《セラの報復者》
《信仰の見返り》
《移し変え》
《機知の戦い》
《ウスーンのスフィンクス》
《ウスーンのスフィンクス》
《余韻》
《始原のハイドラ》
《アクローマの記念碑》


神話2枚・・・といえば良い感じなのにこの残念臭はなんなんだー。

それと、M13フルスポのときにちらっと書いた
「再生はマジックから取り除くか、ルールを修整するべきである」
について、もうちょっと書いてみます。

というのも、このブログの検索ワードにこんなものがきていたからです。
2012年7月13日 20:57 ザスリッドの指輪 それを戦闘から取り除く 意味
2012年7月13日 20:55 ザスリッドの指輪 意味

自分が懸念していた、まさにそのものです。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

M13現在の再生の注釈文はこうなっています。(総合ルールの表記と、ほぼ変わりませんね。)
「このターン、次にこのクリーチャーが破壊される場合、破壊されない。代わりに、これをタップし、これに与えられているダメージをすべて取り除き、これを戦闘から取り除く。」

何が問題なのか?「再生」はアルファ版から存在し続けている由緒正しい能力では?

では自分が考える、再生の問題点を挙げてみます。

1.複雑である
普段はRegenerateの一語で表され単純極まりないテキストのふりをしていますが、実際には上で書いたような長いものです。

2.機能的に意味のない(狭い)ルールを含んでいる
「タップし」「戦闘から取り除く」の2つのことです。

通常は、この2つはあってもなくても変わらないものです。
再生が働くのは主に戦闘中で、「タップする」処理は、攻撃クリーチャーはすでにタップ状態なので再生してもタップすることはなく、ブロック・クリーチャーはタップしてもどうせすぐに自分のアンタップ・ステップがやってきます。「戦闘から取り除く」処理は、通常、すでにダメージを与え合った後で戦闘から取り除かれるため、意味はありません。

なぜこんな処理がくっついているのか?
おそらく、フレイバー的なもののためでしょう。トロールや骸骨は、ダメージによって一時的に無力な状態になりますが、すぐに傷を修復して起き上がるのです。

もちろん、熟練したプレイヤーはこの2つの処理が意味を持つ場面を知っています。
再生持ちには、先制攻撃持ちをぶつければいいのです。先制のダメージを受けた時点で再生してしまえば、戦闘から取り除かれ、先制持ちにダメージを与えることができません。
あるいは、戦闘前に火力を撃つなりして先に再生させておけば、そのクリーチャーはタップ状態になり、このターンは攻撃やブロックされることがなくなります。

しかし、ほとんどの場合意味がなく、カードに(注釈文としても)書かれてすらいないルールを熟練者が活用することは、はたして初心者に対してフェアといえるでしょうか?
初心者がこのルールの意味を知る時とは、おそらく、このルールを活用したプレイヤーによって一方的な不利をこうむった時、初めて知らされるのではないかと思います。
初心者が納得してくれればいいのですが。

そんなわけで自分は、この2つのルールは削られるべきだと思うのです。

3.直感的ではない
トロールや骸骨の体が修復されるのは、実にフレイバー的で、再生はさらに一時的な無力化状態まで表している。
どこが直感的ではないのか?

問題はその名前です。これについては「ゲームギャザ」2000年6月号のレミィさんの言葉を引用しておきましょう。

「再生ってコトは「生き返る」ってコトじゃないんですか?」

レミィさんはよく馬鹿の代名詞のように言われますが、自分は決して笑ってはいけないと思います。
自分もマジック始めたての頃は、再生はコストを支払って墓地から場に(いつでも!)戻す能力で、《火葬》されたカードはもう場に戻せないのだと分かるように区別して置いておくものだと思ってましたから。
《組み直しの骸骨》は、初心者が陥りがちなこの勘違いを、そのままカードにしてしまったものだと言えるかもしれません。

ちなみにレミィさんはこの件について画期的な解決法を提案しています。

「今日から再生って言うのやめましょう。生き残りと言うコトにしましょう。」

実にいい案です、ぴよぷー先生は天才ですね。英語にするとSurviveでしょうか。
その2で自分が出した案と合わせ、次のような新キーワードを作ることを提案します。

「(コスト):このクリーチャーを生存させる。(このターン、次にこのクリーチャーが破壊される場合、破壊されない。代わりに、これに与えられているダメージをすべて取り除く。)」

4.注釈文が、その役割を充分に果たしていない
注釈文は、始めて見る時にはルールの説明を得られ、慣れた後は単に無視できるという、ルールの導入には大変便利なものです。

しかし再生においては、注釈文を読むことで逆に混乱してしまうという懸念があります。

「戦闘から取り除く」とはどういうことだろう?
前述の検索ワードの方もこう思ったのでしょう。
説明とは、複雑な概念をより一般的な言葉で置き換えることですが、戦闘から取り除くことはちっとも一般的ではないのです。

あるいは他にも、「破壊される場合」という部分でも誤解が生じるかもしれません。
ルール上、ダメージによってクリーチャーは破壊されるものですが、そのことを知らない初心者は再生を単に「破壊する」と書かれた効果のみを無効にするものだと思うかもしれないのです。
これは、後述の5とも関係します。

5.クリーチャーが死ぬことについての相互作用が多すぎる
これは再生だけの問題ではありませんが、クリーチャーがどう死ぬかによって処理が変わってくる効果が、現在のマジックには多すぎるように思えるのです。

クリーチャーの「殺し方」としては、ざっと挙げて以下のようなものがあります。
・ダメージを与える(時に「それは再生できない」を含む)
・破壊する(時に「それは再生できない」を含む)
・追放する
・マイナス修整を与える

対して、「救い方」には以下のようなものがあります。
・ダメージを軽減する
・再生する
・「破壊されない」効果
・不死(頑強)

どの「殺し方」に対し、どの「救い方」が有効でしょうか?
「殺し方」も「救い方」も、ここに挙げたものだけではありません。ブリンク効果も「救い方」になるでしょうし、ダメージ源が萎縮や感染を持っているとまた違ってきます。

あくまで私見ですが、この相互作用を間違って覚えている/処理してしまう事態が増えているように感じられます。
M12から「戦場から墓地に置かれる」が「死亡」となったため、混乱を助長させている感もあります。

初心者の未熟さのせいにはできません。ルールは可能なかぎりシンプルであるべきです。
この相互作用の順列組み合わせから「再生」を削ることで、混乱を多少は軽減することができると考えます。


以上の観点から、自分は「再生」を(バンドやフェイジングのように)今後のセットから除外するか、ルールの一部を削除することを提案します。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

……ちょっと書くつもりが存外に長くなってしまいました。まあメルヴィン(ルール・グル)のたわごとと思って読み飛ばしてください。

コメント

▼ Leshrac’ ▼(レシュラック)
2012年7月14日22:57

はじめまして~ レシュラック’と申します!
リンクさせていただきました~

なるほどの考察ですね~
初心者の方への説明なんかでは、結構「再生」がややこしい事ってありますよね~
ちょいマエとかは「再生の楯」的な説明とか・・・
「死んで再生には、タップが入るんだよ~」等々・・・

戦闘関連の基本の基本ですから、出来るだけ簡単に押さえたいところですよね~

BluE
2012年7月15日11:42

>レシュラックさん
こちらこそはじめまして。リンクありがとうございます、こちらからもリンクさせていただきます。

説明ややこしいわりに「再生」持ちが少ないのも、なんだか割りに合わないといいますか・・・。現在のスタンにある再生持ちは、
SOM 6,MBS 4,NPH 2,M12 2,ISD 4,DKA 1,AVR 3,M13 3
total 25
です。絆魂や接死より少ないですね(それぞれ28と27です)。
不死とか「破壊されない」が入ってきたから少ないのだと思いますが(DKAに1枚しかないのが顕著です)、だったらそんな色々能力あるよりまとめてしまった方がすっきりするじゃん、というのが自分の考えです。いっそのこと、

(コスト):このターン、このクリーチャーは破壊されない。

としても、別に使い勝手はさほど変わらないと思うのです。

オレンジ君
2012年7月17日8:04

読んでて、なるほどと思ったことは
だんだんと、除去に「再生できない」が削られていっている背景が、
再生持ちの強化かと思ってたんですが、
逆に、再生を消すためor名称変更するための布石なのかもしれませんね。

BluE
2012年7月17日11:15

>オレンジ君
ウィザーズが再生を完全に消そうとしているかはまあ、分かりませんが、多分一部のカード(しかも減少傾向にある)のために一文を追加するのが無駄に思ったんでしょうね。
といっても、本当に減少傾向にあるのかは、けっこう微妙だったりしますが。(むしろ増えてる?)

参考:各スタン期に存在した再生の数(括弧は「再生できない」の数)
ミラ傷~M12~イニスト~M13:25(2)
アラーラ~M10~ゼン~M11:15(6)
コールドスナップ・タイムスパイラル~10版~ローウィン=シャドウムーア:42(17)
神河~9版~ラヴニカ:32(12)
オンス~8版~ミラディン:29(32)

コールド~シャドウムーア期がピークに見えますが、この時期のカード総数が多すぎるだけとも。
ただ「再生できない」については確実に減ってますね。オンス~ミラディン期なんて実際の再生持ちよりも「再生できない」のほうが多かったのに(笑)

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