「(T)、このアーティファクトを生け贄に捧げる:ターンを終了する。」を持つ、無色のパラドックス・アーティファクト・トークンを1個生成する。

デザイン.6

来いよ兄ちゃん/Come at Me Bros (uncommon)
2RG
インスタント
対戦相手1人を対象とする。このターン、そのプレイヤーがコントロールするクリーチャーは可能なら攻撃する。
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それをアンタップする。このターン、それは望む数のクリーチャーをブロックできる。

デザイン.7

竜を縫う者、エリクサ・デュモート/Elixa DuMort, Dragonstitcher (mythic rare)
3BR
プレインズウォーカー―エリクサ

+1:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。これによりあなたがカードを捨てたなら、カードを1枚引く。
-2:いずれかの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを追放する。飛行を持つ黒であり赤である4/4のゾンビ・ドラゴン・クリーチャー・トークンを1体生成する。
-6:クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。飛行と破壊不能と速攻を持つ、黒であり赤である10/10のゾンビ・ドラゴン・ホラー・クリーチャー・トークンを1体生成する。

デザイン.8

ドラフト屑ブラスト/Draft Chaff Blast (rare)
XUR
ソーサリー
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。CARDNAMEはそれにX点のダメージを与える。あなたはゲーム外からあなたがオーナーである、点数で見たマナ・コストがX以下のアーティファクトかインスタントかソーサリーであるカード1枚を選び、それを公開してあなたの手札に加えてもよい。

[訳註:名前がよくわからないな。ドラフトでも有用だと思うが。]

デザイン.9

血の要求/Blood Requirement (common)
1UB
インスタント
呪文1つを対象とする。そのコントローラーがクリーチャーを1体生け贄に捧げないかぎり、その呪文を打ち消す。

デザイン.10

有毒な牢獄/Poisonous Prison (uncommon)
2WB
エンチャント
CARDNAMEが戦場に出たとき、対戦相手がコントロールする土地でないパーマネント1つを対象とし、それをCARDNAMEが戦場を離れるまで追放する。
CARDNAMEが戦場を離れたとき、各対戦相手は4点のライフを失う。


【翻訳】よいメカニズムを見つける【マローコラムNo.4】

「マローの未訳コラムを古い方から埋めていこう」計画。まあ、ゆっくりとね。

てきとう翻訳なので間違ってる前提で読んでもらえれば。(英語苦手マン)

**********

原文:
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/finding-good-mechanic-2002-01-21


よいメカニズムを見つける
――キーワードの裏にあるキー・アイデア――

Mark Rosewalter
2002/1/21

MagictheGathering.comのマッドネス特集へようこそ。これから一週間に渡り、我々はトーメントの第二の新メカニズム、マッドネスについて話すことになる。(第一のメカニズムはナイトメアだ――ナイトメアを忘れたなんて言うなよ?)
[訳注:ナイトメアを忘れるな(http://bluemen.diarynote.jp/201408141233526484/)]
マッドネスは呪文を、それが捨てられたときにプレイしてもよいというメカニズムだ。過去の《十二足獣》のようなカードとは違って、マッドネスは何によって捨てられても働く――きみがコントロールする効果であってもだ。また、マッドネス・コスト(捨てたときに呪文をプレイするためのコスト)はマナ・コストと同じとは限らず、多くの場合安くなる。
つまり、きみの《野生の雑種犬》をパンプしながら、きみの呪文を安くプレイするといった楽しいことができるわけだ。

クールだろ?
さて、ここで本日のコラム執筆者である私にとって少々困ったことがある。普通なら、私は私のコラムでマッドネスがどのようにデザインされたか話すだろう。しかし、このメカニズムの作者であるマイク・エリオットがまさにそれについて話した特集記事があるのだ。
えー、たぶん私のプレビュー・カードが1枚あるだろうから、それがどうデザインされたかについて話すことができるはずだ。
え?
ない?
なんてこった。(といっても、マイクが彼の特集記事[リンク先消失]でマッドネス・カードを1枚お披露目しているぞ。)

さて、デザイナー/コラム執筆者として何をすべきだろう?私は、メカニズムが一般的にどうデザインされるのか話すのが面白そうだと判断した。これから話すことで、マッドネスが作られた思考過程についても学べるかもしれない。


デザインを進める

MagictheGathering.comで我々が明示しようとしている点の1つは、デザインとデベロップの違いだ。デザインを顕微鏡にかけて観察し続けると、それは複数の部分に別れていることがわかる。個々のカードのデザイン、メカニズムのデザイン、セットのデザイン、ブロックのデザイン、等々。今日は、二つ目に焦点を当てよう。

[画像消失]
――キーワード化されていないが、これらのカードはどれもメカニズムが使われている

メカニズムとは何なのかを明確にするところから始めるべきだろう。メカニズムとは、複数のカードに使うことができる能力のことだ。それだけ。単純なものだ。
ちょっとまて、と諸君の多くは言うだろう。メカニズムには名前がなきゃいけないんじゃないのか?これはメカニズムについてのよくある誤解だ。いくつかのメカニズムには、我々R&D(研究開発部)が「キーワード」と呼ぶ名前が与えられている。キーワード・メカニズムには、過去のブロックにおける主要なメカニズムの多くが含まれている。(フラッシュバック、スレッショルド、キッカー、サイクリング、エコー、バイバック、等々。)

多くのプレイヤーは「メカニズム」という言葉を、キーワード・メカニズムのみを指すものだと考えている。例えば、メルカディアン・マスクスが登場したとき、私はよく、なぜこのセットには新メカニズムが無いのですかと聞かれたものだ。私はとても困惑した。メルカディアン・マスクスにはレベルがあり、スペルシェイパーがあり、そして帰ってきた「ピッチスペル」カードがあったのだ。しかしどのメカニズムもキーワード化されていなかったので、多くのプレイヤーはそれらをメカニズムとは見なさなかった。
これは単純な失敗だ。バラは別の名前であっても――もしくは単純に名前がなくても――かぐわしい香りはそのままなのだから。(マジックのメカニズムについての記事で、シェイクスピアからの引用を目にするなんて予想できたかな?)

では、なぜすべてのメカニズムにキーワードを持たせないのか?なぜなら、多くのメカニズムはキーワードを必要としていないからだ。メカニズムがルール・テキストで簡潔に説明できるのであれば、人々に新しい用語を覚えてもらうという困難なことをする必要はない。
キーワードを使う理由は主に二つだ。
第一に、プロテクションのようないくつかのメカニズムは、それが行うことをテキストで詳細に記述しようとすると場所をとりすぎるので、キーワード化が必要である。
我々がキーワードを使う第二の理由は、もしもそのメカニズムを持つカードが十分な数あるなら(サイクリングのように)、他のカードでそのメカニズムを参照できるようにしておきたいからだ。例えば、これにより《波動機》のような、それ自体はサイクリングを持たないが、サイクリングに関するカードを作ることができる。
そしてまた、実際には隠された第三の理由がある。キーワードを持つメカニズムはとてもクールに見えるのだ。メルカディアン・マスクスの失敗はR&Dに、人々はキーワード・メカニズムが好きだということを教えてくれた。(そう、我々は過去の失敗から学び、行いを変えるのだ。)なので、現在はすべての大型セットに最低一つ、大抵は二つのキーワード・メカニズムを入れるようにしている。時々、小型セットのどちらかでキーワード・メカニズムを追加することもある。
[訳注:2002年当時の話。2016年現在では、新キーワードは大型セットに4~6、小型セットでも2~4ほどになった。もっともこれは多すぎと判断されたようで、カラデシュでは意図的に3つまで減らされている。]

大量生産

今いるマジック・デザイナーの中で、最も多産なのはマイク・エリオットと私だろう。二人ともこの会社で五年以上働いていて、ミラージュ以降のすべてのセットでカードをデザインしてきた。(私のカードが初めて入ったのはアライアンスなので、マイクより数ヶ月先にスタートを切っていることになる。この手のトリビアが好きな者たちに明かすと、そのカードというのは《Gustha’s Scepter》、《ラト・ナムの図書館》、《Soldier of Fortune》だ。)
Gustha’s Scepter (0)
アーティファクト
(T):あなたの手札にあるカードを1枚、裏向きで追放する。それが追放され続けているかぎり、あなたはそれを見てもよい。
(T):Gustha’s Scepterによって追放された、あなたがオーナーであるカードを1枚、あなたの手札に戻す。
あなたがGustha’s Scepterのコントロールを失ったとき、Gustha’s Scepterによって追放されたすべてのカードをオーナーの墓地に置く。

Library of Lat-Nam / ラト・ナムの図書館 (4)(青)
ソーサリー
対戦相手1人は以下から1つを選ぶ。
・次のターンのアップキープの開始時に、あなたはカードを3枚引く。
・あなたは自分のライブラリーからカードを1枚探し、そのカードをあなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。

Soldier of Fortune (赤)
クリーチャー — 人間(Human) 傭兵(Mercenary)
(赤),(T):プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。
1/1

(それぞれWisdom Guildより引用。)
これを取り上げた理由は、マイクと私はそれぞれとても異なった方法でメカニズムをデザインしていて、諸君らに異なるデザイナーの異なるスタイルを見せられるのではないかと思うからだ。

マイクは非常にメカニズム重視である。実際、彼はメカニズムをデザインしている時が一番幸せそうに見える。彼は非常な熱意をもってメカニズムを練り上げ、その後で慎重さをもって可能な限り多くのカードに[メカニズムを]広げていくのだ。マイクは多くの時間をメカニズムを作ることに費やす。彼のハードドライブはさまざまなメカニズムのアイデアでいっぱいだ。結果としてマイクは、リチャード・ガーフィールドを除けば、誰よりも多くのマジックのメカニズムを作ってきた。(シャドー、エコー、レベル、そしてマッドネスはすべて彼の作だ。)そしてマイクのメカニズムを作り出す速度では、リチャードを追い越すのも時間の問題だろう。

[画像消失]
――《焚きつけ》で初登場したメカニズムは、先のエキスパンションで再利用された

一方で、私は細部から考える傾向にある。私はクールな個別のカードを考えることが好きなのだ。ここ数年ではより広範に考えるようになってきているが、1枚ごとのカードを考えているときが、私のベストになる傾向がある。それでは、私はどうメカニズムを作っているのか?
よくあることは:私が非常にクールなカード1枚を作る。その後、そのカードがメカニズムに拡張できることを私に知らせてくれるのだ。よい例はテンペストの《焚きつけ/Kindle》だろう。
Kindle / 焚きつけ (1)(赤)
インスタント
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。焚きつけはそれにX点のダメージを与える。Xはすべての墓地にある名前が《焚きつけ/Kindle》であるカードの枚数に2を加えた点数である。

(Wisdom Guildより引用。)
《焚きつけ/Kindle》(オデッセイで《集中砲火/Flame Burst》として再録された)は、私が《疫病ネズミ/Plague Rats》=《稲妻/Lightning Bolt》を作ろうと試みたものだ。つまり、私は《疫病ネズミ/Plague Rats》のように、たくさん集まったときにパワーが上がる直接ダメージ呪文を作りたかったのだ。この問題の解決方法がわかったとき、私はすぐにクールなメカニズム(カード効果が、墓地の同名カードに応じて上がってゆく)を作ったことに気付いた。正直に言えば、その時にはそれをテンペストのメカニズムに拡張するという発想はなかった。私はそれがクールな個別のカードだと思っていて、われわれはいずれそのメカニズムを戻すだろうことを知っていたのだ。(もちろん、われわれはネメシスで《蓄積した知識/Accumulated Knowledge》を作ったし、オデッセイで《生命の噴出/Life Burst》[のサイクル]を作った。)

メカニズムは様々な場所からやってくる。例えば、リチャード・ガーフィールドは《転覆/Capsize》[のバイバック・メカニズム]を、コズミック・エンカウンター・ゲームのスーパーフレア・カードから着想を得た。[訳注:コズミック・エンカウンターは、マジックの発想元としてたびたび挙げられるゲーム。スーパーフレア・カードは、使用しても破棄されないカード、らしい。自分はプレイしたことがない。]
アイス・エイジのデザイン・チーム(ジム・リン、スカッフ・エリアス、デイブ・ペティ、クリス・ペイジ)によって作られた《火炎/Flare》[のキャントリップ・メカニズム]は、カード・セオリーの拡張として作られたものだ。(呪文が、カードを消費しないとしたらどうなるだろう?)
マイク・エリオットは《なだれ乗り/Avalanche Riders》[のエコー・メカニズム]を、クレジットカードから着想を得たと言った。(クレジットカードの請求を支払うように、時間をかけてこのクリーチャーのコストを支払うんだ。)
そして私は《飛来する石弾/Volley of Boulders》[のフラッシュバック・メカニズム]を、プロツアーのフィーチャー・マッチの観戦中に思いついた。(プレイヤーは絶えずお互いの墓地をチェックしていて、私は特定のカードが墓地からプレイできたらクールなんじゃないかと考えたのだ。)
デベロップは非常に科学的なものだが、デザインはアートである。それぞれのデザイナーがそれぞれのスタイルを持っている。


お答えください

メカニズムのデザインにひとつ共通する要所があるとすれば、次のようなものだ:
デザイナーはいくつかの重要な問いに答えられなければならない。

最初の問いはとても単純だ:それは楽しいメカニズムか?あるいは、人々はそれを楽しくプレイするだろうか?この問いは見た目よりもずっと難しく、多くのプレイテストが必要になる。

次の問いは:このメカニズムは何枚のカードをサポートできるのか?この問いに答えるためには、デザイナーは過去の個別のカードを見渡し、そのメカニズムのポテンシャルを引き出すカードを見つけなければならない。
そのメカニズムで何ができるのか?数枚のカードのためのものなのか?カードのサイクルか?小型セットの10枚のカード?大型セットの20枚のカード?ブロック全体で50枚のカード?いったい何枚のカードについて話しているのか?

[画像消失]
――バイバックは強力な、そして十分に掘り下げられたメカニズムだった

メカニズムが20枚以上のカードをサポートできるのであれば、さらに次の問いをしよう。そのメカニズムはどのくらい調整が可能なのか?ブロック・メカニズムには、そのブロックの途中で成長させる余地がなければならない。
例えばバイバックは、テンペストで不特定マナのコストとして始まった。ストロングホールドではライフをコストとするように拡張された。そしてエクソダスで、他の多くのコストに広げられたのだ。(《禁止/Forbid》のディスカード・コストなど。)

デザイナーへの最後の問いは、そのメカニズムがセットの環境にどのような影響を与えるのかということだ。例えば、スレッショルドはプレイヤーに積極的にカードを墓地に送るように促す。つまり、生け贄やディスカードを必要とするカードが通常よりも強力になるということだ。さらに、デッキを回転させるカード(キャントリップなど)もより有用である。
メカニズムは環境を定義する。そのため、デザイナーは常に、鍵となるメカニズムを見つけだすことからセットのデザインを始めるのだ。(これについては、将来のコラムでより多くを語ろう。)

ここまで見てきた通り、それぞれのメカニズムは多くの考えのもとに作られている。そして忘れないでくれたまえ、君たちが目にするのは採用されたものだけだということを。陽の目を見たメカニズムが1つあれば、その裏では5つのメカニズムが闇に――「Gene Pool(遺伝子のプール)」と呼ばれるデータベースに――葬られているのだ。
うまくいけば、このコラムでメカニズムを作るために必要な複雑さについて、多少の洞察を与えられたことだろう。

次週は、数週間前の「Ask Wizard」で私が簡潔に答えたことを、さらに掘り下げるつもりだ。なぜR&Dは悪いカードを作るのか?

そのときまで、きみのマナが淀みなく流れますように。

マーク・ローズウォーター

【マローコラム翻訳まとめ】まとめ
http://bluemen.diarynote.jp/201507011316246830/


グランプリお疲れさまでした。自分は留守番してました。

マローの二番目のコラムを訳してみたので載せておきます。トーメントが黒くなった理由についてです。
こんな古い記事に需要があるのかどうかは知らない。

例によって翻訳は適当なのでアテにしないように。

******

原文旧URL
http://archive.wizards.com/Magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/daily/mr3

原文新URL
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/make-it-black-2002-01-14

黒くなれ
――ルールは破るためにある――

Mark Rosewater
2002年1月14日


諸君は今、トーメントが「黒のセット」と呼ばれていることについて聞きたがっているかと思う。それが実際に何を意味するのか、様々な噂が流れているが、私がその議論に終止符を打とうではないか。

トーメントが「黒のセット」なのは、黒が他のどの色よりも多くのカードを有するからなのだ。さらに言えば、(黒の対抗色である)白と緑は他の色よりも少なくなる。

しかし、なんだってそんなことを、と諸君は言うだろうか?R&Dはいつも色のバランスを取っているのに!
うむ、過去8年の間、24のエキスパンションで我々はそうしてきた。(厳密には違う。いくつかのエキスパンションについてはコラムの最後を見てくれ。)


では、なぜ我々はそんなことをするのか?何が起きたのか?とても良い質問だ。この種の質問は、コラムを一本書くに値するものだ。


なぜするのか?

R&Dの仕事のひとつは、何がマジックを人気のあるゲームにするのかを理解することだ。諸君がマジックをプレイしたいと思うなら、その動機は何なのか。それを理解しないかぎりは、我々はマジックを作り続けることができなくなってしまうだろう。
マジックの成功は様々な要因によるものなので、これは現在、とても複雑な問題になっている。だが最も重要なのは、このゲームが絶え間なく進化する力を持っているということなのだ。


多くのゲームが短命なのは、顧客がやがてそのゲームを解明してしまうからだ。単純な例として三目並べを挙げよう。最初のゲームは面白い。しかし、やがて君には絶対に負けない戦略があることが分かってくる。一度それが分かってしまったら、飽きて別のゲームに移るだろう。

マジックは絶え間なく変化することでこの問題から逃れている。君が環境を解明したとき、新たなエキスパンションが加わりすべてが変わるのだ。


これはつまり、R&Dはこのゲームを進化させる方法を探し続けなければならないということだ。そのための一つの方法は、新たなカードと新たなメカニズムを作ることのできる、新たなコンセプトを導入することだ。
だがR&Dはさらに一歩を踏み込んだ。毎年カードを変えるだけではなく、環境を変えるのだ。


例えば、インベイジョンには《嘘か真か》や《ウルザの激怒》といった多くの強力なカードが含まれていた。しかし、より重要なのはこのセットが多色環境を導入したということだ。
プレイヤーたちは、多色デッキが可能なだけではなく、より重要となる世界に適応することを学ばなければならなかった。インベイジョンがフォーマットから退場するとき、その穴はプレイヤーたちに再び戦略を考え直すことを強いるだろう。


R&Dは、環境を変化させる新しい方法を考え続けるという挑戦をしている。そうするための一番の方法は、我々が作ったルールを見直し、そして破ることができるルールを見つけることだ。
各セットの各色に同数のカードが存在する、というのは破壊困難なルールのひとつだった。もし、ひとつのセットでそうしなかったなら?
我々はあらゆる場合について考え、そしてこれは面白い機会になるだろうと判断したのだ。


覚えていて欲しいのは、環境は代わり続けるのだということ、そして一方向への変化はまた、いずれ原点に戻ってくることを意味する。早い話が、このゲームは同じ場所に長くとどまることなく変わり続けるのだ。


何が起きたのか?

私がこのコラムで望むことのひとつは、諸君に決定がどう成されたか、そのカギとなったものを知ってもらうことだ。なので、これはトーメントがどのように「黒のセット」となったかの顛末だ。


ビル・ローズはウィザーズR&Dのボスだ。数年の間、ビルは色のバランスがとれていないセットを作るというアイデアにとりつかれていたが、今はまだその時ではないと思われた。
トーメント(コードネーム“Boron”)のリード・デザイナーとなるにあたって、ビルはこのセットのための面白いとっかかりを探し始めた。同じ頃、マジックのブランド・チームはオデッセイの最初の拡張セットの名前を「ヴェンデッタ/Vendetta」と決定していた。
Vendetta / 血の復讐 (黒)
インスタント
黒でないクリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。 それは再生できない。あなたは、そのクリーチャーのタフネスに等しい点数のライフを失う。
Torment / 責め苦 (1)(黒)
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは-3/-0の修整を受ける。
ある日、ビルと私はオフィスでこの新しい名前について話していた。
「なあ、この名前はどう思う?」とビルは言った。

「わからないな」私は言った。「いい名前だけど、このセットがしようとしている事とは別の印象を与えそうで心配だな」

「どういうことだ?」とビル。

「そうだな、ヴェンデッタは黒のセットのように聞こえるな」

私にはビルの瞳が光るのが見えた。彼はその後、マジック・クリエイティブ・ディレクター(カード名、カードコンセプト、フレイバーテキスト等、マジックのフレイバー面の全責任者)であるブレイディ・ドマーマスに話しに行った。ビルはブレイディに、ヴェンデッタのストーリーについて尋ねた。メイン・キャラクターはチェイナーという名の狂気の召喚者で、彼は陰謀団のためにミラーリを使い、力を得るのだ。
(訳注:実際のストーリーとは若干違うようです。)

「じゃあ、もしヴェンデッタのストーリーを一文で要約するとしたら、」
ビルはブレイディに言った。
「それは黒がすげぇ力を手にする話ってことでいいのか?」


ビルはとっかかりを手に入れたのだ。ヴェンデッタは「黒のセット」となった。


皮肉なことに、ブランド・チームはヴェンデッタという名前は様々な理由からもはやふさわしくないと考え、数ヶ月ののちにセット名はトーメントに変更されることになった。


最後に重大発表

私は先週、諸君が将来のセットに入る実際のカードを創るチャンスがついに来たと話した。Magicthegathering.comを作るにあたって、我々は諸君が積極的に参加できるようなクールな特集を考えようとした。
ひとつのアイデアはOrb of insightだ。(そのときはHint-o-Maticと呼んでいた。)
もうひとつのアイデアは、このサイトの読者みんなと共に実際のマジックのカードを作ってゆくという特集だ。
それで、この新企画は“You Make the Card”(カードを作るのは君だ)と呼ばれ、今週の水曜日に封切られる。(そう、2日後だ。)
この企画は諸君にまたとない体験を与えるだけでなく、マジックのカードがいかにして作られるか、その全工程を知る助けにもなるだろう。Magicthegathering.comでは他にもクールな企画が用意されているが、水曜日にその第一弾に参加しようじゃないか。


次週は、R&Dはどうやって良いメカニズムを見つけているのかについてだ。(メカニズムと言っても、自動車についてじゃないぞ。)


そのときまで、君の初手がマリガンせずにすみますように。


マーク・ローズウォーター
“色の不均一”

オーケー、厳密には、R&Dは色のバランスがとれていないセットを少数作ってきた:

1.アルファ――《黒の防御円》がミスで入っていなかったので、白が他の色より1枚少なかった。

2.リバイズド――なんらかの理由によって、赤が他の色より1枚多く、緑が1枚少なかった。なぜか?私にははっきりした答えを得られなかったが、おそらくミスではなかったのだと思う。

3.ザ・ダーク――これは特殊な例だ。白と青はどちらも1枚多いが、残りの3色の組み合わせの多色カードが3枚ある。多色カードはその色の二分の一枚だとして数えるなら、セットのバランスは保たれている。

4.アングルード――このセットは完全に色のバランスを無視している。なぜか?リード・デザイナーいわく、「そういうものだったから」だ。
(訳注:アングルードのリード・デザイナーはマロー自身です。)


【マローコラム翻訳まとめ】まとめ
http://bluemen.diarynote.jp/201507011316246830/

他人様の翻訳をまとめてばかりでも何なので、自分でも訳してみようと思いました。

訳したのは公式サイトのマローコラムの一番はじめの記事です。
時期的にはトーメントのプレビューのころ。もう12年も前ですか。

正確にはその前の週にマローによるサイトの紹介があるのですが、そちらはマジックのデザインとは関係ないし、マロー自身も「One Hundred and Counting」にて「公式のMaking Magicコラムではない」と言っているので省かせてもらいます。

サイト紹介コラム「"In the Beginning..."」
http://archive.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/feature/1


翻訳ですが、自分は学生時代から英語はからっきしだったので誤訳もあるかと思います。あくまで参考までに。

以下から本文。

******

原文旧URL
http://archive.wizards.com/Magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/daily/mr2

原文新URL
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/nightmare-remember-2002-01-07

ナイトメアを忘れるな
――ガーフィールド式絞殺者の進化――

Mark Rosewater
2002年1月7日


先週はこのサイトについて紹介することに紙面を費やしたので、このコラムは私自身を紹介することから始めようと思う。(そんなこともう知ってるよ、という場合は、君が自分で喋ってくれ――お題はこれだ:ウルザとファイレクシア化されたビーブルの戦隊とが戦ったら、どちらが勝つか?)


私の名前はマーク・ローズウォーター。私は世界で最もクールな仕事のひとつに就いている。マジックのカードを作っているんだ。厳密にいえば、私は「ウィザーズ・オブ・ザ・コースト研究開発部門シニア・デザイナー」ということになるが、冗談みたいだろ?

私はマジックのカードを作って生活している。ここでは6年間働いていて、その前は1年半、ウィザーズのためにフリーランスの仕事をしていた。マジックのエキスパンションのためにカードをデザインしたのはアライアンスからで、リード・デザイナーをしたのはテンペスト、アングルード、ウルザズ・デスティニー、オデッセイだ。

私は今はまた、2003年秋の大型エキスパンション、コードネーム「ベーコン」(続くエキスパンションは「レタス」と「トマト」だ)のリード・デザイナーをしているんだ。

(訳注:「ベーコン」はミラディンの開発コードネーム)


私はローラという素晴らしい女性と結婚していて、レイチェルという21ヶ月のかわいい娘がいる。ウィザーズで働く前はハリウッドでテレビ・ライターとして働いていて、そして、そう、あの噂は本当だ:

私は「ロザンヌ」のライティング・スタッフだった。(その話のひとつに、彼女がウェイン・ニュートンに会う、というものがある――私がそれを書いたんだ。)

(訳注:「ロザンヌ」は1988年から1997年までアメリカで放送されたTV番組。ウェイン・ニュートンはアメリカの歌手兼俳優。)


私は毎週のこのコラムで、諸君にマジックのデザイン過程について学んでもらいたいと思っている。ランディ・ビューラーは毎週金曜日にマジックのデベロップについて話すだろう。

デザインとデベロップの違いとは何か?長い答えでいうならば、毎週の我々のコラムを読んでくれ、ということになる。短く答えるならこうだ:

マジックのカードを作ることには、明確に区別された2つの役割が存在している。第1の役割には、「我々は何ができるだろうか?」と考える人々がいる。それらの人々、デザイナーは箱の外側について考え、境界を破壊してこのゲームを拡張しようとしている。彼らの仕事はこのゲームを面白いものにすることだ。

第2の役割には、「我々は何をすべきでないのか?」と考える人々がいる。それらの人々、デベロッパーは彼らのすべての時間を使って、その「面白い」カードがゲームを破壊してしまわないよう、十分にバランスのとれた適切なコストのものにしようとしている。彼らの仕事はこのゲームを公平なものにすることだ。


これら2つの役割が分けられている理由は、それぞれが異なる働きをするからだ。デベロップ的視点に支配されたデザイナーは、当たり障りのないカードを作ってしまう。デザイン的思考にとりつかれたデベロッパーはブッ壊れた環境を許してしまう。どちらもこのゲームにとって良いことではないので、R&Dはこの2つを分けることにしたのだ。

このコラムは第1のグループについてのものであり、ランディの金曜日のコラム「Latest Development」は第2についてのものである。2つのコラムのコンビは諸君に、マジックがどう作られているかについて良い理解を与えることだろう。


ふう!導入はこれでよし。さてと、ようこそMagictheGathering.comのナイトメア週間へ。どういうことか説明しよう。およそ1ヶ月に2度、我々はテーマを決め、すべての執筆者にコラムを書く助けとなるクールな題材として提供する。今週のテーマはナイトメア、トーメントの新メカニズムだ。


ナイトメアは次のような能力を持つクリーチャーだ:

ナイトメアが場に出たとき、プレイヤー1人(大抵は対戦相手)は何らかのリソースを失う(ライフ、場のクリーチャー、手札のカード、etc)。ナイトメアが場を離れたとき、そのプレイヤーはそのリソースを取り戻す。下はそのサンプル・カードだ。
Soul Scourge / 魂の災い魔 (4)(黒)
クリーチャー — ナイトメア(Nightmare) ホラー(Horror)
飛行
魂の災い魔が戦場に出たとき、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは3点のライフを失う。
魂の災い魔が戦場を離れたとき、そのプレイヤーは3点のライフを得る。
3/2
ちなみに、火曜日(訳注:このコラムの次の日)のコラムを書くアンソニー・アロンジは私が諸君にこのカードを見せていることは知らない。シー!彼に言わないでくれよ。


私は「デザイン野郎」なので、このコラムを使って諸君にR&Dの世界への小旅行をしてもらおうと思う。
ナイトメアは来たれり!ライフを差し出せ!


メカニズムのはじまり

ナイトメア・メカニズムは、リチャード・ガーフィールドという名の若きゲーム・デザイナーの心に浮かんだアイデアから始まった。リチャードの名前に馴染みがないなら、彼のマジック歴を教えよう:

彼がマジックを作った!

それにとどまらず、リチャードはバイバック(テンペスト)、サイクリング(ウルザズ・サーガ)、スレッショルド(オデッセイ)など数々の新メカニズムを生み出した。私はテンペストのデザインでリチャードの働きにたいへん助けられたので、彼がオデッセイで働きたいと言ったときは嬉しかったね。


私はデザインの初期にはいつも、チームの全メンバーに、彼らが作った雑多なカードのアイデアを提出させる。2000年4月3日、リチャードは私に「マジック・デザイン・スクラップブック―RG」と題されたファイルをくれた。そこにはリチャードが数週間かけて生み出した沢山のカードたちが納められていた。

このリストの中には、のちにナイトメア・メカニズムの元となる(「strangling/絞殺」と呼ばれていた)カードの一群が含まれていた。カードは彼が作った順番で並べられていたので、諸君らにはその系列のカードの進化を辿ってもらおう。


最初は、白いクリーチャーの一群だった:
ライフ男 (白)
クリーチャー―Aide(助手)
ライフ男が場に出たときに4点のライフを得る。ライフ男が場を離れたときに4点のライフを失う。
1/1
ライフ騎士 (1)(白)(白)
クリーチャー―騎士
ライフ騎士が場に出たときに6点のライフを得る。ライフ騎士が場を離れたときに6点のライフを失う。
先制攻撃
2/2
ライフ天使 (3)(白)(白)
クリーチャー―天使
ライフ天使が場に出たときに12点のライフを得る。ライフ天使が場を離れたときに12点のライフを失う。
4/4

(訳注:天使なのに飛行がないのは原文通りです。)
このライフ・クリーチャーたちはシンプルなフレイバーを持っていた:召喚者に一時的な力を与えるのだ。これらのカードはメカニズム的にはアイス・エイジの《Illusion of Grandeur》のような初期の青いカードと同じような働きをしていた。それらの幻影呪文は、幻影が破られないかぎり召喚者に一時的なボーナスを与えるのだ。


黒への反転

リチャードによる次なる進化はわずかなものだ。ところで、リチャードは「鏡写し」呪文の大ファンだ――鏡写し呪文というのは2つの呪文が互いに対称となっているもののことだ。(リチャード最高のセットの1つと言えるアルファでは、例えば《白騎士》/《黒騎士》、《青霊破》/《赤霊破》、《死の掌握》/《生命の力》、などがある)。

そんなわけで、リチャードは黒にこの能力の鏡写しを作った:
デス男 (黒)
クリーチャー―Aide(助手)
デス男が場に出たときに4点のライフを失う。デス男が場を離れたときに4点のライフを得る。
2/2
デス騎士 (1)(黒)(黒)
クリーチャー―騎士
デス騎士が場に出たときに6点のライフを失う。デス騎士が場を離れたときに6点のライフを得る。
3/3
デス天使 (3)(黒)(黒)
クリーチャー―天使
デス天使が場に出たときに12点のライフを失う。デス天使が場を離れたときに12点のライフを得る。
6/5
ここから、リチャードは別のひねりを考え付いた。黒のクリーチャーたちは、あなたではなく対戦相手に何かを失わせるとしたらどうだろう?この思考過程が次の2枚のカードから読み取れる:
絞殺男 (黒)
クリーチャー―Aide(助手)
絞殺男が場に出たときに対戦相手は2点のライフを失う。絞殺男が場を離れたときに対戦相手は2点のライフを得る。
1/1
絞殺騎士 (1)(黒)(黒)
クリーチャー―騎士
絞殺騎士が場に出たときに対戦相手は3点のライフを失う。絞殺騎士が場を離れたときに対戦相手は3点のライフを得る。
先制攻撃
2/2
リチャードとオデッセイのデザイン・チームは、早期にこの絞殺メカニズムがとても楽しいものだと判断した。


付け加えておくと、私はよくこのようにデザインの過程を紹介するのが好きだ。印刷された多くのカードやメカニズムは、それ以前の雑多なアイデアから進化してきたものなのだ。最悪のカードがベストなアイデアの踏み台となることだってある。


オデッセイのデザイン・チームは、デザイン・ファイルのための多くのカードの作成に取り掛かった。手始めにコモンのクリーチャー1枚、アンコモンのクリーチャー1枚、レアのクリーチャー1枚を作った。その後、コモンの飛行クリーチャーを1枚加えた。

絞殺クリーチャーの作成において、我々は3つのことをした。
第1に、失うライフはそのクリーチャーのパワーと同じにした。これは半分はフレイバーのためで、もう半分はプレイヤーたちが失うライフを覚えやすくするためだ。
第2に、失うライフは2点から8点の間にした。
第3に、リチャードの元のコストは安すぎることが証明されたので、デザイン・チームはクリーチャーのマナ・コストを変更した。


ここにあるのが、オデッセイのデザイン中に変更されたクリーチャーたちだ。(セットがまだ「Argon」と呼ばれていたときのものだ。)
絞殺インプ (4)(黒)
クリーチャー―インプ (コモン)
飛行
CARDNAMEが場に出たとき、対象の対戦相手1人は2点のライフを失う。
CARDNAMEが場を離れたとき、対象の対戦相手1人は2点のライフを得る。
2/2
絞殺グール (5)(黒)
クリーチャー―ゾンビ (コモン)
CARDNAMEが場に出たとき、対象の対戦相手1人は3点のライフを失う。
CARDNAMEが場を離れたとき、対象の対戦相手1人は3点のライフを得る。
3/3
ゾンビ剣士 (5)(黒)
クリーチャー―ゾンビ・兵士 (アンコモン)
先制攻撃
CARDNAMEが場に出たとき、対象の対戦相手1人は4点のライフを失う。
CARDNAMEが場を離れたとき、対象の対戦相手1人は4点のライフを得る。
4/2
狂ったデーモン (5)(黒)(黒)(黒)
クリーチャー―ホラー (レア)
トランプル
あなたのアップキープの開始時、あなたの墓地のカードを4枚取り除くか、CARDNAMEを生け贄に捧げる。
CARDNAMEが場に出たとき、対象の対戦相手1人は8点のライフを失う。
CARDNAMEが場を離れたとき、対象の対戦相手1人は8点のライフを得る。
8/8
これらのカードをプレイすればするほど、チームはこのナイトメア・メカニズムが楽しいものだと感じるようになった。そこでチームは、これを拡大したカードをデザインし始めた。ライフの締め付けが面白いのなら、クリーチャーとか手札のカードとかが面白くないわけがないだろ?


元々の計画はオデッセイにライフの絞殺を、その後でトーメントにクリーチャーや手札の絞殺を入れるというものだった。他のタイプの絞殺はジャッジメントに入れるのだ。だが、その後オデッセイはデベロップに回った。


居場所を見つける

オデッセイのチームは数多くのメカニズムをこのセットに詰め込んでいて、一つ一つを味わうことができないほどだった。枝葉を刈り取る過程で、ナイトメア・メカニズムは取り除かれた。

トーメントのデザイン中に、リード・デザイナーのビル・ローズはナイトメアが黒重視のセットにおける完璧なメカニズムだと考えた。彼はデザイン・チームのアイデアすべてと、彼自身のもの数枚をトーメントのデザインに加えたのだった。こうして諸君らはナイトメア・メカニズムを楽しめることになったのだ。


これが今回のコラムのすべてだ。今週は各コラムでそれぞれナイトメアについて書かれるので、期待していてくれ。数枚のカード・プレビューがあるだけでなく、数々のクールなナイトメアの使い方を知ることができるだろう。


次週:なぜトーメントは黒くなったのか、そいて待望の、諸君がマジックのカードを作る方法の詳細だ。

【マローコラム翻訳まとめ】まとめ
http://bluemen.diarynote.jp/201507011316246830/

ゲートクラッシュにワンチャン、進化メカニズム入るかなーと思ってたらホントに来るようで!胸熱!
グルールかと思ったらシミックですよ。まあ進化と言ったらそうか。

てなわけでこれは翻訳いそがねばなるまい。とりあえずできてるところまで・・・
中編、後編くらいの分け方になりそうだけど、続きはいつになるかわかりません。
(・・・公式やってくれてもいいのよ?)

原文↓
http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/120a

本戦の各段階へのリンクはここが便利↓
http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/feature/133

今回のお題は、Episode2とは別の色のコモン18枚のデザインです。

今回のコメンテーター
・マーク・ゴットリーブ(MG) 元ルール・マネージャー。今はフルタイムのデベロッパー。
・ザック・ヒル(ZH) デベロッパー。長らく「Latest Development」記事のライターだったが、現在はウィザーズを去る。
・ケン・ネーグル(KEN) 神ジェイスと石鍛冶つくった人。
・マーク・ローズウォーター(MR) 泥穴つくった人。

そういえば、Episode1後編の、ケンさんのコメントにルール上の間違いがあったので注をつけておきました。やっぱり能力を失わせるというのは良くないね。
http://bluemen.diarynote.jp/201210250039222794/

以下本文
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Episode3:Second Time’s the Charm
Ethan Fleischer

エポリス(Epolith)

数世紀が数時間で過ぎ去る世界、生き残れるのは適応した者だけ!
MR:今週、私は皆に、彼らのログラインをポスターのロゴ下の宣伝文句に変えさせた。
きみのログラインはキャッチーで、面白い言葉遊びがある。(訳注:どこがどう言葉遊びになっているかは分かりませんでした!)
また、これはきみの時間テーマとこのセットが進化についてのものだということを伝えてもいる。
全くもって、グッジョブだ。
CU01
のろまな翼竜/Lazy Pterosaur U
クリーチャー―鳥・トカゲ
1/1
1U:CARDNAMEはターン終了時まで+1/+0の修整を受けるとともに飛行を得る。この能力は1ターンに1度しか起動できない。
KEN:面白いクリーチャーだ。いいコスト設定だ。これはこのエピソードでのマイフェイバリット・カードだ。

MG:キュートだ。プレイヤーが彼らの翼竜が飛ぶことを覚えるのを助けるというのは、進化を示すいい方法だ。それは《ドレイクの雛/Drake Hatchling(MMQ)》みたいな、他のフレイバーに満ちた「成長」クリーチャーたちを思い出させるね。

ZH:ルートワラ型の能力は、きみの「発達」メカニズム(訳注:下記参照)と調和しないだろう;実際、このようなマナ消費はプレイヤーたちに一度に複数の呪文を唱えることをためらわせる。
与えられたターンにクリーチャーを強化することを選ばせるのは間違った種類の選択だ。なぜなら、きみは相反する選択をプレイヤーたちの前に公然と投げかけているからだ。

MR:今週の提出物で本当に楽しんだことは、どれだけの研究を見ることができるかということだ。
きみは主題について学ぶ時間をとり、先史時代の世界を構築することに決めた。その研究が示したことは、きみのセットに本当のつながりを与える助けになったことだろう。
例えば、このカードは忘れられてしまうような小さな青いクリーチャーにもなりえたが、代わりにそれはきみのテーマを補強しフレイバーに満ちたカードになった。グッジョブだ。

ところで、プレイテストをしてみると、面白いことにザックの主張が証明された。私は発達クリーチャーをパンプするために追加の呪文をプレイしようとしていたので、<のろまな翼竜>で攻撃せずにいたのだ。
CU02
原始の道具作り師/Primitive Tool-maker 1U
クリーチャー―マーフォーク・魚・工匠
1/2
CARDNAMEが戦場に出たとき、あなたのライブラリーのカードを上から5枚見る。あなたはそれらの中からアーティファクト・カードを1枚公開し、それをあなたの手札に加えてもよい。残りのあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
KEN:このミニ《石鍛冶の神秘家》を見たので、このセットのアーティファクト・スロットを楽しみにしている。

MG:これは《フェアリーの機械論者》だが、よりアーティファクトを強調し、クリーチャー性能は強調されていない。原始的な工匠としてのフレイバーに満ちているし、青のカラー・パイ上の役割にもよく合っている。

ZH:クールだ。私はこれが好きだが、しかし「マーフォーク・魚」というのがよくわからないな。もしきみが、魚を「プロト・マーフォーク」へ初期進化させようとしているなら――うん、かなり良い!
だが、合計9枚のクリーチャーのうち3枚が1Uだというのは適切ではなく、そしてこのクリーチャーはたぶん、統計と数に関しては一番柔軟だろう。

MR:このカードは、きみが今週行ったことの、もう一つの例示だ。
先週、私はきみがなぜ普通より多くのアーティファクトを使いたいのかと質問し、そして今週、きみはそのことについてコメントで説明した(訳注:後編参照)。装備品のサブ・テーマを持つことは、道具が次第に発達していくことを示すことができるという働きをするかもしれない。
きみが対処しなければならなくなる問題は、この第一セットにどれくらいの人型生物を必要とするのかということだ。

きみは恐竜と原始人がいっしょにいる世界を望んでいるように思え、それは実際の地球とは違う一方で、たしかにポップ・カルチャーからよく支持されている(それは私にとっては、人々がそれを受け入れるのに何の問題もないということを意味する)。きみが考え抜かなければならないのは、これら2つの要素がどうのように互いに相互作用するのかということだ。恐竜と原始人は、お互いに対してどんな役割を果たすのか?

また、このカードがリミテッドでは、より幅広くアーティファクトにアクセスできる構築とはまた違ってプレイされるだろうということが好きだね。(たぶん、装備品を得られるだけだろう――少なくとも、低いレアリティでは。)
CU03
霊気嵐の始祖鳥/AEtherstorm Archaeopteryx 1U
クリーチャー―鳥・トカゲ
1/1
飛行
発達(Develop)―あなたが呪文を唱えるたび、それがこのターンにあなたが唱えた2つ目の呪文である場合、あなたはCARDNAMEの上に+1/+1カウンターを1個置いてもよい。
KEN:より簡単なトリガーは、毎ターン最初の呪文だけを唱えることだろう。それは呪文の唱え方において「私のターンに1つのソーサリー/きみのターンに1つのインスタント」方式を推奨させる。
この2つ目の呪文バージョンは、その報酬をより良くできるくらいに、トリガーさせるのが難しいものだ。これは《のぞき見》や他の安いキャントリップを推奨している。私はこのセットの他の場所に《矢のごときマーフォーク/Darting Merfolk(MMQ)》か《臆病なドレイク/Timid Drake(MMQ)》を探すだろうね。

MG:うっとりするね。私は緑の、より大きいクリーチャーが現れたときに+1/+1カウンターを乗せる「進化」能力が本当に好きなんだ;それは非常にフレイバー的で(小さなクリーチャーは淘汰されないように順応し、より大きいクリーチャーを真似て大きくなる方法を学ぶ)、いいゲームプレイを生み出す(やあ子供たち―ファッティをプレイすればきみのクリーチャーたちがデカくなるよ!)。
この実装例は、それが学習とテクノロジー(呪文を唱えることから、そう見受けられる)によって青が進化するという感じを出しているので、私には同じくらいに良い。それがプレイヤーたちに、1ターンに2つ貯まるまで呪文を唱えないのを推奨してしまっているのかもしれないので、そのトリガーの詳細については自信がないな。それはプレイテストで明らかになることだろう。今のところ、君の考えは好ましい。

私が混乱するのは、純粋にパッケージングのことだ。進化メカニズムに5つの異なるトリガー条件を選ぶのは、おそらく良い選択で、また1つの一貫した効果を選ぶのもまた良い選択だろう(少なくとも第一セットにおいては。)
だが、それらの能力に5つの異なる単語(それぞれが「進化」の同義語だ)を当てるのは、すぐに古くさくなってしまうだろう。能力語はプレイヤーたちがカードを覚えるのを助ける(同様に、それらについて話すのを簡単にする)ものだが、同義語を使うのはプレイヤーたちの思考を分割せず、そして翻訳において深刻な問題を引き起こすかもしれない。
これはクリエイティブ・チームがなんとかできる問題ではあるが、しかしきみがそれに取り組むのが活発的であるほど、きみのデザインの展望がはっきり見えてくるだろう。
色ごとに変わるパラメーターを持つ、一貫した単語を使ってはどうかな、緑は「発達(ストレングス)」、青は「発達(テクノロジー)」、とかね。

ZH:最初に発達を読んだとき、私はより進歩した生物形態に「進化」していた次元の「自然な」軍団と、加速した進化に対処するために科学的に彼らの社会を「発達させていた」その同じ次元の知恵を持つクリーチャーとの対立を想像した。だが、恐竜も発達を持ち、それは進化と同じことをしている。それじゃあなぜそれを進化と呼ばないんだ?

MR:オーケー、発達だ。その単語について話すことから始めよう(みんなそうしている)。
発達は進化の青のバージョンだ。実際のところ、もっといい単語があると思う:進化だ。1つの効果を異なる5つの色で使いたいと我々が思い、そしてプレイヤーたちに異なる5つの単語を学ばせようとするとは思えない。マーク(ゴットリーブ)が指摘するとおり、プレイヤーたちにこのセットにはクリーチャーが+1/+1カウンターを得る能力語があり、それそれの色は独自のトリガーを持つのだと教えることは、非常に簡単なことだ。
心理的な学習問題だけでなく、単語保存の問題もある。進化を意味する単語を使い果たしてしまうことは、我々が数年後にそれらの単語を必要とするメカニズムを作ることを、非常に困難にしてしまうだろう。進化することは、マジックの普遍的なテーマなのだから。

では、きみのトリガーについて話そう。2つの呪文を唱えることにはいくつかの制限がある。最大のものは、早期にそれをするのが非常に難しいことだ。ゲームの中盤まで起きない進化トリガーを、きみは求めていないんじゃないかと心配だ。もしこのトリガーを残すなら、通常より少々多くトリガーを起こさせるように、特に青において呪文の点数で見たマナ・コストを下げるようにそれは要求し、きみのセットを明確に捻じ曲がったものにしてしまうだろう。そして、きみは今週の提出で確かにそれを行った。もしいくつかの色が遅いゲームの進化トリガーを持つなら、私はこのトリガーに反対だ。私も、それが青の良いフレイバーを持っていることには同意する。それが、一見して分かるよりももっときみのデザインを形作るんだということを、私は指摘したいんだ。
CU04
肺魚/Lungfish 1U
クリーチャー―魚
2/3
CARDNAMEは、防御プレイヤーが島をコントロールしていないかぎり攻撃できない。
あなたが飛行を持たないクリーチャー呪文を唱えるたび、あなたはCADENAMEを生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、そのクリーチャーは+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。
KEN:プレイテスト中、私は「飛行を持たない」の箇所を見逃していた。それには、魚は陸地で―トカゲか何かに進化するという正当なフレイバーがある。
私はそれをちっちゃな貪食のようにプレイし、そして飛ぶ鳥は確かに魚を好んで食べるんだ。いずれにしろ、余り攻撃できなかったクリーチャーを貪食するのはいいことだ。たぶんこの流れにはまだ対となるカードがあるのか?
おいしい卵/Delicious Egg W
クリーチャー―卵
0/2
あなたがクリーチャー呪文を唱えたとき、あなたはCARDNAMEを生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、そのクリーチャーは+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。
(訳注:ケンさんが勝手に想像したカード)
MG:これは私には、非常にアンコモンに感じられる。またコストが安いように感じる。これは青の2マナの強力なブロッカーであり、加えて攻撃することもでき、加えて風変わりな第二の利点能力を持っている。

このトリガーは、誘発型能力よりもむしろ選択式の追加コストにするのが良いかもしれない:「飛行を持たないクリーチャー呪文を唱えるための追加のコストとして、あなたはCARDNAMEを生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、そのクリーチャーは追加の+1/+1カウンターが2個置かれた状態で戦場に出る。」

ZH:私はこれがなぜ「飛行を持たない」と書いてあるか理解できることは認めるが、しかし私はそうしない。私はこのアイデアが、陸上での生活に適応できるような生物形態になった魚であると思う?それはすばらしいが、しかし海から空へというのは馬鹿げた進化の形ではないし、そして、きみはこのクリーチャーがしていることを、テキストの余計な行なしで伝えることができるんだ。ありきたりなクリーチャーのための、素敵な複雑さだな。

MR:私がこのカードのフレイバーを愛していると言うことから始めよう。私はきみに、メカニズム的に進化マターを作ることを課し、そしてきみはその課題を喜んで受け入れた。このファイルの後にこのメカニズムの別バージョンが見られるように、それは明らかに、単一のものではなくむしろ、きみが探索しているメカニズム・テーマだ。
私の懸念は3つだ。
一つ目は、コストとしてクリーチャーを生け贄に捧げるカードは、ある種のプレイヤーたちには好まれない傾向にあるということだ。貪食の存在は、クリーチャーを生け贄に捧げる気の無い人々がいるとしても、我々が時々はそういったものを作ることを示している。このミニ・テーマが充分小さい為に、それを無視したいプレイヤーたちがそうできることを私は確かめた。

二つ目は、なぜきみが「飛行を持たない」の制限を必要とするのか分からないことだ。それが単にフレイバーのためだけならば(そのように見える)、私はそれが必要かどうか考えるだろう。思うにそれは、私が望むようなフレイバー的な見返りなしに、少々の複雑さを加えてしまっている。もし肺魚が小さなフライヤーに変化したとしても、進化のフレイバーを得られるだろう。
三つ目は、このミニ・テーマがどのようにこのセットでプレイされ、このブロックでプレイされるのかについて、私は知りたいってことだ。それと関係するメカニズム的方法はあるが、しかし青のコモンにおいてそれは完全には感じられなかった。
最後に、これとその仲間をアンコモンに移すというゴットリーブのアドバイスは、間違った考えじゃないと思うね。
CU05
嵐を呼ぶもの/Tempest Caller 2U
クリーチャー―マーフォーク・魚・シャーマン
2/2
CARDNAMEが戦場に出たとき、土地1つを対象とし、それに洪水カウンターを1個置く。その土地は、その上に洪水カウンターが置かれている限り、その他のタイプに加えて島でもある。
KEN:我々はローウィンの「マーフォークが土地を濡らして島に変える」メカニズムを取り戻した。<肺魚>とコンボすると、きみに4/4が1体か、2/2と2/3かを選ばせるんだな。

MG:きみはなぜこれがやりたいんだ?この能力は、きみがカラー・パイの寄せ集めから引き出したみたいに、単に青にできることだからというだけでこのカードに乗せられたように感じる。このセットの青のコモンには、土地を島に変える2枚のカードがあるが、それでも実際に島を参照するカードは1枚(CU04)しかない。
例を挙げると、ローウィンでは土地を島に変えるカードが2枚あり(《水大工の意思》と《川床の水大工》だ)、島を参照するコモンは3枚あった―そのうちの1枚は《川床の水大工》自身だ。ローウィンではまた、2枚のアンコモンと1枚のレアが島を参照していた。このカードは、ブロック固有のカウンターをごくわずかな目的の為に導入しているんだ。

ZH:前述のクリーチャーとの相互作用は好きだし、より高いレアリティにも同様にこれを上手く参照するリバイアサン的なクリーチャーがいるのだろう。良いカードだ。

MR:フレイバー―良い感じだ。メカニズム―少々混乱する。
私はカウンターが好きだが、我々はコモンにおいてはそれらに非常に気を使わなければならないということがわかったんだ。固有のカウンターを作るカードたちは、私を緊張させる。
めったにカウンターを持つことがないパーマネント・タイプ(訳注:土地)に限定したことは賢いが、しかしきみはまた最も動きのあるパーマネント・タイプを選んだんだ。このセットの他の「泳ぐ」クリーチャーとそれの関係の仕方が、私は好きだね。

大きな質問は:これは重要なものなのか?私は前回、デザイナーはコモンに使えるいくらかの「複雑さポイント」を持っているのだと説明した。このカードは、きみがそれを支払いたいと思ったものなのか?答えが「いいえ」だとは思わないが、少々疑わしいね。
最悪でも、きみはコモンにエンチャント(土地)を作って、このカードをアンコモンに移すことができる。きみが理解する必要があるのは、重要なのはきみの「泳ぐ」ミニ・テーマなのだということだ。

(前編の続き)

CG11
古竜脚類/Prosauropod 3GG
クリーチャー―トカゲ
4/4
進化――土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、CADENAMEの上に+1/+1カウンターを1個置く。
CADENAMEは、その上に+1/+1カウンターが置かれているかぎりトランプルを持つ。
KEN:このトランプル能力が追加の文章を持つのは、実質的に意味がない。
トランプルは攻撃時にのみ機能する。これが最初に攻撃するよりも先に、きみは土地を置くだろう。
土地を1つ置くだけで、残りのゲームの間それは変身する(訳注:トランプルを得る)。それをただ「トランプル」とも書けるのに「CADENAMEは、その上に+1/+1カウンターが置かれているかぎりトランプルを持つ。」とするのは本当に価値があるのか?私はそうは思わない。
私は、トランプルは必要ないと思う。
《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudue(RAV)》能力を持つ5ドロップ(訳注:5マナ)の4/4コモンは、それ以上を必要としない。

MT:このカードは他の能力語(上陸)に抵触しています。
能力語を使えば、これは面白いが、しかし我々は他のキーワードがやっている能力を記述することを避けている。例えばR&Dは、武士道のルール・テキストを持ち、しかし武士道を持たないクリーチャーを印刷するかどうか議論している。

MR:きみは欲張りになっている。
新人デザイナーが、我々の伝統より多くのクリーチャーを作る傾向にある理由は2つだ。
第一に、人々がクリーチャーのゲームに占める割合を誤って高く認識していること。(そしてR&Dは過去数年で、この割合を少し下げた。)
第二に、緑のコモン・クリーチャーは緑のコモンの呪文よりもデザインするのが簡単だからだ。

他で問題に思うのは、このカードの進化メカニズムについてだ。
これが緑のコモンの4枚目の進化クリーチャーであるという事実から始めよう。
多すぎる。上で言ったとおり、通常は1枚か2枚だ。もしセットが本当にこれを必要としているとしても、おそらく3枚だ。しかし、4枚目が現れた。
きみはすでに、あまりに多くのクリーチャーを持っているので、少なくともそれは何を抜き取るべきかという簡単な決断だ。

他の問題は、この誘発条件だ。
上で説明した通り、私は進化にクリーチャーごとに異なる誘発条件を持たせること(特に、同じ色のコモンで)には反対だ。なんというか、この誘発条件は私には「進化」って感じがしないんだ。
私もケンの、トランプル能力は不必要だというのに同意する。
CG12
メガロザウルス/Megalosaurus 4GG
クリーチャー―トカゲ
7/4
KEN:うあああ!
だが、パワー7はコモンのクリーチャーにとってはどんなコストでも大きすぎるパワーだ。
テーマのためにあるなら好きだが。デカい恐竜の存在が一般的であると主張できる。
なんというか、これらの恐竜たちはムラガンダの次元にふさわしいと感じるんだがね。

MR:これが12枚目のコモンのクリーチャーだということを除けば、私はこのカードが好きだ。
我々は多くの色のコモンにバニラ・クリーチャーを入れようとしているので、きみがセットのために実に味わい深くそれを行う方法を見つけたことが嬉しい。
CG13
自然の犠牲/Nature’s Sacrifice G
インスタント
アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。そのコントローラーは自分がコントロールするクリーチャー1体の上に+1/+1カウンターを1個置いてもよい。
KEN:これはヴィンテージにおける《自然の要求/Nature’s Claim(WWK)》の相互互換としてデザインされているように見える。
ビートが、苦手なクリーチャーレス・デッキに対して優位に立てるように。
A tension card, but you haven’t used up all your tension points yet.
(tension card・・・?なんだそれは)

MT:このカードが、+1/+1カウンターを得るクリーチャーを対象としないのは面白い。これは意図的にそうしたのかな?
一部のプレイヤーは、この呪文の解決中にクリーチャーを選ぶのにきみがレスポンスできてしまうと間違って思ってしまうかもしれない。

MR:私はこれを「熱い接着銃デザイン」と称したい。
私には自分のセットに関連したいくつかの効果がある。
私には盛り込まなければならない基本的な効果がある。
接着銃を抜け。
このデザインが私にさらなる接着銃を感じさせる理由は、この2つの能力がつながっていると感じられないことだ。なぜコントローラーのアーティファクトが破壊されたとき、クリーチャーが大きくなるのか?

第二に、我々は基本的な効果に否定的な欠点を行わせることに慎重になる傾向がある。多くのプレイヤーは、1マナの節約に対戦相手の最強のクリーチャーをより良くするだけの価値があるとは分からないものだ。
要するに、それは誰もプレイしたがらないカードになる。
きみが本当にこの2つの効果を結び付けなければならないのなら(そしてヒントだが、きみはそうじゃない)、きみ自身のクリーチャーをブーストする、少しばかり高価な《帰化》がその役目を果たすだろう。
CG14
選択圧/Selection Pressure 1G
インスタント
クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを2個置く。
KEN:これはコンバット・トリックとして総合的にすばらしい。
人々はこれを2Gでもドラフトするだろうか?すると思うね。

MR:これは、緑が欲している+1/+1カウンターを得る基本的な効果として非常に良い。
CG15
強固な殻/Heavy Shell 1G
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
あなたはCADENAMEのマナ・コストを支払う代わりに、CADENAMEの対象から+1/+1カウンターを1個取り除いてもよい。
エンチャントされたクリーチャーは、あなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象にならない。
1G:エンチャントされたクリーチャーを再生する。
KEN:私はこのコスト軽減を手にしないだろう。きみはきみの手下をまず弱くして、次に良くする。
たぶんこの方が好まれるだろう:「CADENAMEを唱えるためのコストは、それが対象とするクリーチャーに置かれている+1/+1カウンター1個につき1少なくなる。」

私は私のセットの《梢の覆い/Canopy Cover(WWK)》が好きだが(訳注:ケン・ネーグルはワールドウェイクのデザイン・リーダー)、《トロールの苦行者》の抱擁はコモンじゃない。

MT:そして我々は、働かない初めてのカードを手にした。おめでとう!
呪文の最終的なコストの支払いを選ぶのは、対象を選ぶ前に起こる。ゲームは、対象の上に+1/+1カウンターがあるかどうか、それが必要とするときまで分からない。
きみはきみのコントロールするクリーチャー(別に対象じゃなくてもいい)から+1/+1カウンターを取り除くことはできる。
そうすることでフレイバーに合うのを取るか、取らないか。
僕は知らないけどね。( ∀<)ノ

MR:このレッスンについてはこの前話したが、それは繰り返すほどに重要なものだ。
「単純な効果の兼ね合いはより複雑になる」
このオーラは代替コストを持ち、それは少々クセのあるものだ。これは、このオーラの効果は可能な限りシンプルにしなければならないことを意味する。
きみは「トロール被覆」(R&Dでのニックネームだ)か再生か、どちらかを選べるが、このカードはその両方は必要としていない。
実際のところ、私はその両方とも興味を惹かれず、無料でプレイするためにクリーチャーのサイズを下げるだけの価値がある何かを見たいね。
また、コストが1Gだけでは、代価コストが魅力的にならない。

きみがコモンで使える多くの、とても大事な「複雑さポイント」を、このカードは使い果たしてしまう。これには、それだけの価値があるか?
私はこのカードがプレイされないんじゃないかと心配だ。言うまでもなく、コモンの輝く宝石であってくれ。
きみが+1/+1カウンターを支払う効果を求めているのはわかるが、このカードは混乱するし、一枚の緑のコモンがやる事としてはあまりきれいじゃない。
CG16
原初の霧/Primordial Fog 2G
インスタント
このターンに与えられる戦闘ダメージをすべて軽減する。
あなたのコントロールするクリーチャーの上に置かれている+1/+1カウンター1個につき、1点のライフを得る。
KEN:セットのテーマを形作る、非常に明確なメカニズム・カードだ。我々もそうする。

MR:きみはまた接着銃を使ったようだ。
ライフゲインが《濃霧》効果に接続されているのが見えるが、+1/+1カウンターが少々強引なように感じられる。
私なら+1/+1カウンター参照を削るか、《濃霧》を削るね。
CG17
収集/Gather 2G
ソーサリー
あなたのライブラリーから基本土地を1枚探し、それをタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
あなたはあなたのコントロールするクリーチャー1体の上に+1/+1カウンターを1個置いてもよい。
KEN:面白い。《ルーン爪の熊》と《殴打蔦の葛》両方に貢献するんだな。
だが、ここで+1/+1カウンターの効果を使うってことは、代わりにクールな《戦闘の成長/Battlegrowth(MRD)》系のインスタント・コンバット・トリックが作れなくなるってことだ。

MT:<自然の犠牲>と違って、このカードはまったく対象を取らず、少々不自然だ。
対象を取ることの欠点は、一部のプレイヤーはきみが土地サーチを防ぐ為にクリーチャーを破壊することができると思っていないかもしれないってことだ。
もちろん、一部のプレイヤーはまた+1/+1カウンターを得るクリーチャーを選ぶのにきみがレスポンスできると思ってしまうだろうさ。

MR:接着銃カード、その3だ。
その各々では、きみが同じ要素――+1/+1カウンターを盛り込もうとしていることに注意して欲しい。
それがきみのテーマの重要な部分だと理解しているが、しかしきみはあまりに強引にそれを行っている。

例えば、きみの18枚のカード中、何枚が+1/+1カウンターを扱っているのか?
18枚中、10枚だ。50%を超えている。多すぎるんだ。

その上、そうするためにきみは強制的で不自然だと感じられるようなカードを作っている。CG14は、私がそれを正しく行っていると感じた唯一のカードだ。+1/+1カウンターは自然な感じがして、雰囲気が出る。
他の成功点は進化クリーチャーだ(きみが進化をクリンナップするならば。)クリーチャーの成長は、正しく感じられる。

これはまた、緑のコモンで2枚目の土地をフェッチしてくるカードだ。通常、我々が1つのセットに2枚入れようとするとき、異なるレアリティに入れる。
CG18
毒腺/Venom Glands 3G
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
瞬速
あなたはCADENAMEのマナ・コストを支払う代わりに、CADENAMEの対象から+1/+1カウンターを2個取り除いてもよい。
エンチャントされたクリーチャーは接死を持つ。
KEN:きみのクリーチャーに-2/-2と接死をつけるのは、誰にとっても悪く見えるだろう。
ここにはいらいらすることが2つある:
ゲームプレイにおいて、きみがプレイできるカードを見極めることそれ自体が一つのゲームだ。私は、プレイヤーたちが《木立を歩むもの/Walker of the Grove(MOR)》のようなカードを手札に抱えたまま、唱えることができるのに下のテキスト(想起)を見逃して何もしないでいる場面を見てきた。
ゲームは、きみがいつでも唱えることのできるカードを、タイプ行の「インスタント」で特定しているが、しかしこのカードはその中間に「瞬速」を埋没させている。
コモンでこれらのタイミング・ルールをいつでも破るというのは、プレイヤーたちに手札のすべてのカードを理解させることを強制するということだ。

+1/+1カウンター・マター(+1/+1を与えるのよりも多くの)、進化のテーマ、そして怪物たちを強く作りたいということはわかったが、しかし私はコスト軽減のためにきみ自身のクリーチャーを縮小するメカニズムよりは、違うものを見たいね。

MT:CG15のコメントを見てね。

MR:このカードはCG15よりはきれいだが、しかしまだ困難に値するだけの価値がないのではないかと心配だ。
私はその交換には価値があるというシナリオを見るが、しかしこれは術者に、利益を得るために彼らのクリーチャーにとって悪いことをさせるのを要求している。
きみは、より多くの「すべて利点」なカードを探す必要がある。
コメント:
進化メカニズムは、エポリスの住人が彼らの環境で状況に応じてどんどん発達していくことを表しています。
この向上は、緑の専門である生物学的進化、または他のタイプの改善(例えば、新しい武器の発明やよりよい食糧生産方の採用)などがありえます。
各色は、+1/+1カウンターを生み出すための、自身固有の誘発条件を持っています。
メカニズム的には、これらのカウンターは専門分化のためのリソースとして費やされます。
このブロックの第二セットでは、商工路による技術革新の普及は、ある種の有益な効果のために対戦相手のクリーチャーにカウンターを与えることも見られるようになり、最終セットでは資源の不足が、+1/+1カウンターをめぐっての帝国主義と戦争のゼロサム・ゲームへとつながることになります。

誰もが、人間たちの前にエルフが進化したということを知っていますが、確かな証拠はありませんでした、これまでは!
原始的な石器こそ使いますが、エポリスのエルフ達は他のマジックのセットにおける彼らとほとんど変わりありません。
白の人間たちの同盟は、しかし完全に原始的です。(「クリーチャー―類人猿・人間」なのです。)
進化メカニズムは、少なくとも緑においては、一般的なマナ・ランプ・デッキに入るでしょうし、私はデッキビルダーたちにはより多くのアーキタイプを与えたいと思ったので、かれらがそうすることができるよう、数で圧倒し魔法で強化できる小粒の亜人間たちを用いた緑白のトークン・デッキを想定しました。

アーティファクト除去が多いのは、このセットは通常より多くのアーティファクトを含む予定だからです。
KEN:要約すると、クリーチャーが成長する(そして明確にデカいクリーチャー)という面白い緑のテーマがあった。
デカい恐竜がいた。
(とてもいい)コンバット・トリックがあった。
もしきみが君自身の手下を縮小するというのをより良く作り直すなら、この提出された世界はより強固になるだろう。
それに、この提出案はマイフェイバリット・カード:<洞窟熊>を含んでる。

ハイライト:<洞窟熊>
ロウライト:<毒腺>

AF:ここに上がっていた多くのものは、私に訴えかけた。
進化メカニズムと、実に優雅な恐竜たち(7/4バニラ、<のろまな竜脚類>、4/3瞬速のラプトル)の組は、私にフレイバーを感じさせた。
<エオヒップス>、<洞窟熊>、<跳躍するなんとか>と順にドローするという夢は、実にクールだ。
進化の他のできばえは、しかし、その楽しみを減らしてしまった。
それらを読んだ後でさえ、私の脳はそれら全部が同様に動いて欲しいと思ったし、それに私自身のカードがいつ起動したか起動しなかったか、対戦相手によって気付かされるということがあった。
私は、進化はプレイヤーが理解しやすく、デッキ構築の道筋となれるように、色ごとに複数ではなく1つの誘発条件を持つのが理想的だと思う。

+1/+1カウンターをたくさん使うのは、私にはリソース管理の問題のように感じられた。
きみが専門分化に挑戦しようとしたことは分かったが、しかしそれは、カウンターを消費するよりは、1ターン待ってでも再生可能なリソース(マナ)を支払った方が良いように思えた。
分化を示す、他のいらいらしない方法を見たいと思う。
ストロングホールドのスパイクたちを見てくれたまえ。

同様に、私のクリーチャーにカウンターを置く呪文は、テーマを無理に押し込んでいるようで、カードに不可欠な部分だと感じられない。
きみが《食餌の衝動/Urge to Feed(WWK)》のような、それを自然に行えるものにするならば、フレイバーを充分に満たせるだろう。
フレイバーに合った少しのカウンターを与えるカードが、セットをより良いものにするだろうと思う。

全体としては、きみの緑のカードは多くの同じような雰囲気を与えたが、それは面白く、印象深いもので、私は他の色でもこのセットの適切な深みと感触を得られるような、また違った雰囲気を与えられるだろうと想像できた。
次も見たいと思う!

MT:Ethan、きみのカードはなかなか分別があるほうだ:それらは多くの境界を押すことはなく、より高いレアリティになる運命も感じさせない。
きみが陥ったルール上の問題点は明確で、一見簡単に特定できた。
テンプレート作業が必要なものもあるが、克服できないものはない。

MR:Ethan、きみが前回のコメントを聞き、それを実際に適用したことは明白だ。
前回には無かった進化のテーマが、ここにはある。
それは少々不器用で、量が多すぎる(特に+1/+1カウンター)が、きちんとしたアイデアの始まりを見せてくれた。次に見たいのは、ここで示された要素が大きなセットにどう結びつくかだ。
私はきみが+1/+1カウンターを使っているのを見たが、しかし大きな絵がどうなるのか、明確な構想をまだ得られていない。

また、きみのテーマは、いくつかの異なるレベルで実行されなければならない。もしきみがすべてのメカニズムをテーマに合わせようとしたら、それは一つ覚えですぐに面白くなくなってしまう。
進化というのは、かなり幅広いテーマだ。
きみはそれを強調し、混ざり合う他の方法を見つけなければならないが、まったく同じものであると感じさせてはならないんだ。
同時に、きみはプレイヤーたちが理解できるかどうか確認しなければならない。このファイルでは、きみはいくつかの効果が何を起こすのか理解し難くしている。
きみは、見た目は単純だが、しかし奥深くする必要があるんだ。

最後に、きみが言ったこととカードに見られることの間に、若干の不一致があるように思える。
例えば、きみはトークンのサブ・テーマを主張したが、実際には代わりに「エンチャント・マター」テーマだった。
きみの構想とその構想の遂行とを、より堅く結び付けて欲しいと思う。
私はきみが見ているものを見たいと思うが、しかしカードにおいては一貫していてくれ。
きみがデザイン・テストと最初のデザイン・チャレンジとの間でやったように、次のチャレンジのためにきみが飛躍することができたなら、私はきみが辿り着いたものを見ることに興奮されられることだろう。

原文:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/118a

全員分は無理なので、優勝者のEthan Fleischerさんに絞って訳していくことにします。それでも多いんだけどな!
でもまあ、せっかくギルド門侵犯のデザインチームに入って、そのうち公式記事でも名前が出てくるだろうに、日本のプレイヤーに誰この人?状態なのはさみしいからね。(まあこのブログのアクセス数なんざたかが知れてるので、何の手助けにもなっちゃあいないんだけどさ!)

というわけで本戦第二戦。こっから脱落者が出ます。
ここでは「Common Ground」ということで、自分が提出したセットにおける1色のコモン18枚を作成するのが課題です。
(多色セットでは単色コモンが18枚じゃないんだが、そういうテーマを選んだ人がいたらどうするんだろう・・・とか、野暮ですかね。)

今回のコメンテーター
・AF(アーロン・フォーサイス) R&Dのボス
・MT(マット・タバック) ルール・マネージャー
・KEN(ケン・ネーグル) ファッティ大好き
・MR(マーク・ローズウォーター) だいたいこいつのせい

例によって長いし訳せてないところがありますが、以下本文。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
Episode2:Common Ground
Ethan Fleischer

エポリス(Epolith)

プレインズウォーカー達は、数世紀が数時間で過ぎる原始的次元の進化の可能性を利用します。
MR:きみが周りの世界より異なる時間で動く世界を作ることで、プレインズウォーカー問題を解決したのには注目する。
それがその世界の誰かにとって何を意味するのかはまだわからない――この世界の住人は時間をいくらか違って感覚するのか、または誰かがエポリスへ、もしくはエポリスから旅立つときそれが明らかになるだけなのか?
それにかかわらず、難しい問題に対する非常に賢い回答だ。

私が大いに問題視するのは、しかし、きみがきみの世界の魅力を我々に真に示すことなく、面白いものの表面をなぞっていると感じることだ。
きみは時間の経過についてのアイデアを打診しているが、しかしそれがなぜ重要であるのかは感じさせてくれない。
また、きみのログラインは世界そのものよりも、プレインズウォーカー達に集中している。

きみはより密になっているし、「数世紀が数時間で過ぎる」というのは興味をそそられるが、しかし私はそれがなぜ「この」セットにとって重要なのかを知りたいんだ。
きみのログラインは、きみが私を興奮させようとしているセットについて何を伝えているのか?
CG01
エオヒップス/Eohippus G
クリーチャー―馬
0/1
進化――CADENAMEよりもパワーの大きいクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、CADENAMEの上に+1/+1カウンターを1個置く。

(訳注:エオヒップスは古代の馬の一種。)
KEN:+1/+1カウンターで成長するクリーチャーは可能ならばN/Nでなければならない。
しかし、これをGの1/1とすることはこれの成長能力を少々妨げてしまう。
いずれにせよ、これはGの1/1でなければならない。
このキーワードは括弧内に入れなければならないだろう。
現状、進化は最初の誘発条件のことで、他のカードではボーナスは異なると考えられる(上陸のように。)

MT:進化が能力語として存在するのは、厳密なルール上の問題ではないが、私には少々逆転しているように感じられる。
私は、一般文はボーナスではなく、ボーナスを引き起こすこと(上陸や金属術のように)でなければならないと思う。
この方法は、特に対戦相手にとって、目立ちにくいものだ。

MR:私はこのセットが進化についてのものだと話し、きみはそれを聞いた。大きな追加の一つは進化メカニズムだ。
(きみは重要なデザインのトリックを学んだ:もしきみが明確な何かを望むなら、デザインにその言葉そのものを使うんだ。どうやって、私にこのセットが進化についてのものであると知らせる?そのメカニズムを「進化」と呼ぶんだ。)

私の第一印象は、きみは単一の誘発条件を選ばなければならないということだ。もしきみが本当に別々の誘発条件を必要としているのなら、おそらく色ごとに1つの。
別々の誘発条件を持たせることは、進化カードのプレイに、きみがそれらに望むよりも多くの精神的負荷をかける。複数回、私は進化の仕方を間違って考えてしまった。

もし私が進化、もしくは緑の進化を一つの誘発条件のみに絞るなら、おそらくこのカードのバージョンを選ぶだろう。これはフレイバーがあり、実際に上手くプレイされる。それはゲームがどうプレイされるかに影響を与える方法として、重要だ。
進化のこのバージョンの他の適切なものは、それにいくらかのリニア性を持たすもので(特に、きみのセットが+1/+1カウンターを活用するなら)、きみはまたそれらの1つをデッキに投げ込むことができるし、それは良い働きをするだろう。
(訳注:リニアというのは、マローが定義するところの、他の特定のカードと一緒に使うことをプレイヤーに求めるようなメカニズム的性質のこと。)
私がこの誘発条件についての大きな関心事は、それにどれだけのスペースがあるかだ。私は充分にあると思うが、しかしきみはまたデザイン・スペースを節約しなければならない。これより少しだけ多く。
進化クリーチャーは、彼らに成長の余地を与えるために小さく始めたいので、利用可能なスペースがちょっと狭いんだ。

特に、きみがこのブロック全体でこのメカニズムを使うと予定しているなら、このデザイン・スペースは重要な問題となる。このブロックが進化についてのものだと認めるなら、私の想定は進化をブロック全体に織り込むことだ。
私はまた、それが途中で進化すると思っている。
私にはきみが進化の進化についてアイデアを持っているか分からないが、しかし我々はきみにこのセットの一員を見せるように言ったのであって、きみがこれからしようとしている何かではないんだ。

私はまた、この第一カードがきみが得られたのと同じくらい基本的であるのが好きだ。
ケンが1/1はより簡単だと言っていることはわかる。
私は、しかし、それに成長の余地を与える為に0/1で始めることについての議論ができると思う。
CG02
放浪するエルフ/Wandering Elf 1G
クリーチャー-エルフ・ノーマッド
1/1
CADENAMEが戦場に出たとき、あなたはあなたのライブラリーから基本土地カードを1枚探してもよい。そうしたなら、それを公開し、それをあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。
KEN:いい再録だ。(訳注:《森のレインジャー/Sylvan Ranger(M11)》の名前違い)

MR:同型再販だ。
このカードはすばらしく、またこのセットにおいて充分に有用だと私も認めるが、しかしこの同型再販がきみのセットにより相応しくないことに少々失望する。
再販について重要なことは、デザイナーが過去からカードを見つけ、新たな環境において異なる意味合いを持たせることができるということだ。
それはプレイヤーに、ゲームが変わったのだと感じさせる助けになる。

私は、きみが基本的な機能を行う実用的なカードを選んだように感じる。
本来、きみには伸びるチャンスがあったが、きみは安全なものを選んだ。
ひどい行いではないが、しかしデザインスキルを示す機会を逃したんだ。
CG03
洞窟熊/Cave Bear 1G
クリーチャー-熊
2/2
進化――CADENAMEよりもパワーの大きいクリーチャーが1体あなたのコントロール下で戦場に出るたび、CADENAMEの上に+1/+1カウンターを1個置く。
KEN:このメカニズムは面白いと思うが、しかし《巨大化》みたいなインスタントでも効果を得られるようなテンプレートにしたいな。

MR:進化カード、ナンバー2だ。単純なカードには感心するね。
きみも、若いデザイナーの関門である、《灰色熊》の完全上位互換を作ることができた。
I am humored that as the creator of evolve this wasn’t attributed to you, but I’ll chalk it up to you trying to toss credit to your team, an admirable quality.
(わからんが褒めてるっぽい)
CG04
豊穣のシャーマン/Fertility Shaman 1G
クリーチャー―エルフ・シャーマン
2/2
あなたがエンチャント呪文を唱えるたび、1/1の緑のエルフ・クリーチャー・トークンを1個戦場に出す。
KEN:これはやかまし過ぎる。とても気前がいいが、多分それほどでもないだろう。

MR:このカードは2つの問題を抱えているが、いま予想される最も一般的な反応から始めよう:
これはコモンではない。
これは繰り返し使えるトークン製造機だ。
ほとんどはソーサリー速度で起こるために盤面の複雑化の問題とはならないが、しかしトークンの製造は我々がコモンにおいて制限する傾向にあるものだ。
1つか、さもなくば2つのトークンを作ることは――我々はコモンでさせるだろう。
それより多いなら、少なくともアンコモンにする。
加えて、これは反復可能な効果で、近代のセットのコモンにそれは見られない。
(ラヴニカはそれを、セレズニアの主要な要素として行ったが、現在は反復可能なトークン作成をコモンでやることはないだろう。)

レアリティはしかし、小さな問題だ。
私が最も不思議に思うのは、このカードはここで何をするのかってことなんだ。
なぜきみのセットは、コモンに、他でもない「エンチャント・マター」を求めるのか?
それがコモンに存在することは、それが重要なサイズのテーマだと主張しているが、しかしきみがそうしているとは分からなかった。
きみのコメントでは、これはエンチャント・テーマのためではなくトークン・テーマのためにここにあると言っている。

トークンが先住民族の人口爆発を表しているというのは尊重するが、しかしこのカードがその助けになるとは思わない。
緑のコモンを見てくれ。2枚のエンチャントしかない。
リミテッドにおいてきみは、どれだけのトークンが生み出されると想定しているのか?

いずれにせよ、きみのテーマを広げようというアイデアは尊重するが、しかし私はこれが広げるのに適したテーマだとは思わないし、たとえそうであっても、このカードはその仕事をしないだろうと確信している。
CG05
いたずら好きな猿/Mischievous Monkey 2G
クリーチャー―類人猿
2/2
CADENAMEが戦場に出たとき、アーティファクト1つを対象とし、それをオーナーのライブラリーの上から3枚目に置く。
KEN:意図を表したいいカードだ。
私が言うだろうこのカードの意味は、きみのと同じだろう。OK。

MR:きみは、平均よりも多くのアーティファクトを入れる予定であるので、普通よりも多くのアーティファクト除去を入れたと言った。
私の質問は「なぜ?」だ。
アーティファクトの何が、きみの先史時代テーマを強調する助けとなるのか?
確かに、我々は誰かによって作られたアーティファクトの道具を作る傾向にある。
私には、これは普通より低く高度でないと考えさせるテクノロジーだと読める。

このカードに関しては特に、それが何をしているのか私にはわからない。
緑はカラー・パイ上、アーティファクト除去を持つが、しかしきみは代わりにスーパー・バウンス呪文を選んだ。
緑にはライブラリーの上にカードを置いたという若干の歴史があると知っているが、このセットがそれをどう活用するのか私にはわからない。
もしきみが多くのアーティファクト除去を求めるなら、多くのアーティファクト除去を作らなくてはならない。
これはそうじゃない。
CG06
跳躍するオルニトレステス/Leaping Ornitholestes 2G
クリーチャー―トカゲ
3/1
G、CADENAMEを生け贄に捧げる:飛行を持つクリーチャー1体を対象とする。CADENAMEはそれに3点のダメージを与える。

(訳注:オルニトレステスはジュラ紀後期に生息していたとされる恐竜。名前の意味は「鳥泥棒」で、始祖鳥を捕食していたと考えられた為。参考:Wikipedia)
KEN:「《葉の矢》トカゲ」は好きだな。たいていの緑のカードは好きなんだ。

MR:R&Dには、緑の「飛行嫌い」をどうするかについての大きな議論がある。
私はこれをアンコモンであると見る伝統主義者だが、《葉の矢》が確かにエルドラージ覚醒にあったので、これはコモンにしてもいい種類の効果だろう。
わたしはおおむね、このカードが好きだ。
そのクリーチャーのパワーとダメージが合っているというところに美を感じる。
また、起動時のマナも、相手がフライヤーでこそこそやる猶予を与えるので、私は好きだ。
加えて、少量のマナはコントローラーにいつどのようにそれを使うか考えさせるので、好感を持つね。
CG07
翼攫みの木の精/Wing-grabber Tree Spirit 2G
クリーチャー―植物・スピリット
1/3
到達
進化――飛行を持つクリーチャーが1体対戦相手のコントロール下で戦場に出るたび、CADENAMEに+1/+1カウンターを1個置く。
KEN:ここにもまた飛行嫌いが。2枚というのは良いと思う。
進化メカニズムは現状、スーパー怪しい。それはカード上で同じものを意味しない。
異なる誘発条件に注意することは、誘発条件の結果を理解することよりはるかに難しい。
上陸は「土地があなたのコントロール下で戦場に出たとき」の誘発条件を作った。

MR:通常、緑はコモンに1枚のアンチ飛行カードを持つ。
私は到達を好むが、しかしそれは各デザイナーがそれをどうしたいかによる。
第二のアンチ飛行カードは、このセットにおけるなんらかの大きな問題へのサインなのか?緑の敵は、多くのフライヤーを持っているのか?

きみが進化クリーチャーたちに、成長の余地のために低いパワーを与えていることは認める。
だが待て、この進化カードは最初の2つのようには進化しない。
2つの理由で失望する。
1つ目は私が最初の2枚のデザインの誘発条件を好きだったことで、2つ目はきみが比較的シンプルなメカニズムをすぐに混乱を起こすものにしてしまったことだ。
もし各進化クリーチャーに異なる誘発条件を見つけてやらなければならないとしたら、それはすぐに、いくつかの理由からとても困難な作業となるだろう。

1つに、今きみは場に出た進化クリーチャーを処理してそれが何をするのか理解しなくてはならない。
それから、ゲームの進行中、きみはすべての進化の誘発条件と、どのクリーチャーがそれぞれどの誘発条件と結びついているかを覚えていなくてはならない。
表面上は簡単に聞こえるかもしれないが、そうじゃない。
ただ一つの誘発条件を見出すことを、私は勧めるだろう。(そしてわたしはCG01とCG03のものが好きだ。)
さもなくば、少なくともコモンの進化クリーチャーはすべて一つの誘発条件に制限する必要がある。
なお、それはたぶん各色が色ごとに自分の誘発条件の進化を持つことが可能となるだろう。
これは覚えるのを簡単にするためにそれらを描き出す助けになる。

また別の問題がある。
これはコモンの緑の三枚目の進化クリーチャーだ。
通常、我々は2枚に抑える傾向にある。
3枚以上にする唯一の理由は、そのメカニズムがそのセットの鍵となる一面を強調する根幹であるか、そしてそれが多くのセットですることではないかだ。
(もっとも、ミラディンの傷跡は感染でこれを行った。)
進化はきみのメイン・メカニズムになるだろうと思えるし、おそらくきみはそれを成し遂げられるだろうが、しかしこのメカニズムのコモンにおける3枚目のクリーチャーで終わらせる前に、より多くを見てみたいと思っていることは認める。
CG08
エルフの記憶の守り手/Elven Memory Keeper 3G
クリーチャー―エルフ・シャーマン
3/3
CADENAMEが場に出たとき、あなたの墓地のエンチャント・カード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。
KEN:エンチャント・マターがより強調されている。
これが《オーラ術師》より高いカーブなのは好きだ――きみが3つの土地に達するよりも4つに達したときの方が、だいたいにして多くの死んだエンチャントを持っているだろう。

MT:「戦場に出たとき(enters the battlefield)」だ。
(訳注:上のカードテキストは、旧来のcomes into playとなっている。)

MR:下で、きみは緑のサブテーマはトークンであると言っているが、これは「エンチャント・マター」の2枚目のカードだ。
きみがなぜそうしているのかは知らないが、それがそのままになりそうであれば、きみはこのセットでそれが何をするのかを定めた方がいいだろう。

また、エンチャントを戻すのはカラー・パイ上、白の役割だ。
緑はどんなカードでも戻すか、時々全種類のパーマネントを戻す。
それに加え、回収はだいたい、それがセットの主題を強調するのでない限り(私はこれがそうだとは思わない)、緑ではアンコモンになる傾向だ。

最後の問題は、リミテッド・プレイで多様性を持たすためにきみがマイナー・テーマを加えたことだ。だがきみはそれを、それを本当に必要とするプレイヤーより前にピックされてしまいそうなサイズに付けた。
通常、第二テーマをサポートするクリーチャーたちは、そのテーマを活用するプレイヤーがそれらをピックする機会を得られるように、彼らにとってのみ充分なサイズを与えられる。
CG09
のろまな竜脚類/Sluggush Sauropod 3G
クリーチャー―トカゲ
6/4
CADENAMEが攻撃するたび、それはそのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。
KEN:おお、でけえ!ここのコモンにはあまりにもたくさんのデカブツがいるなあ。

MR:私は恐竜が好きだ。彼らは先史時代を強調するのに良い働きをする。
恐竜たちに、サイズだけでなくもう少し何かの関連性があったら良いと思うね。
このカードは良いフレイバーを持っていて、コモンとしても充分に単純だ。
最後に、これはデザインというよりはディベロップだが、攻撃制限を持つクリーチャーはブロックするのには何の問題もないということを思い出してくれ。
我々は、6/4で防衛を持つクリーチャーを作るだろうか?たぶん。
その上で、それが攻撃できるとしたら?おそらく作らないね。
CG10
ヴェロキラプトルの群れ/Velociraptor Pack 2GG
クリーチャー―トカゲ
4/3
瞬速
KEN:恐竜のメカニズム・テーマは「デカくて低コスト」なのか?

MR:現代のデザインにおいて、緑はクリーチャー数でナンバーツーだ。(白が現在のナンバーワンだ。長い、長い間、緑がナンバーワンだった。)
18枚のカードでは、緑は50%をクリーチャー・カードが占める。
これは、CG10は非クリーチャー・カードの始まりでなくてはならないことを意味する。
先史時代の世界が、平均よりわずかに高いクリーチャーのパーセンテージを欲しているのかもしれないので、多分、私はこのカードにOKを与えるだろう。

小さく凶暴な恐竜の持つ、瞬速のフレイバーは好きだ。
瞬速はまた、進化と相互作用する。
きみが盤面の複雑さを最小にするためにこれを保つかぎりは、なんらかの楽しいプレイを作るだろうと思う。
(後編につづく)
追記:<無慈悲な狩人>についてのケン・ネーグルさんのコメントに、ルール上の誤りがあったため注を付けました。

(前編のつづき)

6、
火打石の鉱山/Flint Mine
土地(レア)
T:あなたのマナ・プールに1を加える。
3、T:打砕1(Knap 1)を行う。(「手斧」という名前の、「装備しているクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。装備1」を持つ装備品・アーティファクト・トークンを1個戦場に出す。)
KEN:これは+1/+1カウンターを継続的に得る多くのものの類型だ。
これの類似は掃いて捨てるほど見つかるだろう。
でも待て、この+1/+1カウンターは動き回ることができ、戦場に残り、金属術に貢献するじゃないか。
コストはとても軽い。
《ドラゴンの血》は強いだろうが、しかし<火打石の鉱山>はコントロール・デッキが、《変異種》が4回の代わりに2回の攻撃で殺せるように、前置きの+1/+1カウンターで盤面を溢れさせるようにする。

AJ:このカードは、プレイするのにとても面白そうに見えます。
打砕は、主に論理的な視点から私を心配させます。
打砕がより低いレアリティにも現れるとするならば、あなたは多分、リミテッドでの混乱を防ぐ為に+1/+1カウンターか-1/-1カウンターを避ける必要があるでしょう。
私はまた、類似の理由で、打砕に変数を持たせるべきではないと確信しています。

KD:This build-around, probably budget rare is a good choice, provided the pieces of a non-color-intensive, non-rare-intensive aggro deck are available to take advantage of it.
(ごめんこれもわからない)

MR:私は、基本的に+1/+1カウンターである何かを作る為にこんなこみいった手続きを取るのはなぜかと問うだろう。
(ああ、それが装備品で、再利用できることはわかっている。)

ルールはカウンター・トークン・装備品をサポートできるが、我々はこれをゲームに入れたいとは思わないだろう。
装備品は多くの付属物とともに出てきて、人々が言及できるカード無しにそれだけの情報を持っていることが私を悩ませる。

我々がトークン・カウンター・装備品を欲しがったと仮定しよう。
きみが最も基本的なバージョンを試そうとしていたことは尊重するが、しかし、特にもしきみのセットが+1/+1カウンターを含んでいる場合には、きみは我々がすでにサポートしているメカニズムとかぶらないように念入りに注意しなければならない。
このガラスのカウンターは+1/+1を与えるがクリーチャーが死ねば消え、しかしこのガラス玉は+1/+1を与えるがクリーチャーが死んでも戦場に残る。

私の他の疑問点は:
このセットにおける人類のありように混乱する。
これが地球でないことは知っているが、しかし恐竜がいて、そして人間は文明とテクノロジーの適切な結果を意味するナップサックと手斧を持っている。
きみは君自身に成長する余地を与える必要があるように感じる。
7、
痛みを伴う選択/Painful Choice 1B
インスタント(レア)
対戦相手1人を対象とする。あなたの手札を公開する。そのプレイヤーはそこから土地でないカードを1枚選ぶ。そのカードを追放し、その後あなたのライブラリーからその追放されたカードとタイプを共有するカードを1枚探し、それを公開し、それをあなたのライブラリーの一番上に置く。
KEN:これは、一部の観衆(訳注:プレイヤー?)にとっては十分に楽しいものだろう――「おまえの毒を選びな」
問題は、プレイヤー達は、例えばすべてインスタントのデッキで、これをブッ壊すんじゃないかってことだが、しかしおそらくここには何かがあるだろう。
ミニ・ゲームは、私が思うに、マジックのレアのためには良いスペースだ――打砕のデザインスペースがあるように。

AJ:このカードはあなたのテーマにあまり関連していませんが、とはいえ面白い決定とデッキ構築の選択に満ちていて、とてもいいデザインだと思います。

KD:これは確かにスパイク(訳注:トーナメント志向のプレイヤー)のカードです――あなたに、あなたの対戦相手よりも良い選択をする機会を与えます――しかし、これは私には《嘘か真か》というよりは《ラクドスの穴開け魔道士》のように見えます。(悪い。)

MR:通常、欠点を必要とする効果を作るとき、きみは2つの選択肢の1つを選ぶことができる。
プレイヤーが何をするかにおいて規制を設けるか、またはプレイヤーが望む全てを得られないようにするかだ。
このカードにおいて、きみはその両方を行ったと思う。
対戦相手はカード・タイプを支配し、そしてそれでも、カードはきみの手札に残らない。
対戦相手の選択がおそらくこの呪文のおもしろい部分で、それは私も変えたりしないところだ。

本番のプレビューの中で、我々はいくつかの良いカード、しかし大きな絵にはつながらないものを手にした。きみの世界を提示する為の道具として、このデザイン・テストにおいてそれらがすこしばかり多すぎるのでないかと感じる。
8、
記号的対象/Symbolic Target 2RR
エンチャント(レア)
あなたが単一のパーマネントを対象とするインスタント呪文かソーサリー呪文を唱えるたび、その呪文が対象にできる、その対象のパーマネントとサブ・タイプを共有する他のパーマネント1つにつき、その呪文をコピーする。各コピーは、それらのパーマネントのうち別々のものを対象とする。
KEN:すばらしい!《放射》はオールタイム・ベスト・ストーリージェネレーティング・カードのひとつだ。
私はそのために《空僻の盆地》をデザインした(そしてそれを《Regrowth》にも働くようにした。)
《空僻の盆地》次元において、私はPeter Knudsonが盤面を《屈辱》しようとしたら、Mons Johnsonが《急転回》して、全てのコピーをPeterのものに向けたのを見たよ。

AJ:私は《放射》効果を愛していますし、たしかにいくつかの点からこれに似たものを印刷するだろうと思います。
このカードについての私の主な質問は、「サブ・タイプ」という言葉の用法のあたりです。
たとえ大部分のプレイヤーたちがその言葉の意味するところを知っていると仮定しても(これまでカード上に現れたことはありません)、それを単に「クリーチャー・タイプ」とするよりもいいことだとは思いません――めったに、あるいは決して関係しないアーティファクトとエンチャントとプレインズウォーカーのために。
このカードは、<絶滅の槍>のように、またあなたのブロックには言及されていない部族要素があるのかと疑問に思わせます。

KD:「すべてが《先駆のゴーレム》」というのはFrom the Lab記事のいい見出しだ。これは読むのが楽しいだろう。

MR:この呪文、パーマネントの《放射》は可愛げのある混沌だ。
ある種のカジュアル・プレイヤーはこれで楽しむことだろう。
もう一度(言うが)、私にはこれがあなたの世界の大きな絵に加わっているようには感じられないんだ。
私がこれを繰り返し言う理由は、あなたがこの競争で切られたくないなら、あなたは我々にあなたの世界を得られるようにしなければならないということだ。
GDS2はカード作成については少なく、構想については多い。
前者を見せるために後者を犠牲にすることは、あなたを切らせることになるかもしれない。
(我々は、前者が後者にうまく合うことを望んでいる)
9、
無慈悲な狩人/Merciless Hunter 1WW
クリーチャーー人間・戦士(アンコモン)
2/3
挑発
CARDNAMEが攻撃するたび、クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まですべての能力を失う。
KEN:すべての能力を失うというのは、アンコモンにおいて繰り返し起こっているルール上の悪名高いあいまいな部分だ。
きみは知っているか…デカい《タルモゴイフ》のすべての能力を失わせても…依然としてデカいタルモのままだということを?
それは、特性定義能力は、実際には能力を与えていないからだ!
(訳注:間違い。能力を失わせる効果は種類別の第6種、パワー・タフネスを定義する特性定義能力は第7a種なので、第6種が先に適用されてタルモは0/1になる。特性定義能力が優先して適用されるのはあくまで同一種別内でのこと。)

両方のアタック・トリガーは組み合わせて《ラノワールのエルフ》を殺すことができるが、これは「能力のスタック順」が重要なカードだ。
それを間違って積めば、ラノワールのエルフは戦闘中にGを生むためにタップしてブロックするのを避けてしまうだろう。
我々は通常、マジックをこの技術のテストのためのゲームとして設計したりはしない。

いま、私は「バカにプレイされるようにカードをデザインしろ」と言うわけではない。
マジックを「Advanced Calculus 4」にするなと言っているんだ。

挑発は、セットに多くあるには面白くないメカニズムだ。
それはかつて「すべてがクリーチャーのセット」レギオンで役立つ道具だった。
インスタント、ソーサリー、エンチャント、装備品による戦闘の硬直化の打開がなければ、全クリーチャー・セットはおそらく何かの偶然がないかぎり泥沼にはまるだろう。
あなたのランニング・バックが毎ターンポイントをかせぐために、《熟達の刃の精鋭》は対戦相手の最強のブロッカーにオフェンシブ・タックルを行わなければならないんだ。
(訳注:ランニング・バックもオフェンシブ・タックルも共にアメフト用語)

AJ:私はこの能力の組み合わせが好きです。
このカードは少々複雑ですが(能力を失うというのは混乱し、しかも2つのトリガーを正しくスタックしなければなりません)、私はそれに見合う価値があると思います。
これは挑発の復活をうまく見せています。

KD:これはユニークな能力だ――強力に見え、そして実際にそうであるか、またはそうでないのかもしれない。
これについてのBrianの記事を読むことに興味があるね。

MR:私は狩人のアイデアは好きで、このカードは多くのフレイバーを持っている。
「すべての能力を失う」のはわずかなルールの地雷原だが、ルール・チームはこれをほぼきみの意味するところにできるだろう。

その製作者として、私は挑発の大ファンであって、このブロックにその居場所があるかもしれない。
それがセットに導入する戦いの感じが好きだ。
だが、どんな種類の戦いをきみは求めているのか。
私は狩人が恐竜を倒しているところを想像する。

これはこのセットでの私の最大の心配事の一つだ。
きみの開始時点での感覚がわからないんだ。
これはどんな世界なのか?
きみはここにあるものだけではなく、ここにないものをも決定しなければならない。
きみは、きみのブロックに成長の余地を与えなければならない。
その大部分は、いつ何が起こるのかがわかることだ。
恐竜と人間のアニマル・ハンターを同じセットに配置するのは、多くのものをいっしょくたにしているように感じる。
10、
ホメオパシーの粛清/Homeopathic Purge BB
ソーサリー(コモン)
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。そのプレイヤーは自分の手札からすべてのソーサリー・カードを捨てる。あなたはこれにより捨てられたカード1枚につき2点のライフを失う。
KEN:誰がこれをプレイするんだ?
これはある種の風変わりなアンチ・コンボカードのように読める、ただし私がきみの《炎の儀式》《炎の儀式》《記憶の点火》《ドラゴンの嵐》《祖先の幻視》と当たって、私が10ライフ失うという夢のような場面を除いて。
そしてまた、これはコモンだ――それはどうやら、リミテッドにおいてヘビーなメカニカル・リフティングを想定しているようだ(それが柔軟な仕事はせず、BBのコストはその助けにならないってことを除いてね。)

AJ:あなたの「ホメオパス」サブ・テーマは希薄すぎて、トムのコラムを読んでいないプレイヤーには見過ごされるか、誤解されるのではないかと思います。
このカードは面白いシルバー・バレットですが、しかし、これはコモンではありません。
たとえ、実際にはそれが《精神腐敗》に劣るとしても、何らかの「すべて」を扱うカードは少なくともアンコモンになる傾向があります。
私は個人的に、フレイバー的にもメカニズム的にもほとんど区別の付かない、インスタントとソーサリーに差異をつけるのが嫌いです。
しかし、この意見が他のR&Dに必ずしも支持されるとは思っていません。

KD:これはここにある中で、私を本当にずっこけさせる唯一のものだ。
わたしはこのカードについての記事を読むことを想像できない。
「ソーサリーをもってソーサリーを制す」テーマは抽象的で、ゲームプレイ上においてよりもデザインにおいて大きな影響を持ち、それはデザイン記事のためには良く合うだろう。

MR:きみはとても狭いカードを作り、そしてその上で術者に欠点をかけた。
狭いカードには欠点は必要ない。
狭いというのは欠点だ。
次に、狭いカードはコモンに適していない。
また、大きな結果(たとえまれにでも)を起こす可能性のあるカードもまたコモンにならない傾向にある。

コモンはセットのレアリティで最も重要性を持つが、このカードは、その鈍さのために、重要性を持っていない。

また、壊れたレコードみたいに言うのではないが、しかしわたしはどんなセットにも入りうるイカしたカードたちを見ていると感じる。「きみの」セットにではなく。
コメント:
<弓のスル>はヘラクレスやギルガメシュといった類の亜神です。
彼は太陽と共にあります。
計画では、以下の各セットで彼のプレインズウォーカー版を収録します、一つにアポロ(訳注:太陽神)の類で、そして一つに旧約聖書からヤハウェ(ただし帝国主義的野心のない)に基づいて。

<忙しいビーバー>は「移住」メカニズムの典型的な実装を意味「しません」。
通常、それは有効色の基本土地をフェッチする有用な能力ですが、しかし私はLimited Informationのためにカードを選ぶとき、少しばかり特殊なものを求められたのだと思いました。
ビーバーの池は青でない対戦相手のテリトリーを浸水させることができ、彼を資源から切り離します。

<絶滅の槍>は確かに、何らかのクライマックス・シーンに関係すると思います!

<痛みを伴う選択>が対戦相手の技量をテストするというのは、私の考えを切り替えさせました。
彼らはあなたがどんなデッキをプレイしているか想像しなければならず、あなたにアドバンテージを与えないように決定します。

<記号的対象>は<絶滅の槍>とデザイン・スペースを共有します。
このアイデアは、あなたの元々の対象が何かの想像上のものか原型的なもので、それによって、そのタイプのすべてのものに影響を及ぼすということです。
あるいはおそらく、あなたの元々の対象は呪いの人形のようなものなのでしょう。

<ホメオパスの粛清>は、カラーパイにふさわしい、それらのタイプの他のカードに反発する2サイクルのうちの1つの一員です。
《払拭》の再録が<ホメオパスの粛清>の次に来て、そしておそらく《凍らし》か似た何かがその次に来ます。
KEN:要約すると、私はこの世界にはいくつかの非常に悪用されたメカニズムがあり、そしてそれらの応用は完全には分からなかったと感じた。
原初、移住、そして挑発はすべて、一枚のカードよりも多く実装されるならば深刻な問題を引き起こしそうだ。
セットは、ここで示された10枚のカードよりも多くのものを含む。
私はこれらのテーマをとても深めるられるとは想像できないし、このセットのコモンが魅力のないことを恐れる。

ハイライト:<記号的対象>
ロウライト:<忙しいビーバー>

AJ:あなたは、私が見るにリスクの高いブロック・テーマを選びました――3つのセットを、それらが千年間隔であると感じさせるように作るということ、そしてそれでも、依然としてメカニズム的にもフレイバー的にもリンクしているというのは、困難に聞こえます。
それだけでなく、このテーマは、第一セットの中で具体的な何かを持つというよりむしろ、全セットを通して対比や類似をより多く持つので、第一セットの間は売りになりません。
これは、あなたのメカニズムは第一セットにおいて高い重要性を持たなければならないことを意味します。
例えば、私は原始世界に適合する挑発、原初、移住のフレイバーを見つけましたが、しかしそれらはあなたの大きなブロック・テーマについては私に何も語りませんでした。

メカニズム的には、リミテッド向きのものが少々多く、構築向きのものが充分でないのではないかと心配です。原初カードには強力な構築の可能性を感じましたが、しかしこのメカニズムは本当に単一のノート(カード?)に合うだけで、依然としてリミテッド向きに見えます。
あなたの他のメカニズムはすべて、せいぜい、プレイヤー達に時々構築させる役割のものになるのでないかと感じます。
あなたのメカニズムのうち、少なくとも1つがプレイヤー達に「メカニズムXのデッキ」を作らせることは重要で、そしてテクニカルな原初はそうなる一方で、それは実際に原初を「避けて」構築するよりも多くの不利益を自分に負わせているのではないかと感じます。

わたしはここに、多くのすばらしいアイデアの種を見ることができました――あなたは、もみ殻を分離して、少々磨きをかけることに取り組む必要があります。

KD:あなたは、4つの堅実な当たりと1つだけの本当の失敗を持っています。
あなたは、コラムが何について、どのようにそれらの読者のためにデザインされるかよく理解していて、そしてあなたのカードは最初の週のプレビューに必要な目立つ価値を持っています。
<弓のスル>についてのあなたの説明から、しかし、私はデザイン記事の代わりに彼についてのフレイバー記事をすこし読みたかったですね。

MR:Ethan、きみは驚嘆すべきアイデアを持っている。
アイデアはきみをトップ8に入れるほどに良いものだ。
きみが今しなければならないのは、そのアイデアを活かしてどのようにブロックを構築するのかが分かるようになることだ。

前にも言ったように、きみは進化のテーマを受け入れなければならない。
きみのすべてのメカニズム的主体はきみのテーマのフレイバーを反映しなければならない。
どうやってメカニズムをブロックの長さにまで進化させられるか考えることだ。
世界が変化するとき、きみのメカニズムもそうすることができるように。

つけくわえると、あなたの第一セットが示しているものだ。
きみは先史時代の世界をほのめかしているが、しかしそれをやりとげていない。
先史時代の世界という響きは人間を必要としないか、非常に原始的な人間しか必要としていない。
きみの現在のデザインは、人間たちをその言葉が示すよりももっと発展させているようだ。

アレクシスが言ったように、きみのブロック・テーマは、それが対照性についてのもので、第二セットまでの間に何も得られないために、トリッキーなんだ。
個人的には、遠い過去を感じさせるような良い働きをしている、先史時代の世界というのを受け入れる。
しかしそのためには、きみはそれらに属するように感じられ、また発展し進化する余地のあるメカニズムを用いる必要がある。
きみはおそらく私が気に入るであろうブロックのアイデアを持っているが、同時にそれは正しく実行するには最大級に困難なものなんだ。

また、きみはあらゆる所にあらゆる物を詰め込もうとしているようだ。
デザインの鍵は、取っておいて、きみが欲しいものにぴたりと合うものだけを使うことだ。
我々は第一セットに注目しているが、しかしきみがどこに向かっているか理解することなしには、きみは正しく何かを配置することはできないだろう。

きみへのアドバイスは、きみのブロックがしようとしていることについて、最初のチャレンジの間、本当に考えることにいくらか時間を費やすことだ。
私が来週のきみのカードで見たいものは、計画だ。
きみが準備しているものを見せてくれ。
きみの物語の始まりを見せてくれ。
きみのメカニズムの進化を示すんだ。

原文:http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/116a

探しても翻訳が見つからなかったので、自分でやってしまおう的な。
すげえ時間かかったので、他のファイナリストの分もやる自信はない。

ザ・グレート・デザイナー・サーチ2(TGDS2)というのは、2010年に行われたMTGのデザイナー公募のこと。本戦は、Daily MTG上で各自がデザインを提出してのトーナメント形式で行われました。予選までは日本語公式でも訳された。こっちも訳して欲しかったな。

このEthan Fleischerさんはこの後見事に優勝を果たし、ギルド門侵犯のデザイン・チームにも入った。
本戦第一戦のここではかなりダメ出し喰らってますけどね。マローたちのコメントから、セットのデザインにおいて気を付けなければならないことが色々わかって面白い。
オリカの参考になるのです。

コメンテーターは以下の通り。
MR:マーク・ローズウォーター マジック首席デザイナー。
KEN:ケン・ネーグル 第一回TGDSファイナリスト。ラヴニカへの回帰のデザイン・リーダー。
AJ:アレクシス・ヤンソン 第一回TGDS優勝者。
KD:ケリー・ディグス Daily MTG編集者。

…英語力不足で訳しきれなかった箇所がいくつか。他にも誤訳や意訳やそもそも意味の分からない箇所がある。
あくまで個人用メモということで、期待せずに以下本文。
と思ったら長すぎて文字数制限にひっかかったので、前後編に分けますね。

― ― ― ― ―
Ethan Fleischer

パートⅠ-世界
A、エポリス(Epolith)
B、プレイヤーが初期社会の発展において能動的に関与する、原始的な世界。
MR:私がきみたちに、TVにおいてログラインと呼ぶものを与えた理由は、セットを一つの文で要約するために重要なものだからだ。
これができないことは、通常、きみのセットがマーケティングのために概説できないことを意味する。
セットはプレイされなければならないのと同時に、売れなければならない。
プレイヤーにセットを買いたくさせるためには、それが売りになる単純明快なコンセプトを持っていなければならないんだ。

きみは、自分のブロックのためにすばらしい考えを持っている。
残念なのは、きみはログラインにおいてそれを売ろうとしていないことだ。
「一つの世界を各セットで1000年ごとに再訪する」
私の簡易ログラインはやっぱり必要なほどにははっきりしていないが、
きみのログラインがブロックの興奮を売るためになにができるのかという可能性を示している。
きみはすばらしいブロック構造、おそらく世界についても確固としたものを持っている。
それを売ろう!
C、ブロックは考古学的で人類学的なテーマを持ちます。
このブロックの基本コンセプトは、各セットが千年の時間に隔てられているというものです。
各セットはヨーロッパの地中海風な「3つの時代」の1つを表します。石器時代、青銅時代、鉄の時代です。
さまざまな考古学者によって書かれる原初の魔法もまた表されます。

百の世代が、定命の者で計算してですが、過ぎ、そして技術革新が、人々の生活を変え、また人々の魔法や超自然現象に対する見方も変化させました。
しかしプレインズウォーカー達は、異様に長い寿命を持つか、時間と空間を曲げるか、あるいは平行時間から意識を投影するかといった能力により、この大きな絵図を見ることができます。
原始的な石器は青銅の武器に置き換えられ、そして最終的に神秘の鉄鋼技術が習得されます。
獣の群れを追う狩猟民は農耕民族のコミュニティーに場所を明け渡し、そして最終的には都市が築かれます。
コミュニティーは、自給自足から、交易のネットワークで繋がるようになり、最終的に強大な帝国が興りその軍事力の脅威が次元を覆います。
そして時が過ぎるにつれ、魔法そのものの性質が変化します。
動物崇拝は、プレインズウォーカーを神とする信仰に変化します。
最終的に、1人のプレインズウォーカーが他を締め出し、エポリスの次元とその人々を単一の宗教で支配し、超然的かつ執念的なものになります。
MR:もう一度(言うが)、一つの世界をその発展上の異なる時間点で覗き見るというアイデアはすばらしい。
疑問点は、きみがいかにしてブロックを全体が繋がっていると感じさせるように作るのかということだ。
きみは最初の大型エキスパンションがどのようになるのか示せなければならないから、ブロックがどのようになるのかが分かっていなければならない。

他にこの説明に欠けているものは、3セット全てを通して使用できる要素だ。
確かに、若干のものはセットとセットとで変える事ができるが、しかしこれが一つのブロックであるならば、何らかの一貫性がなければならない。

また、現代的プレインズウォーカー(時のらせんブロック以後のプレインズウォーカー。我々は現代的プレインズウォーカーと呼ぶ)は昔のように不死のプレインズウォーカーではないということも心得ていてくれ。
この変更は、ブロックがプレインズウォーカーの寿命よりも長くなるとき(我々が今していることだ)、各セットにプレインズウォーカーを関係させる方法を変化させたんだ。
D、
原初(Primal):エポリスは、第一セットにおいては、未開の地です。鍬による溝もなく、平地に都市が築かれてもいません。
エポリスから来たプレインズウォーカーは、そのような自然の環境からマナを得ることに慣れていて、土地が人間の活動によって変えられたなら、最大限の力を行使することに苦労してしまいます。

移住(Migrate):あなたの食料供給が徒歩でのとき、飢えはあなたを見知らぬ場所に連れて行くでしょう。
狩猟採取民はたいへん動き回り、動物の群れを追いかけます。
「基本土地マター」テーマは、多色デッキが考慮されるようならば、マナ拘束に慎重になることを意味します。
移住メカニズムはまさにそれを達成します。
私の例からわかるように、それはまた、より器用な仕事を達成することができます。

挑発:挑発メカニズムは、狩りを模すには良いもので、熟達の魔道士が好む派手な呪文の代わりに「低級な」除去を提供します。

打砕(Knap):石器時代の環境では、多くの人間が自分の道具を製造するでしょう。

アーティファクト:我々が有史以前の人々の知っていることの多くは、古代の人工品の研究からきます。
これらは先史時代の象徴となって、セットがふさわしいムードを呼び起こすならば顕著に取り上げられる必要があります。

ホメオパシー的魔法:ホメオパシー(同毒療法)は、原始的な魔法でよく扱われる概念です。
「毒をもって毒を制す」がホメオパシーの意味する根拠です。
そのような考えを受けて、原初のプレインズウォーカーはどんな呪文に辿り着くでしょうか?
インスタントはインスタントを打ち消し、ソーサリーはソーサリーの使用を妨害する、等です。
MR:きみのセットに対する、私の最大の関心事がこれだ。
きみのブロックのテーマは進化に関するものだ。
きみは、世界が時間とともに変わるのを見ている。
それは、きみのメカニズム的なテーマもまた、進化に関するものである必要があるということだ。
きみは、ブロックが進化するにつれて進化することのできるメカニズムを探す必要があるんだ。

きみのカードを評価するとともに、私はきみのメカニズムをひとつずつ手にするだろう。
しかし私はきみにいち早くプレビューを与えよう。
きみのメカニズムのどれも、きみのブロックのテーマを強調しない。
きみはきみの人々の生活の非常に狭い範囲を見ていて、より大きな図を見逃しているようだ。
きみは世界がどのように変化し適応するかを示している。
きみのメカニズムは同様に変化し適応しなければならない。
きみのメカニズムのどれも、そうするのに必要な要素を持っているようには思えない。
パートⅡーカード
1、
放浪者イリックス/Irix, the Wanderer 3UR
プレインズウォーカー―イリックス(神話レア)

+2:あなたの手札にあるカードをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置き、その後それと同じ枚数のカードを引く。
-2:あなたの墓地にあるインスタント・カード1枚かソーサリー・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。
-10:ターン終了時まで、あなたはあなたの手札からマナ・コストを支払わずに呪文を唱えてもよい。
KEN:このカード・タイプについてのとんでもない数のディベロップ的制約のために、プレインズウォーカーを攻撃する(訳注:デザインする?)ことは、デザイナーにとってほとんど賭けだ。
私は、どのプレインズウォカーも厳しい再デザインなしにデザインからディベロップに渡されたとは思っていない。
私はここに2つの問題点を見る――5ドロップ(訳注:5マナの)プレインズウォーカーはおそらくカード1枚相当の価値をプラスしなければなければならず、そしてこの最終能力は、きみの手札が3度無作為化された後に使うには不自然なものだ。
それは楽しいかもしれないが、しかし私は楽しいだろうとは思わないし、それに少なくとも《燃え立つチャンドラ》は読むのもプレイするのも詩的だ。

AJ:一般的に、この+2能力は興味を引きません――それは私がプレインズウォーカーに投資したいと思わせるものではなく、そして遅いゲームにおいては実質的に何もしません。
私はイリックスの+2能力を、起動したくさえないかもしれず、私がイリックスの忠誠を上げたいと思い、しかし私が自分の理想的な手札を愛しているような時には面倒なことになります。
私は、同時に複数の「プラン」を提供しつつも、いくつかの能力がまとまりのある単位として一緒に働くのが好きです――プレインズウォーカーのデザインにおいて正当性を得る為の難しい点です。

KD:あなたはストーリーにおいてイリックスの占める位置を声高に叫んではいませんが、彼か彼女が重要な位置を持っていると仮定し、これはよく合っています。

MR:私の初めのメモは、予想に反して、きみのプレインズウォーカー・デザインについてではなく、一般のプレインズウォーカー・デザインについて私が持つ一番の不満点についてのメタ・メモだ。

3つの能力は、互いに関係していなければならない。
まるで、プレインズウォーカーが何かの計画を立てているようにプレイヤーに感じさせなければならないんだ。
例えば、きみの第二能力が墓地にカードを求める一方、第一能力はカードをライブラリーの底に置く。
もしきみがこれらの能力を連携させようとするなら。
第一能力を第二能力の供給源にすることだ。
第三能力は前二つの能力と関連していい仕事をする。

このプレインズウォーカーのデザインは、1人の魔道士が魔法についての情報を学習し収集しているように感じられるが、その名前は、彼が何らかの探検家であることを意味しているようだね。
2、
弓のスル/Sul of the Bow 3WW
伝説のクリーチャー―人間・射手(神話レア)
4/4
原初――あなたがCARDNAMEを唱えるために基本土地から生み出されたマナのみを支払った場合、それが戦場に出たとき、先制攻撃を持つ1/1の射手・クリーチャー・トークンを2個戦場に出す。
1W、T:あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストが2以下の白のインスタント・カードを1枚探す。そのカードをマナ・コストを支払わずに唱える。その後あなたのライブラリーを切り直す。

(訳注:射手トークンの色が書かれていません)
KEN:原初メカニズムは、デザイナーの職務方針と食い違うのではないかと心配だ。私、マロー、そしてハスブロに雇われている他の皆は、Magic製品に対する欲求を生むことに従事している。
我々の最も大きな利益はブースター・パックだ。
トーナメントレベルの特殊土地はこの要素の一部だ。
いくつかの特殊土地は誰でも楽しめる強力なコンボだ、《密林の猿人》+《踏み荒らされる地》といったような。

もし弓のスルと原初メカニズムが平地とのコンボを主張するなら、それはまた、それらが多くの《空の遺跡、エメリア》のような特別な土地をもプレイ「しない」ことを主張してもいる。
おそらくコスト/利点の分析はそれら両方(訳注:平地とエメリア)を使うのが正しいと示すだろうが、しかし非常に多くのプレイヤーは、まるで原初と特殊土地が互いを排除しあっているようにマジックをプレイするだろう。

このカード自体について評価するなら、それが《太陽打ちの槌》のようなスペルキャスターだったなら、私はより気に入っただろう。

AJ:私には、なぜこれらの2つの能力が1つのカード上にあるのかが分かりません――それらは全く関連が無いように見え、そして私の思考領域を奪い合うのです。
私は、私のカードに一つのストーリーを語ってほしく、また一貫性のある個であるように感じさせてほしいのです。
原初自体には可能性がありますが、しかしそれは私に、あなたがリミテッドにおいて「常時オンである」メカニズムを手にしたのではないかと心配させます。
ゲームは、私が何かを達成したと感じるときに面白いのであって、カードが常にそれ自身だけで働くときではありません。

KD:これは「原初」メカニズム(おそらくマークの最初のデザイン記事の話題だろう)を示しているが、しかし無関係な第二の能力(セットの第二テーマなのかキャラクター特有の振る舞いなのかにかかわらず)の存在が問題を曖昧にできただろう。

MR:原初について話そう。私はマナ・システムの重要性について話すことに多くの時間を費やしてきた。
その負の面の一つは、それが必要な量のマナを得られない「マナ・スクリュー」、または必要な質(色)のマナを得られない「カラー・スクリュー」のためにプレイヤーが呪文を唱えることができない瞬間を作ることができてしまうということだ。

多くの、多くの特殊土地の存在が、カラー・スクリュー問題を助けることになっている。
いま、私は少しの「特殊土地嫌い」はゲーム戦略を保つ為にはいいアイデアだと賛成するが、しかし我々がゲームをより面白くするために作り出した道具(訳注:特殊土地)を阻害するようなこのメカニズムを打ち立てることは、いいアイデアとは思わない。

私はこのメカニズムを1枚限りのものか、あるいは、おそらく1つのサイクルのものと見た。キーワード・メカニズムの助けが必要なほどの量と見るのは、おそらく大きな間違いだろう。

また、きみのメカニズム全てと同じように、きみは自身に問わねばならない・・・このメカニズムはどのように変わっていくのか、あるいはブロックが続くにしたがって順応するのか。
そして、もしこれがこの一つのセットかぎりのものであるなら、何かこのメカニズムがしていたことの発展型であると感じられるようなものが再配置されるのかどうか?
3、
雷のトカゲ/Thunder Lizard 4UG
クリーチャーートカゲ(レア)
6/6
CADENAMEが戦場に出るか攻撃した時、パワーが4以下のすべてのクリーチャーをタップする。
「それは世界を揺るがす。文字通り。」
KEN:いいファッティだ。「小さいものを飲み込む」というのはいい恐竜のメカニズムだ。
奇妙なのはそれがでたらめな金色であることだ。
しかし、これはあの有名なタイタンの「戦場に出るか攻撃したとき」能力を得た。
タイタンは、私が彼らの上を踏まないようにするくらいには有名だ――私は、1つの誘発条件か他のものを選ぶだろう。
デザインにおいては無関係なフレイバー・テキストは時々ならオーケーだ。
我々はたくさんのカードをデザインする。我々はたくさんのカードデザインを読む。
もし皆がきみの無関係なフレイバーテキストを読まなければならないとしたら、それは会社の時間と資源を浪費している。
個々のカードのための推進活動(キャンペーン)をすることは慎重に選ばなければならない。

しかしファッティは大好きだ!

AJ:このM10(訳注:M11もしくはM12の間違いかと思われる。)タイタンの変種は私に何も感じさせてはくれません。
私にはなぜこれが緑なのか、あなたの割り当てを埋めること以外には、分かりません。
これは私にはレアほどの派手さを感じさせませんが、しかしアンコモンとしては明らかに強すぎます。
他には――私がリミテッドをプレイしているのでないかぎり、これをレアとして引いても嬉しくはならないでしょう。――私はカードを、「よりレアらしい」か「よりアンコモンらしい」か、どちらかにしようと努力しています。

KD:この「デカブツ・マター」は評価しますが、しかし私はなぜこれをプレイしたいのかわかるために一瞬考えなくてはならなかったので、減点です。
私はSerious Funのライターはこれについて書くだろうと思いましたが、しかしそれは理想的な選択ではありません。

MR:きみが世界の進化を示すのなら、恐竜から始めるのは気に入った。
このカードは私には少々やっかいで、アンコモンになりたがっているように見えるが、しかしこれは少なくともきみの第一セットの方向性を私に感じさせてくれる。
私も、これが「戦場に出るか攻撃したとき」の誘発条件と、特にそれが6/6であることでタイタンに非常に似ていると感じさせるという、ケンとアレクシスの意見には同意だ。
4、
忙しいビーバー/Busy Beavers 2U
クリーチャーービースト(アンコモン)
1/3
CADENAMEが戦場に出たとき、各プレイヤーは島への移住を行う。(各プレイヤーは土地を1つ生け贄に捧げ、その後自分のライブラリーから基本の島カードを1枚探し、それをタップ状態で戦場に出し、その後自分のライブラリーを切り直す。)
KEN:このカードは笑えるほどの失敗作だ。
「移住」キーワード行動は強烈だ。
我々は本当に、このブロックのそんなに多くのカード上に《輪作》を乗せるのか?
これを手にしたら――私は自分のみすぼらしい憎むべき特殊土地から楽しい基本の島へ移住するんだろう、さもないと私の原初呪文を失敗するかもしれないからな。
移住つきの特定のカードは、デッキに島のない対戦相手に対しては《リシャーダの巾着切り》相当のものになる。
このような移住は、各基本土地を2枚ずつ散らす「ドメイン」的マナベースにさせるような、大きな負の圧力をかける。
もしきみがこのデッキ構築の決め事を忘れるようなら・・・きみは《輪作》の代わりに《石の雨》を持った2Uの1/3と戦うことになる。
移住カードはまた、きみがそれをプレイするときにすでに5枚の島を戦場に出しているのできみは土地を一つ失うという、間抜けな瞬間をも含む。
対戦相手は、きみが基本の島を見つけられなかったデッキをおどおどとシャッフルするのを見てそれがわかるわけだ。

すべてのゲーマーに質問――ロード画面が好きか?
きみがゲームをプレイしていて、そしてロード画面が出ているところを想像してくれ。
スキップしたいか?
マジックはロード画面のような、シャッフルを強いる効果を有している。
God of WarやDeathSpankのようなロード時間を短縮したゲームは、そのカテゴリー内の似たゲームに勝る、鍵となるセールスポイントを持っている。
(訳注:God of WarはPS2のゲームで、プレイ中に逐次データを読み込んでいるためロード時間にゲームを遮られることが少ない・・・らしい。参考:ウィキペディア。DeathSpankについては、ウィキペディアには英語版ページしかなかったのでよくわからなかった。)

マジックのデザイナーは、マジックに不必要にロード時間を加えないよう注意しなければならない。

AJ:プレビュー・カードのように、あなたの移住のありふれた実装品を見るのに興味がありました。
このカードは私に、移住は常に対照的(訳注:自分と相手両方に作用する?)なのであって、面白く、シンプルで、リミテッドで役立つメカニズムのように見えたそれをあなたは図らずもいらいらする青い土地破壊メカニズムに変えてしまったのかと、(残念なことに)悪い第一印象を与えました。

KD:これはLimited Informationの著者が、このようなカードを使うこと、使われることの両方において、リミテッドでのこの新メカニズムの意味について書くのには面白いカードです。

MR:私がこれを正しく理解したのか確認させてほしい。2Uで私は対戦相手に、彼か彼女が青をプレイしていないかぎり土地を1つ生け贄に捧げさせることができるのかい?私は今ディベロッパーではないが、これはいささかフェアでないように見える。

私はきみが移住でやろうとしているフレイバーの核を理解する。
私は第一セットがより原始的だと感じられるこのアイデアは好きだ。
きみが陥っている問題は、プレイするためにメカニズム自体を面白くすることよりも、フレイバーに合わせる事の方に集中しているということだ。
きみが土地を1つ生け贄にして島を1つ得るのはいい。
きみの対戦相手にそうさせることは、特に彼らが島を持ってさえいない場合は、ダメだ。

きみが自身に問いかけてもらいたいのは、このセット(およびブロック)において移住は何をするのかということだ。
もしきみがそれに重要な役割があると感じるならば、あなたはそのフレイバーに合うようなメカニズムを作る方法を知らなければならない。
このカードは、きみがそれで実現しようとしていると思われるフレイバーのために、ゲームプレイを犠牲にしている。
5、
絶滅の槍/Spear of Extinction 6
伝説のアーティファクトー装備品(神話レア)
装備しているクリーチャーは+3/+3の修整を受ける。
装備しているクリーチャーがいずれかのクリーチャーに致死ダメージを与えたとき、そのクリーチャーとクリーチャー・タイプを共有するすべてのクリーチャーを破壊する。
装備4
KEN:この「致死」という言葉は…きみが思っているようなものを意味するとは思わないが。
致死はダメージの種類やタイプではない。
致死ダメージを受けたクリーチャーというのは、「このクリーチャーのダメージがそのタフネス以上である」が論理的に真であることだ。
このカードから「致死」を取り除けば、エルフやゴブリンのファン・デッキにおけるチャンプ・ブロックを封じる超コストの強化装備が手に入る。
That’s a fine place for a card to be, I ’spose.
(一文分からない。I’sposeって調べても出てこないんだけど?)

AJ:あなたがブロックの概要で言及しなかったので、私はストーリーラインでのこのカードの意味を推測することしかできませんが、ここには強いフレイバーがありそうです。
このカードは「相手対応」型カードの問題に陥っています。
それらは対戦相手がそれらを起動させるための何かをしなければならないという状況を含み、その結果は彼らにとってひどいものです――これらのカードは、それらがすると言っていることを、実際には決してしないという傾向があります。
この装備品はクリーチャー・タイプを共有していないデッキに対しては悪い《ヴァルショクの装具》で、逆に、部族デッキに対しては、それは実際にはなんでも殺すというよりよりはむしろ、クリーチャーをブロックされない《Moat》にするのです。
To solve these problems, you can either put more control in the hands of the user, or force the opponent to choose between two things of reasonably similar weight, rather than "do nothing" and "kill all your creatures."
(ここも訳せなかった・・・相手に二つを選ばせるのだということは分かるんだけど)
たしかに、これが挑発によってうまく働くことはわかっていますが、しかし神話レアにはそれ自身のメリットで使えるようであってほしいと思います。

KD:フレイバーに溢れた伝説のアーティファクト――いいね。
私は、しかし、どんなストーリーが種族すべてを絶滅に追いやる槍について語れるかどうかわからないな。

MR:デザイナーが常に答えられなければならない質問の一つは「このセットには部族要素があるのか?」というものだ。
もしこの答えがノーなら、このカードは少々そぐわないだろう。
これについて考えるもう一つの方法は、場に複数のクリーチャー・タイプが同時に存在していると想定することだ。
そうでないなら、なぜこのカードはこのセットにあるのか?

また、私が二つの部分を好きでいるためには、それらが互いに協調していなければならないだろう。
タフネスの増強は、きみが生き残り、再び殺す助けとなるが、しかしこれは装備品で、装備したクリーチャーが死ぬのはそんなに大した取引じゃない。

第3に、主観だが、私にはこのカードは神話レアであるようには感じられない。
私はこれをレアにするだろう。

しかし、私の最大の関心事は、これがこのセットにどんなフレイバーを導入するのかはっきりしないことだ。
プレビューの10枚のカードのみで、それぞれがきみのセットの何かを表すことを私は望み、そしてこのようなカードをテーブルに持ってこないことを望むだろう。
私はこれが嫌いだと言っている訳じゃない。これは奇抜な能力だ。しかし、私はこれがきみの大きな絵において何をするのかが分からないんだ。
(後編につづく)

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