【翻訳】ナイトメアを忘れるな【マローコラム】
2014年8月14日 翻訳というか自分用メモ他人様の翻訳をまとめてばかりでも何なので、自分でも訳してみようと思いました。
訳したのは公式サイトのマローコラムの一番はじめの記事です。
時期的にはトーメントのプレビューのころ。もう12年も前ですか。
正確にはその前の週にマローによるサイトの紹介があるのですが、そちらはマジックのデザインとは関係ないし、マロー自身も「One Hundred and Counting」にて「公式のMaking Magicコラムではない」と言っているので省かせてもらいます。
サイト紹介コラム「"In the Beginning..."」
http://archive.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/feature/1
翻訳ですが、自分は学生時代から英語はからっきしだったので誤訳もあるかと思います。あくまで参考までに。
以下から本文。
******
原文旧URL
http://archive.wizards.com/Magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/daily/mr2
原文新URL
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/nightmare-remember-2002-01-07
ナイトメアを忘れるな
――ガーフィールド式絞殺者の進化――
Mark Rosewater
2002年1月7日
先週はこのサイトについて紹介することに紙面を費やしたので、このコラムは私自身を紹介することから始めようと思う。(そんなこともう知ってるよ、という場合は、君が自分で喋ってくれ――お題はこれだ:ウルザとファイレクシア化されたビーブルの戦隊とが戦ったら、どちらが勝つか?)
私の名前はマーク・ローズウォーター。私は世界で最もクールな仕事のひとつに就いている。マジックのカードを作っているんだ。厳密にいえば、私は「ウィザーズ・オブ・ザ・コースト研究開発部門シニア・デザイナー」ということになるが、冗談みたいだろ?
私はマジックのカードを作って生活している。ここでは6年間働いていて、その前は1年半、ウィザーズのためにフリーランスの仕事をしていた。マジックのエキスパンションのためにカードをデザインしたのはアライアンスからで、リード・デザイナーをしたのはテンペスト、アングルード、ウルザズ・デスティニー、オデッセイだ。
私は今はまた、2003年秋の大型エキスパンション、コードネーム「ベーコン」(続くエキスパンションは「レタス」と「トマト」だ)のリード・デザイナーをしているんだ。
(訳注:「ベーコン」はミラディンの開発コードネーム)
私はローラという素晴らしい女性と結婚していて、レイチェルという21ヶ月のかわいい娘がいる。ウィザーズで働く前はハリウッドでテレビ・ライターとして働いていて、そして、そう、あの噂は本当だ:
私は「ロザンヌ」のライティング・スタッフだった。(その話のひとつに、彼女がウェイン・ニュートンに会う、というものがある――私がそれを書いたんだ。)
(訳注:「ロザンヌ」は1988年から1997年までアメリカで放送されたTV番組。ウェイン・ニュートンはアメリカの歌手兼俳優。)
私は毎週のこのコラムで、諸君にマジックのデザイン過程について学んでもらいたいと思っている。ランディ・ビューラーは毎週金曜日にマジックのデベロップについて話すだろう。
デザインとデベロップの違いとは何か?長い答えでいうならば、毎週の我々のコラムを読んでくれ、ということになる。短く答えるならこうだ:
マジックのカードを作ることには、明確に区別された2つの役割が存在している。第1の役割には、「我々は何ができるだろうか?」と考える人々がいる。それらの人々、デザイナーは箱の外側について考え、境界を破壊してこのゲームを拡張しようとしている。彼らの仕事はこのゲームを面白いものにすることだ。
第2の役割には、「我々は何をすべきでないのか?」と考える人々がいる。それらの人々、デベロッパーは彼らのすべての時間を使って、その「面白い」カードがゲームを破壊してしまわないよう、十分にバランスのとれた適切なコストのものにしようとしている。彼らの仕事はこのゲームを公平なものにすることだ。
これら2つの役割が分けられている理由は、それぞれが異なる働きをするからだ。デベロップ的視点に支配されたデザイナーは、当たり障りのないカードを作ってしまう。デザイン的思考にとりつかれたデベロッパーはブッ壊れた環境を許してしまう。どちらもこのゲームにとって良いことではないので、R&Dはこの2つを分けることにしたのだ。
このコラムは第1のグループについてのものであり、ランディの金曜日のコラム「Latest Development」は第2についてのものである。2つのコラムのコンビは諸君に、マジックがどう作られているかについて良い理解を与えることだろう。
ふう!導入はこれでよし。さてと、ようこそMagictheGathering.comのナイトメア週間へ。どういうことか説明しよう。およそ1ヶ月に2度、我々はテーマを決め、すべての執筆者にコラムを書く助けとなるクールな題材として提供する。今週のテーマはナイトメア、トーメントの新メカニズムだ。
ナイトメアは次のような能力を持つクリーチャーだ:
ナイトメアが場に出たとき、プレイヤー1人(大抵は対戦相手)は何らかのリソースを失う(ライフ、場のクリーチャー、手札のカード、etc)。ナイトメアが場を離れたとき、そのプレイヤーはそのリソースを取り戻す。下はそのサンプル・カードだ。
私は「デザイン野郎」なので、このコラムを使って諸君にR&Dの世界への小旅行をしてもらおうと思う。
ナイトメアは来たれり!ライフを差し出せ!
メカニズムのはじまり
ナイトメア・メカニズムは、リチャード・ガーフィールドという名の若きゲーム・デザイナーの心に浮かんだアイデアから始まった。リチャードの名前に馴染みがないなら、彼のマジック歴を教えよう:
彼がマジックを作った!
それにとどまらず、リチャードはバイバック(テンペスト)、サイクリング(ウルザズ・サーガ)、スレッショルド(オデッセイ)など数々の新メカニズムを生み出した。私はテンペストのデザインでリチャードの働きにたいへん助けられたので、彼がオデッセイで働きたいと言ったときは嬉しかったね。
私はデザインの初期にはいつも、チームの全メンバーに、彼らが作った雑多なカードのアイデアを提出させる。2000年4月3日、リチャードは私に「マジック・デザイン・スクラップブック―RG」と題されたファイルをくれた。そこにはリチャードが数週間かけて生み出した沢山のカードたちが納められていた。
このリストの中には、のちにナイトメア・メカニズムの元となる(「strangling/絞殺」と呼ばれていた)カードの一群が含まれていた。カードは彼が作った順番で並べられていたので、諸君らにはその系列のカードの進化を辿ってもらおう。
最初は、白いクリーチャーの一群だった:
黒への反転
リチャードによる次なる進化はわずかなものだ。ところで、リチャードは「鏡写し」呪文の大ファンだ――鏡写し呪文というのは2つの呪文が互いに対称となっているもののことだ。(リチャード最高のセットの1つと言えるアルファでは、例えば《白騎士》/《黒騎士》、《青霊破》/《赤霊破》、《死の掌握》/《生命の力》、などがある)。
そんなわけで、リチャードは黒にこの能力の鏡写しを作った:
付け加えておくと、私はよくこのようにデザインの過程を紹介するのが好きだ。印刷された多くのカードやメカニズムは、それ以前の雑多なアイデアから進化してきたものなのだ。最悪のカードがベストなアイデアの踏み台となることだってある。
オデッセイのデザイン・チームは、デザイン・ファイルのための多くのカードの作成に取り掛かった。手始めにコモンのクリーチャー1枚、アンコモンのクリーチャー1枚、レアのクリーチャー1枚を作った。その後、コモンの飛行クリーチャーを1枚加えた。
絞殺クリーチャーの作成において、我々は3つのことをした。
第1に、失うライフはそのクリーチャーのパワーと同じにした。これは半分はフレイバーのためで、もう半分はプレイヤーたちが失うライフを覚えやすくするためだ。
第2に、失うライフは2点から8点の間にした。
第3に、リチャードの元のコストは安すぎることが証明されたので、デザイン・チームはクリーチャーのマナ・コストを変更した。
ここにあるのが、オデッセイのデザイン中に変更されたクリーチャーたちだ。(セットがまだ「Argon」と呼ばれていたときのものだ。)
元々の計画はオデッセイにライフの絞殺を、その後でトーメントにクリーチャーや手札の絞殺を入れるというものだった。他のタイプの絞殺はジャッジメントに入れるのだ。だが、その後オデッセイはデベロップに回った。
居場所を見つける
オデッセイのチームは数多くのメカニズムをこのセットに詰め込んでいて、一つ一つを味わうことができないほどだった。枝葉を刈り取る過程で、ナイトメア・メカニズムは取り除かれた。
トーメントのデザイン中に、リード・デザイナーのビル・ローズはナイトメアが黒重視のセットにおける完璧なメカニズムだと考えた。彼はデザイン・チームのアイデアすべてと、彼自身のもの数枚をトーメントのデザインに加えたのだった。こうして諸君らはナイトメア・メカニズムを楽しめることになったのだ。
これが今回のコラムのすべてだ。今週は各コラムでそれぞれナイトメアについて書かれるので、期待していてくれ。数枚のカード・プレビューがあるだけでなく、数々のクールなナイトメアの使い方を知ることができるだろう。
次週:なぜトーメントは黒くなったのか、そいて待望の、諸君がマジックのカードを作る方法の詳細だ。
訳したのは公式サイトのマローコラムの一番はじめの記事です。
時期的にはトーメントのプレビューのころ。もう12年も前ですか。
正確にはその前の週にマローによるサイトの紹介があるのですが、そちらはマジックのデザインとは関係ないし、マロー自身も「One Hundred and Counting」にて「公式のMaking Magicコラムではない」と言っているので省かせてもらいます。
サイト紹介コラム「"In the Beginning..."」
http://archive.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/feature/1
翻訳ですが、自分は学生時代から英語はからっきしだったので誤訳もあるかと思います。あくまで参考までに。
以下から本文。
******
原文旧URL
http://archive.wizards.com/Magic/magazine/article.aspx?x=mtgcom/daily/mr2
原文新URL
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/nightmare-remember-2002-01-07
ナイトメアを忘れるな
――ガーフィールド式絞殺者の進化――
Mark Rosewater
2002年1月7日
先週はこのサイトについて紹介することに紙面を費やしたので、このコラムは私自身を紹介することから始めようと思う。(そんなこともう知ってるよ、という場合は、君が自分で喋ってくれ――お題はこれだ:ウルザとファイレクシア化されたビーブルの戦隊とが戦ったら、どちらが勝つか?)
私の名前はマーク・ローズウォーター。私は世界で最もクールな仕事のひとつに就いている。マジックのカードを作っているんだ。厳密にいえば、私は「ウィザーズ・オブ・ザ・コースト研究開発部門シニア・デザイナー」ということになるが、冗談みたいだろ?
私はマジックのカードを作って生活している。ここでは6年間働いていて、その前は1年半、ウィザーズのためにフリーランスの仕事をしていた。マジックのエキスパンションのためにカードをデザインしたのはアライアンスからで、リード・デザイナーをしたのはテンペスト、アングルード、ウルザズ・デスティニー、オデッセイだ。
私は今はまた、2003年秋の大型エキスパンション、コードネーム「ベーコン」(続くエキスパンションは「レタス」と「トマト」だ)のリード・デザイナーをしているんだ。
(訳注:「ベーコン」はミラディンの開発コードネーム)
私はローラという素晴らしい女性と結婚していて、レイチェルという21ヶ月のかわいい娘がいる。ウィザーズで働く前はハリウッドでテレビ・ライターとして働いていて、そして、そう、あの噂は本当だ:
私は「ロザンヌ」のライティング・スタッフだった。(その話のひとつに、彼女がウェイン・ニュートンに会う、というものがある――私がそれを書いたんだ。)
(訳注:「ロザンヌ」は1988年から1997年までアメリカで放送されたTV番組。ウェイン・ニュートンはアメリカの歌手兼俳優。)
私は毎週のこのコラムで、諸君にマジックのデザイン過程について学んでもらいたいと思っている。ランディ・ビューラーは毎週金曜日にマジックのデベロップについて話すだろう。
デザインとデベロップの違いとは何か?長い答えでいうならば、毎週の我々のコラムを読んでくれ、ということになる。短く答えるならこうだ:
マジックのカードを作ることには、明確に区別された2つの役割が存在している。第1の役割には、「我々は何ができるだろうか?」と考える人々がいる。それらの人々、デザイナーは箱の外側について考え、境界を破壊してこのゲームを拡張しようとしている。彼らの仕事はこのゲームを面白いものにすることだ。
第2の役割には、「我々は何をすべきでないのか?」と考える人々がいる。それらの人々、デベロッパーは彼らのすべての時間を使って、その「面白い」カードがゲームを破壊してしまわないよう、十分にバランスのとれた適切なコストのものにしようとしている。彼らの仕事はこのゲームを公平なものにすることだ。
これら2つの役割が分けられている理由は、それぞれが異なる働きをするからだ。デベロップ的視点に支配されたデザイナーは、当たり障りのないカードを作ってしまう。デザイン的思考にとりつかれたデベロッパーはブッ壊れた環境を許してしまう。どちらもこのゲームにとって良いことではないので、R&Dはこの2つを分けることにしたのだ。
このコラムは第1のグループについてのものであり、ランディの金曜日のコラム「Latest Development」は第2についてのものである。2つのコラムのコンビは諸君に、マジックがどう作られているかについて良い理解を与えることだろう。
ふう!導入はこれでよし。さてと、ようこそMagictheGathering.comのナイトメア週間へ。どういうことか説明しよう。およそ1ヶ月に2度、我々はテーマを決め、すべての執筆者にコラムを書く助けとなるクールな題材として提供する。今週のテーマはナイトメア、トーメントの新メカニズムだ。
ナイトメアは次のような能力を持つクリーチャーだ:
ナイトメアが場に出たとき、プレイヤー1人(大抵は対戦相手)は何らかのリソースを失う(ライフ、場のクリーチャー、手札のカード、etc)。ナイトメアが場を離れたとき、そのプレイヤーはそのリソースを取り戻す。下はそのサンプル・カードだ。
Soul Scourge / 魂の災い魔 (4)(黒)ちなみに、火曜日(訳注:このコラムの次の日)のコラムを書くアンソニー・アロンジは私が諸君にこのカードを見せていることは知らない。シー!彼に言わないでくれよ。
クリーチャー — ナイトメア(Nightmare) ホラー(Horror)
飛行
魂の災い魔が戦場に出たとき、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは3点のライフを失う。
魂の災い魔が戦場を離れたとき、そのプレイヤーは3点のライフを得る。
3/2
私は「デザイン野郎」なので、このコラムを使って諸君にR&Dの世界への小旅行をしてもらおうと思う。
ナイトメアは来たれり!ライフを差し出せ!
メカニズムのはじまり
ナイトメア・メカニズムは、リチャード・ガーフィールドという名の若きゲーム・デザイナーの心に浮かんだアイデアから始まった。リチャードの名前に馴染みがないなら、彼のマジック歴を教えよう:
彼がマジックを作った!
それにとどまらず、リチャードはバイバック(テンペスト)、サイクリング(ウルザズ・サーガ)、スレッショルド(オデッセイ)など数々の新メカニズムを生み出した。私はテンペストのデザインでリチャードの働きにたいへん助けられたので、彼がオデッセイで働きたいと言ったときは嬉しかったね。
私はデザインの初期にはいつも、チームの全メンバーに、彼らが作った雑多なカードのアイデアを提出させる。2000年4月3日、リチャードは私に「マジック・デザイン・スクラップブック―RG」と題されたファイルをくれた。そこにはリチャードが数週間かけて生み出した沢山のカードたちが納められていた。
このリストの中には、のちにナイトメア・メカニズムの元となる(「strangling/絞殺」と呼ばれていた)カードの一群が含まれていた。カードは彼が作った順番で並べられていたので、諸君らにはその系列のカードの進化を辿ってもらおう。
最初は、白いクリーチャーの一群だった:
ライフ男 (白)
クリーチャー―Aide(助手)
ライフ男が場に出たときに4点のライフを得る。ライフ男が場を離れたときに4点のライフを失う。
1/1
ライフ騎士 (1)(白)(白)
クリーチャー―騎士
ライフ騎士が場に出たときに6点のライフを得る。ライフ騎士が場を離れたときに6点のライフを失う。
先制攻撃
2/2
ライフ天使 (3)(白)(白)このライフ・クリーチャーたちはシンプルなフレイバーを持っていた:召喚者に一時的な力を与えるのだ。これらのカードはメカニズム的にはアイス・エイジの《Illusion of Grandeur》のような初期の青いカードと同じような働きをしていた。それらの幻影呪文は、幻影が破られないかぎり召喚者に一時的なボーナスを与えるのだ。
クリーチャー―天使
ライフ天使が場に出たときに12点のライフを得る。ライフ天使が場を離れたときに12点のライフを失う。
4/4
(訳注:天使なのに飛行がないのは原文通りです。)
黒への反転
リチャードによる次なる進化はわずかなものだ。ところで、リチャードは「鏡写し」呪文の大ファンだ――鏡写し呪文というのは2つの呪文が互いに対称となっているもののことだ。(リチャード最高のセットの1つと言えるアルファでは、例えば《白騎士》/《黒騎士》、《青霊破》/《赤霊破》、《死の掌握》/《生命の力》、などがある)。
そんなわけで、リチャードは黒にこの能力の鏡写しを作った:
デス男 (黒)
クリーチャー―Aide(助手)
デス男が場に出たときに4点のライフを失う。デス男が場を離れたときに4点のライフを得る。
2/2
デス騎士 (1)(黒)(黒)
クリーチャー―騎士
デス騎士が場に出たときに6点のライフを失う。デス騎士が場を離れたときに6点のライフを得る。
3/3
デス天使 (3)(黒)(黒)ここから、リチャードは別のひねりを考え付いた。黒のクリーチャーたちは、あなたではなく対戦相手に何かを失わせるとしたらどうだろう?この思考過程が次の2枚のカードから読み取れる:
クリーチャー―天使
デス天使が場に出たときに12点のライフを失う。デス天使が場を離れたときに12点のライフを得る。
6/5
絞殺男 (黒)
クリーチャー―Aide(助手)
絞殺男が場に出たときに対戦相手は2点のライフを失う。絞殺男が場を離れたときに対戦相手は2点のライフを得る。
1/1
絞殺騎士 (1)(黒)(黒)リチャードとオデッセイのデザイン・チームは、早期にこの絞殺メカニズムがとても楽しいものだと判断した。
クリーチャー―騎士
絞殺騎士が場に出たときに対戦相手は3点のライフを失う。絞殺騎士が場を離れたときに対戦相手は3点のライフを得る。
先制攻撃
2/2
付け加えておくと、私はよくこのようにデザインの過程を紹介するのが好きだ。印刷された多くのカードやメカニズムは、それ以前の雑多なアイデアから進化してきたものなのだ。最悪のカードがベストなアイデアの踏み台となることだってある。
オデッセイのデザイン・チームは、デザイン・ファイルのための多くのカードの作成に取り掛かった。手始めにコモンのクリーチャー1枚、アンコモンのクリーチャー1枚、レアのクリーチャー1枚を作った。その後、コモンの飛行クリーチャーを1枚加えた。
絞殺クリーチャーの作成において、我々は3つのことをした。
第1に、失うライフはそのクリーチャーのパワーと同じにした。これは半分はフレイバーのためで、もう半分はプレイヤーたちが失うライフを覚えやすくするためだ。
第2に、失うライフは2点から8点の間にした。
第3に、リチャードの元のコストは安すぎることが証明されたので、デザイン・チームはクリーチャーのマナ・コストを変更した。
ここにあるのが、オデッセイのデザイン中に変更されたクリーチャーたちだ。(セットがまだ「Argon」と呼ばれていたときのものだ。)
絞殺インプ (4)(黒)
クリーチャー―インプ (コモン)
飛行
CARDNAMEが場に出たとき、対象の対戦相手1人は2点のライフを失う。
CARDNAMEが場を離れたとき、対象の対戦相手1人は2点のライフを得る。
2/2
絞殺グール (5)(黒)
クリーチャー―ゾンビ (コモン)
CARDNAMEが場に出たとき、対象の対戦相手1人は3点のライフを失う。
CARDNAMEが場を離れたとき、対象の対戦相手1人は3点のライフを得る。
3/3
ゾンビ剣士 (5)(黒)
クリーチャー―ゾンビ・兵士 (アンコモン)
先制攻撃
CARDNAMEが場に出たとき、対象の対戦相手1人は4点のライフを失う。
CARDNAMEが場を離れたとき、対象の対戦相手1人は4点のライフを得る。
4/2
狂ったデーモン (5)(黒)(黒)(黒)これらのカードをプレイすればするほど、チームはこのナイトメア・メカニズムが楽しいものだと感じるようになった。そこでチームは、これを拡大したカードをデザインし始めた。ライフの締め付けが面白いのなら、クリーチャーとか手札のカードとかが面白くないわけがないだろ?
クリーチャー―ホラー (レア)
トランプル
あなたのアップキープの開始時、あなたの墓地のカードを4枚取り除くか、CARDNAMEを生け贄に捧げる。
CARDNAMEが場に出たとき、対象の対戦相手1人は8点のライフを失う。
CARDNAMEが場を離れたとき、対象の対戦相手1人は8点のライフを得る。
8/8
元々の計画はオデッセイにライフの絞殺を、その後でトーメントにクリーチャーや手札の絞殺を入れるというものだった。他のタイプの絞殺はジャッジメントに入れるのだ。だが、その後オデッセイはデベロップに回った。
居場所を見つける
オデッセイのチームは数多くのメカニズムをこのセットに詰め込んでいて、一つ一つを味わうことができないほどだった。枝葉を刈り取る過程で、ナイトメア・メカニズムは取り除かれた。
トーメントのデザイン中に、リード・デザイナーのビル・ローズはナイトメアが黒重視のセットにおける完璧なメカニズムだと考えた。彼はデザイン・チームのアイデアすべてと、彼自身のもの数枚をトーメントのデザインに加えたのだった。こうして諸君らはナイトメア・メカニズムを楽しめることになったのだ。
これが今回のコラムのすべてだ。今週は各コラムでそれぞれナイトメアについて書かれるので、期待していてくれ。数枚のカード・プレビューがあるだけでなく、数々のクールなナイトメアの使い方を知ることができるだろう。
次週:なぜトーメントは黒くなったのか、そいて待望の、諸君がマジックのカードを作る方法の詳細だ。
【マローコラム翻訳まとめ】まとめ
http://bluemen.diarynote.jp/201507011316246830/
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