Great Designer Search 3 ファイナリスト
JEREMY GEIST(5人目)
TRIAL 3
予選も折り返しなので、課題の内容をおさらいしておく。(詳しくはMaking Magic:デザインを読む http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0030344/ を参照)
・各2色カードを1枚ずつ、計10枚作る
・クリーチャー、エンチャント、インスタント、プレインズウォーカー、ソーサリーを2枚ずつ、異なる色で作る
・コモン、アンコモン、レア、神話レアを少なくとも2枚ずつ作る
・未定義のスタンダード準拠のセットのためにデザインする
・使えるキーワードは常盤木と落葉樹のみ、新キーワードを作ってはいけない
実際やってみると、作れば作るほど制限がかかってきて、難しい課題です。
**********
JEREMY GEIST
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-jeremy-geist-2018-03-09
デザイン.1
お前の毒を選べ/Pick Your Poison (レア)
(3)(黒)(緑)
ソーサリー
数字の合計がちょうど〈4〉になるように、望む数のモードを選ぶ。あなたは同じモードを2回以上選んでもよい。
〈1〉クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを1個置く。
〈2〉接死を持つ黒の1/1の蛇・クリーチャー・トークンを1体生成する。
〈4〉ターン終了時まで、すべてのクリーチャーは-2/-2の修整を受ける。
[訳註:このテキストでは、出した蛇トークンにカウンターを置くことができない。意図通りだろうか。]
デザイン.2
魅了/Bewitch (レア)
(1)(青)(黒)
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
あなたはエンチャントされているクリーチャーをコントロールする。
エンチャントされているクリーチャーは-2/-2の修整を受ける。
デザイン.3
母熊/Mama Bear (コモン)
(2)(緑/白)
クリーチャー―熊
3/2
あなたがパワーが1以下のクリーチャーをコントロールしているなら、母熊は+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
[訳註:なんで《仔熊》がいても強くならないんだ!ぷんすか。o(*`ω´*)o]
デザイン.4
多相のプレインズウォーカー、パム/Pam, Shapeshifting Planeswalker (神話レア)
(2)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー―パム
3
+1:あなたは戦場にあるクリーチャー1体かパムでないプレインズウォーカー1人を対象に選んでもよい。そうしたなら、ターン終了時まで、パムはそのクリーチャーかプレインズウォーカーのコピーとなるとともに破壊不能を得る。パムがプレインズウォーカーのコピーとなったなら、このターン、あなたはそれの忠誠度能力が起動されていなかったかのように、それの忠誠度能力1つを1回起動してもよい。
-2:緑の3/3のウーズ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
-6:各プレイヤー1人につき、そのプレイヤーのライブラリーからクリーチャー・カードかプレインズウォーカー・カードを1枚探し、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。その後、各プレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。
デザイン.5
誰かの血の署名/Sign In Someone Else’s Blood (コモン)
(黒)(赤)
インスタント
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。誰かの血の署名はそれに3点のダメージを与える。
カードを2枚引く。
デザイン.6
気まぐれなジン/Whimsical Djinn (神話レア)
(4)(青)(赤)
クリーチャー―ジン
4/4
飛行
あなたのアップキープの開始時、以下からまだ選ばれていないもの1つを無作為に選ぶ。そうできないなら、気まぐれなジンをオーナーの手札に戻す。
・クリーチャーかプレインズウォーカーを最大2つ対象とする。気まぐれなジンはそれらに4点のダメージを与える。
・ターン終了時まで、気まぐれなジンは二段攻撃を得る。
・カードを3枚引く。
デザイン.7
混成/Mix (アンコモン)
(白)
ソーサリー
パーマネントにエンチャントされているオーラ1つを対象とし、それを適正にエンチャントできる他のパーマネントにつける。
//
適合/Match
(赤)
ソーサリー
装備品1つとクリーチャー1体を対象とし、その前者をその後者につける。
デザイン.8
かつてのソリン/Sorin, The Prequel (神話レア)
(3)(白)(黒)
伝説のプレインズウォーカー―ソリン
4
+2:各対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
-3:対戦相手がコントロールする土地でないパーマネント1つを対象とし、それをかつてのソリンが戦場を離れるまで追放する。
-10:「希望の天使アヴァシン」という名前の、飛行と警戒と破壊不能と「あなたがコントロールする他のパーマネントは破壊不能を持つ。」を持つ白の8/8の天使・クリーチャー・トークンを1体生成する。
デザイン.9
シャルルマーニュを忘れるな/Remember Your Charlemagne (アンコモン)
(白)(青)
インスタント
あなたがコントロールするアーティファクト1つか、オーラでないエンチャント1つを対象とする。ターン終了時まで、それは他のタイプに加えて5/5のクリーチャーになる。
[訳註:カード名の意味が不明……何かの故事成語か?]
デザイン.10
人間は許されない/No Humans Allowed (アンコモン)
(1)(赤)(緑)
エンチャント
あなたが人間をコントロールしていないかぎり、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
【全体的なコメント】
ひみつ(でもない)日記
JEREMY GEIST(5人目)
TRIAL 3
予選も折り返しなので、課題の内容をおさらいしておく。(詳しくはMaking Magic:デザインを読む http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0030344/ を参照)
・各2色カードを1枚ずつ、計10枚作る
・クリーチャー、エンチャント、インスタント、プレインズウォーカー、ソーサリーを2枚ずつ、異なる色で作る
・コモン、アンコモン、レア、神話レアを少なくとも2枚ずつ作る
・未定義のスタンダード準拠のセットのためにデザインする
・使えるキーワードは常盤木と落葉樹のみ、新キーワードを作ってはいけない
実際やってみると、作れば作るほど制限がかかってきて、難しい課題です。
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JEREMY GEIST
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/great-designer-search-3-finalist-jeremy-geist-2018-03-09
デザイン.1
お前の毒を選べ/Pick Your Poison (レア)
(3)(黒)(緑)
ソーサリー
数字の合計がちょうど〈4〉になるように、望む数のモードを選ぶ。あなたは同じモードを2回以上選んでもよい。
〈1〉クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを1個置く。
〈2〉接死を持つ黒の1/1の蛇・クリーチャー・トークンを1体生成する。
〈4〉ターン終了時まで、すべてのクリーチャーは-2/-2の修整を受ける。
[訳註:このテキストでは、出した蛇トークンにカウンターを置くことができない。意図通りだろうか。]
Eli Shiffrin:おや、最初から派手にルールを掻き乱すデザインです!これをサポートするルールはそこまで悪くはなさそうですが、いくらかの作業は確実に必要です。
2つの重要なことを忘れずに。モードは印刷された順序で行われ、対象はいずれかのアクションが実行される前に選択します。カードのデザインがそれらのルールを破るように強く訴えていたとしても、あなたはプレイヤーたちと戦わなければならず、誰も幸せにはなりません。このことはあなたが思う以上に実行可能なデザイン空間を制限するかもしれませんが、それでもこのデザイン空間から5枚ないし10枚の完全なサイクルが出てこないなら、私は驚きますね。
Erik Lauer:この数字によるコストは柔軟性があり、斬新だが、しかしいくらかの人々はこの数学を楽しまないだろう。
Melissa DeTora:ここに何が書かれているのかと考えてみましたが、実際に見たのは、4つから選ぶモード呪文が変装したものでした。この選択肢を増やし、数字を大きくすることで改良できると思いますが、そうすると、過度に複雑な超数学的カードになり、おそらくテキストがカードに収まらなくなるでしょう。加えて言うと、これらの選択肢が重み通りとは思えません。例えば、2体のヘビは《蔓延》と同じマナの価値ではありません。
Ethan Fleischer:このデザインは、各モードがほぼ同じ強さでなければならないという、モード呪文の共通の問題を解決するものですね。経験の少ないプレイヤーとのプレイテストをしてみるべきだとは思いますが、しかしこれは呪文のサイクルのための、探検する価値のある新しい空間でしょう。
Mark Rosewater:これは私のお気に入りデザインの一つで、興味深くこれまで触れられていなかったデザイン空間を活用している。Eliの言うように、一見してわかるよりも少し制限があるが、君はセットのクールで新しい構成要素になる可能性のあるものに触れている。また、1つのモードが緑、1つが黒緑、もう1つが黒であるのが嬉しい。それは世界中のメル[訳註:メルヴィン、ルール的な整合性に美を見いだす人々]をとても幸せにする。
デザイン.2
魅了/Bewitch (レア)
(1)(青)(黒)
エンチャント―オーラ
エンチャント(クリーチャー)
あなたはエンチャントされているクリーチャーをコントロールする。
エンチャントされているクリーチャーは-2/-2の修整を受ける。
Erik Lauer:影響が少ない《支配魔法》という方向性は好きだ。だが、私はまだ大好きというわけではない。これはまったく斬新ではないし、3マナの《支配魔法》が楽しいかどうかわからない。
Melissa DeTora:クールな《支配魔法》効果だと思いますが、非常に攻めたコストです。この欠点はこのマナの減少を正当化するものではありません。いくらか数を調整すれば、これは魅力的になると思います。
Ethan Fleischer:これはかなり興味深いものです。小型クリーチャーに対する除去呪文、および大型クリーチャーに対する弱体化《精神の制御》です。これは実際に、最初はアンコモンで試して、リミテッドにどれほど影響があるかを見てみたいですね。通常、《精神の制御》は他のアンコモンと比べても強すぎるものですが、これは試してみる価値があると思います。
Mark Rosewater:このデザインは好きだ。ユニークだがシンプルな方法で異なる2色を組み合わせている。ピンチなときに除去呪文としても使え、余裕があればより大きな脅威を盗むのに使いたいと思えるのが好きだね。
デザイン.3
母熊/Mama Bear (コモン)
(2)(緑/白)
クリーチャー―熊
3/2
あなたがパワーが1以下のクリーチャーをコントロールしているなら、母熊は+1/+1カウンターが1個置かれた状態で戦場に出る。
[訳註:なんで《仔熊》がいても強くならないんだ!ぷんすか。o(*`ω´*)o]
Erik Lauer:コモンの混成クリーチャーをうまく作るのは簡単なことではない。非常に素晴らしい!
Melissa DeTora:コモンとしては、このカードはリミテッドのあらゆる緑または白のデッキの屋台骨になり、3マナ4/3は非常に攻めたコストです。このフレイバーはとても魅力的だと思いますが、プレイヤーがどれくらいの頻度でこれらのコモンを目にするのかは忘れないでいてください。私ならこれとは別の方向に舵をとっていたでしょう。〈母熊〉にではなく、小さなクリーチャーにカウンターを置くように。フレイバーはそのまま残り、多くのリミテッドのゲームで4ターン目に大きすぎるクリーチャーで殴られることはなくなります。
Ethan Fleischer:私を「(*´ω`*)」とするべく計算され尽くした、とてもかわいいカードです。しかし、あまり混成カードのように感じられませんね。緑はこうやって小さなクリーチャーを気にかけたりしないと思います。また、これがプレイヤーにどのような種類のデッキを組ませたいと思わせるのかわかりません。これは楽しいものなのでしょうか?
Mark Rosewater:君は、魅力的で、新しく、フレイバー的なコモンの混成カードを作ることができた。それは簡単な事ではない。
デザイン.4
多相のプレインズウォーカー、パム/Pam, Shapeshifting Planeswalker (神話レア)
(2)(緑)(青)
伝説のプレインズウォーカー―パム
3
+1:あなたは戦場にあるクリーチャー1体かパムでないプレインズウォーカー1人を対象に選んでもよい。そうしたなら、ターン終了時まで、パムはそのクリーチャーかプレインズウォーカーのコピーとなるとともに破壊不能を得る。パムがプレインズウォーカーのコピーとなったなら、このターン、あなたはそれの忠誠度能力が起動されていなかったかのように、それの忠誠度能力1つを1回起動してもよい。
-2:緑の3/3のウーズ・クリーチャー・トークンを1体生成する。
-6:各プレイヤー1人につき、そのプレイヤーのライブラリーからクリーチャー・カードかプレインズウォーカー・カードを1枚探し、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。その後、各プレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。
Eli Shiffrin:プレインズウォーカーに破壊不能を与えるときには注意してください。そのプレインズウォーカーはダメージによる除去から守られることはありませんが、プレインズウォーカーが破壊不能を得ると言っているなら、それを意図しているのだと簡単に誤解されてしまうでしょう。
Erik Lauer:これは斬新ではあるが、実のないように思えるテキストが多すぎる。
Melissa DeTora:とてもクールな+1だと思います。能力はどれも、コストと数字に関する限りでは、妥当に思います。懸念は、この奥義は多人数戦では非常に時間がかかることです。各ライブラリーを探している間、他のプレイヤーが待たされることを考えてください。しかしそれは簡単に修正できることであり、全体的にはかなり好きです。
Ethan Fleischer:シェイプシフターの緑青のプレインズウォーカーというアイデアは好きです。このウーズ・トークンは、シェイプシフターのキャラクターとテーマ的に合っている、ナイスでシンプルなものです。私は《袖の下》効果が本当に嫌いですが、プレインズウォーカーの奥義としてならオーケーだと思いますし、忠誠度が残っていれば、次のターンにその最大のものをクローンできますね。プレイヤーが良いクリーチャー(またはプレインズウォーカー)を唱えたり、デッキに入れたりすることを罰するカードには気をつけてください。
Mark Rosewater:3つの起動型能力はそれぞれ好きだ。残念ながら、私にはそれらの相互作用がわからなかった。優れたプレインズウォーカーをデザインする鍵は、どの順序で能力を使えばより大きな利益を得られるのか、プレイヤーが道筋を模索できるようにすることだ。君の道筋はまったくつながっていない。その上、君のフレイバーは結びついていない。パムはシェイプシフターだ。それは+1の起動型能力を説明している。なぜ彼女はウーズを作るのか?なぜ彼女は他人のクリーチャーやプレインズウォーカーを召喚できるのか?メカニズム的にもフレイバー的にも一貫していない。要するに、要素は好きだが、それらは同一のジグソーパズルを構成してはいないように見える。
デザイン.5
誰かの血の署名/Sign In Someone Else’s Blood (コモン)
(黒)(赤)
インスタント
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。誰かの血の署名はそれに3点のダメージを与える。
カードを2枚引く。
Erik Lauer:また良いコモンだ。
Melissa DeTora:これには全く新しいところがなく、ただの《祭壇の刈り取り》です。時にはクリーチャーが生き残るという利点があり、相手が対象を除去できるという欠点がありますが、あまり革新的なものではないと思います。
Ethan Fleischer:よくわかりませんね。対象とするクリーチャーのタフネスが3以下なら、実際にはただの追加コストに過ぎません。このカードのカラーパイが妥当であるか疑わしいです。また、プレイヤーはよく、マナ・スクリューから抜け出すために軽いドロー呪文を使います。このカードはあまりその役には立ちません。
Mark Rosewater:良いコモンの多色のデザインでは、全体を複雑にすることなく、ある色の能力に他の色の要素を足して調整する方法を見つける必要がある。君はそれをうまくやった。
デザイン.6
気まぐれなジン/Whimsical Djinn (神話レア)
(4)(青)(赤)
クリーチャー―ジン
4/4
飛行
あなたのアップキープの開始時、以下からまだ選ばれていないもの1つを無作為に選ぶ。そうできないなら、気まぐれなジンをオーナーの手札に戻す。
・クリーチャーかプレインズウォーカーを最大2つ対象とする。気まぐれなジンはそれらに4点のダメージを与える。
・ターン終了時まで、気まぐれなジンは二段攻撃を得る。
・カードを3枚引く。
Eli Shiffrin:モードを持つ誘発型能力がそのモードを選択できない場合、それはスタックから取り除かれます。これは、この能力がこのクリーチャーをバウンスすることは非常に難しいということです。 私はあなたが望むようにこれの機能を変更できるだろうとは思いますが、このような基本的な前提に触れるとデジタルの場で問題を起こす可能性があると学んだので、私の保証には、デジタル部門へどう連絡するのかという大いなる注意書きが付いてきます。
Erik Lauer:とても良い。
Melissa DeTora:このカードは素晴らしいですね。これは適切なランダム性を持っていると思います。このようなランダムな選択肢を持つ呪文を見ると、私はいつも自分に問いかけます。間違った選択肢を得た場合にゲームの結果が決まってしまうかどうか。望んでいない選択肢を得た場合でも幸せになれるかどうか。これの場合は、能力がどれもイカれているので、どれが選ばれても問題ありません!
すべてのモードを使いきったとき、ゲームがどうなっているかわかりません。モードの1つだけでも行えば、相手を非常に遠くに引き離すことになるでしょう。私はこのデザインが本当に好きですが、このカードは強すぎる上に振れ幅が大きすぎ、選択肢のレシオを少し抑えてもよいと思います。このようなカードは統率者戦のようなものには合っていますが、主要なブースター商品をデザインするときは、2人プレイヤーのゲームでどのようにプレイされるかを考える必要があります。
Ethan Fleischer:このカードが神話レアに値するとは思えません。これはあまりにも間抜けでランダムです。このようなタイプのカードはスパイクにとってあまり魅力的ではないので、これを構築のために押したくはありません。これは、リミテッドのボムか、カジュアル・カードとしてのみ、役割を持てるでしょう。それらの役割としてプレイテスト・ファイルに入れれば、おそらく魅力的になると思います。
Mark Rosewater:このデザインは危険な空間を使っている。君はスパイクとタミー[ティミー]両方が好むカードを作ろうとしているが、それは難しいことだ。これの能力が互いに違っていて、どれもかなり有用である点で、君はおおむねこの任務を達成している。 このカードはエキサイティングで楽しくプレイされるだろうと信じている。
テクニカルな助言をするなら、私なら最初のモードを少しシンプルに変えるだろう。通常、プレイヤーに多くの異なる文節を読むように要求するカードの場合、それらを可能な限り分かりやすくする必要がある。2つの異なるカードタイプをとれる、2つの異なる対象を持つのは、少々複雑に見える。また、君がメル[メルヴィン]を幸せにしたいなら、青の能力を1つ、青赤の能力を1つ、赤の能力を1つ行うようにすることだ。
デザイン.7
混成/Mix (アンコモン)
(白)
ソーサリー
パーマネントにエンチャントされているオーラ1つを対象とし、それを適正にエンチャントできる他のパーマネントにつける。
//
適合/Match
(赤)
ソーサリー
装備品1つとクリーチャー1体を対象とし、その前者をその後者につける。
Erik Lauer:とても一貫した分割カードだ。
Melissa DeTora:魅力的ですが、このカードは非常に狭いものです。分割カードを作る理由はプレイヤーに選択肢と汎用性を与えることであり、このカードは実際にはそうしません。これは簡単に分割でない1マナの混成カードにできます。両側がインスタントだったなら、もう少しの柔軟性があったでしょう。〈適合〉の機能は装備コストを減らすか、相手の装備品をあなたのクリーチャーに一時的に移動させることでしょう。その効果はカード1枚分の価値があるほど強いとは思いません。
Ethan Fleischer:このカードのモードはどちらも非常に狭く、どちらもかなり弱い効果です。両側が1マナであっても、デッキに入れるところが想像しにくいですね。
Mark Rosewater:この並列構造の欠如は、私のこのカードに対する美的感覚を混乱させる。通常、分割カードはここまで近いものにはしたくない。また、これは2色の分割カードではなく、モードを持つ白単色のカードになりたがっているようだ。
デザイン.8
かつてのソリン/Sorin, The Prequel (神話レア)
(3)(白)(黒)
伝説のプレインズウォーカー―ソリン
4
+2:各対戦相手は1点のライフを失い、あなたは1点のライフを得る。
-3:対戦相手がコントロールする土地でないパーマネント1つを対象とし、それをかつてのソリンが戦場を離れるまで追放する。
-10:「希望の天使アヴァシン」という名前の、飛行と警戒と破壊不能と「あなたがコントロールする他のパーマネントは破壊不能を持つ。」を持つ白の8/8の天使・クリーチャー・トークンを1体生成する。
Erik Lauer:これはぴったりではあるが、「このプレインズウォーカーを除去できるかどうかで決まるゲーム」ばかりになるのは好きじゃないな。
Melissa DeTora:クリーチャーを追放してから、このプレインズウォーカーを守るのか、あるいはクリーチャーを戻すのか、興味深い緊張感があります。しかし、1枚のプレインズウォーカーとしては非常に弱いと思います。これは5マナでは少々重く、そしてプラスで得られるのは1点のドレインだけです。プラスにあまり価値がないので、マイナスを使うためにこれをデッキに入れるでしょうが、このマイナスは5マナに見合う価値はありません。
このカードは多人数戦を念頭に置いて作られたように見え、ゲームのプレイヤー数に応じて拡大する能力だったならより面白くなるでしょう。(各プレイヤーのクリーチャーを追放する。)
現状では、このカードはプレイヤーを興奮させるには弱すぎると思います。
Ethan Fleischer:これは素敵でフレイバー的です。+2能力はソリンの吸血鬼としての根源的な個性。-3能力は《獄庫》の能力に似ており、そしてソリンの奥義はアヴァシン・トークンを生成するものです。初期のイニストラードを思い起こすようなセットをやるなら、このようなデザインが適切かもしれません。
Mark Rosewater:このカードについての私の注意は、君の前のプレインズウォーカーの注意と似ている。この要素は好きだが、それらは全体として魅力的になるわけではない。たとえば、もしアヴァシンがあなたのライフの総量と等しいパワーとタフネスを持つ*/*のクリーチャーだったら、君のライフは奥義に到達するために何かの意味を持つだろう。
まん中の能力は、むしろ奥義に到達するチャンスを減らしてしまう。何故なら、一度何かを封じ込めてしまい、ソリンを生き残らせた上で奥義を使おうとすれば、奥義は実質的に-11になるからだ。
フレイバーは評価できるし、ソリンはパムよりはつながりを感じさせてくれるが、印刷するまでにはまだ一連の調整が必要だと思うね。
デザイン.9
シャルルマーニュを忘れるな/Remember Your Charlemagne (アンコモン)
(白)(青)
インスタント
あなたがコントロールするアーティファクト1つか、オーラでないエンチャント1つを対象とする。ターン終了時まで、それは他のタイプに加えて5/5のクリーチャーになる。
[訳註:カード名の意味が不明……何かの故事成語か?]
Erik Lauer:面白いが、《アーティファクトの魂込め》に何も斬新さを加えてはいない。
Melissa DeTora:良いアイデアです。これを柱にしてデッキを作るのは非常に難しいと思います。ほとんどのリミテッドデッキはエンチャントを多くはプレイしないため、これは非常に狭いコンバット・トリックになります。このカードを柱に構築戦のデッキを作る場合、エンチャント・デッキに一時的な5/5を入れたいとは思えません。より興味深いアプローチは、エンチャントを恒久的に動かすオーラにすることだと思います。(これまでアーティファクトにやってきたことです。)
[訳註:確証はないがなんとなく、アーティファクトも対象にできることを見落としているような気がする?]
Ethan Fleischer:これは確かに白青のカードです。リミテッドでは狭く、弱いカードのように見えます。これがアーティファクトやエンチャントでデッキを埋めることへの適切な見返りであるとは思いませんが、しかし1枚分の枠の価値はあるでしょう。
Mark Rosewater:これは魅力的な白と青の重複能力だ。君がオーラの問題を把握し、回避してくれて嬉しいよ。これが少々狭いものだという、他の審査員の意見には同意だ。全体としては、賢いデザインではあるが、限られたセットでしか機能しないだろう。(つまり、「未定義のスタンダード準拠のセットのためのデザイン」のルールにはあまり合っていない。)
デザイン.10
人間は許されない/No Humans Allowed (アンコモン)
(1)(赤)(緑)
エンチャント
あなたが人間をコントロールしていないかぎり、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受けるとともにトランプルを持つ。
Erik Lauer:この構築の柱になるアンコモンは好きだ。
Melissa DeTora:ナイスで、シンプルで、リミテッドで柱になり、構築でもプレイヤーを興奮させるだろうアンコモンのエンチャントです。クール!
Ethan Fleischer:マジック最大の部族である人間は、奇妙な位置にいます。「人間以外の部族」というアイデアにはメリットがありますね。プレイ・デザインのチーム的に、およびこのカードのコンセプト的にはいくらか課題がありますが、適切な調整を検討する価値のあるデザイン空間だと思います。
Mark Rosewater:反部族という点で興味深いデザインだ。頻繁に行うことではない。君は、赤と緑の重複部分を使うのではなく、それぞれの異なる能力を混ぜ合わせたものを使うべきだったと思うね。
【全体的なコメント】
Erik Lauer:多くの素敵なカードがあり、いくらかの斬新さがあった。君のデザインは、候補者の中で最もエレガントであり洗練されている。君は「安全なプレイをしている」ように感じられ、洗練されたデザインは、確かに、君をトップ8に導いた素晴らしい戦略ではある。今度はいくらかのリスクを負うときであり、単に生き残るだけでなくより印象を与えるべく挑戦し、どうなるかを見てほしい。
Melissa DeTora:全体的には、あなたのアイデアは面白いと思いました。アイデアの多くは革新的で、新しいデザイン空間を模索し、深いものでした。しかし、パワーレベルは乱雑でした。パワーレベルを評価するときは、標準的なリミテッドのゲームでどのようにプレイされるかを想像してみてください。もし、あるカードがリミテッドで凶暴なビートダウンカードなら、レアリティを見直してください。それがレアより下なら、もう一度見直してください。それがレアまたは神話レアなら、あなたの側にない場合にどれくらい楽しいか自問してください。
主要なブースター商品にとって、リミテッドが最も重要なフォーマットだと言うわけではありませんが、初心者の多くは限られたカードプールで遊んでマジックを体験します。
あなたのより高いレアリティのカードは非常にクールに見えましたが、それらの多くはパワーレベルの基準から外れていました。
Ethan Fleischer:あなたは、トップダウン・デザインの方法をよく把握しており、また、マジックのカードでできることについてクールで新しいアイデアを持っています。総合的に、あなたのカードは、実際に唱えると楽しいように見えます。
プレイヤーのことを忘れずに!カードは、理想的には、誰かが手に入れてデッキに入れたいと思うものでなければなりません。カードが十分なことをしなければ、人々はそれをプレイしたいとは思わないでしょう。もちろん、すべてのカード、特にセットのコモンすべてがそうなっているとは限りませんが、心に留めておくのは大事です。
Mark Rosewater:君はこのデザイン・テストで、3番目に良いものを提出した。君のカードは、洗練されていると同時に革新性を持っていた。君は明らかにマジックのデザインの技法をしっかりと把握しており、素晴らしいアイデアをたくさん持っている。
私はErikに同意するが、おそらく君をここまで連れてきた良い戦略だったにしろ、君は少々安全なプレイングをしていると感じている。これからの課題では、もう少し突っ込んだデザインを見てみたいものだ。君はフレイバーに対する強いセンスを持ち、カードは全体的に適切だと感じるが、あまり派手さがない。初めて見たときに目玉が飛び出すカードが必要だ。君のカードに対する私の反応は、「ああ、我々はそれや類似のものを作れるな」だったが、決して「すげえ!」ではなかった。「すげえ!」を見る必要があるのだ。
ひみつ(でもない)日記
先日、ウィザーズ本社にトップ3が呼ばれ、最終審査が行われました。(マローのTwitterより。)
https://twitter.com/maro254/status/1004183632003493888?s=19
最終課題の内容はこんな感じ:
闇の隆盛の会議中、《降霊術/Seance》を変更しなければならなくなった。一時間で代わりのデザインを3枚分(!)提出すること。
・イラストに合っていること
・白のレアであること
・カードタイプは変えてもよい
・コレクター番号は変えられない(つまり、名前は《聖所の猫/Sanctuary Cat》と《銀爪のグリフィン/Silverclaw Griffin》の間に入るようにしなければならない)
結果、Ari Niehさんが優勝に選ばれた模様です。予選の内容は既に訳しましたね。
http://bluemen.diarynote.jp/201805241927079976/
提出されたデザインはまだ公開されてませんが、そのうち記事が書かれるでしょう。おめでとうございます。(*’ω’ノノ゙☆
これにてGDS3はほぼ終了、ですが翻訳のほうはまだまだ続く……といいな!(気力的な意味で。)
コメント
コピーになる能力と整合性を持つ能力...
3番目の能力を
あなたは「あなたの各第二メインフェイズの開始時にクローン相当のトークンを2体生成する。」の紋章を得る
にするとか?
それも変身対象に加えるようにすれば上記の能力と一貫性が取れますかね。
増え続ける《クローン》は、どれが何になっているのかわからなくなりそうです。
+1でやることが不定なので、後に続く能力とのシナジーが組みにくいですね。私の案としては、自分がコピーになるのは±0にして、別の+を作るのはどうかなと思います。(PWをコピーしたとき、忠誠度が二重で上がってくのも変に思いますし。)
追加する+能力は、コピーになる能力とシナジーがあるものとして、
〈案1〉
+1:クリーチャー最大1体を対象とし、それをタップする。それはそのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。
(相手の最大のクリーチャーを封じて自分はコピー)
〈案2〉
+1:各プレイヤーは自分のライブラリーから基本土地・カードを1枚探して戦場に出す。その後、各プレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。
(お互いマナを伸ばすが、相手がデカブツ出したらコピー)
〈案3〉
+1:クリーチャー最大1体を対象とし、それを追放する。そのコントローラーは自分のライブラリーから、点数で見たマナ・コストがそれと同じか1大きいクリーチャー・カードを1枚探して戦場に出す。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。
(変身/出産の殻。クリーチャーをでかくさせてコピー。強すぎる可能性。)
思いついたのはこれくらいですか。
奥義はわかりません。+によるでしょうね。
自軍のPWのコピーになるとレジェンド・ルールが適用されるのでしたくないし。(レジェンド・ルールを回避するようなコピー効果に変えるとなると、さらにテキストが長くなり、PWの1つの能力の枠には書ききれなくなるだろう。)
相手のPWをコピー、というのも相手依存で不安定だし。
+1ないし±0:クリーチャー最大1体を対象とする。ターン終了時まで、多相のプレインズウォーカー、パムはそのクリーチャーのコピーとなるとともに破壊不能を得る。
すっきり。